浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



ポムドテール・ブーランジェール

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3893号

7月9日(金)第一食

梅雨らしいというべきか、一日雨。

熱海をはじめ各地で被害が出ている。
熱海はどうも人災のにおいが漂っているが、
とにもかくにも気を付けたい。
被害が出た地域の方々には心よりお見舞い申し上げる。

正常性バイアスというのであろうか。
ここになん十年住んでいるがこんな経験はない、
というインタビューをよく聞く。
そんなはずはない、自分だけは大丈夫という
意識が働くのであろう。

もちろん、温暖化などによる気候の変動で過去を
越える災害が起こる可能性は否定できなかろうが、
なん十年ではなく、歴史をさかのぼって、百年、
二百年単位では同じようなことが起こっていた
かもしれない。
私の住む東京台東区のこの地域でも過去、大雨と高潮で
大正時代には隅田川があふれ大規模な浸水が起きている。
草本願寺前が水浸しになっている写真も残っている。
元来、この界隈は江戸以前は低湿地で今も海抜は
1~2mのところもある。なにかあれば、すぐに水に
漬かる危険をはらんでいる。

ハザードマップをはじめ、自分が今いるところが
どんなところなのか。よくよく情報を集めて置く
ことが必要であろう。

ともあれ、雨なのでほぼ家にいることになる。

雨なので、気温よりも寒く感じる。
簡単に食べられるもの。
煮込み料理のようなもの?。

で、思いついたのは、鶏の足白ワイン煮込み。
ポムドテール・ブーランジェール
Pom de terre Boulangere

フレンチである。
ポムドテールはじゃがいも。
ブランジュールはパン職人。
じゃがいものパン職人風とでも訳すのか。

パン釜の余熱で煮込んだというのが由来のよう。
家庭料理といってよいのであろう。

とにかく簡単でうまい。

鶏の足をハナマサで買ってくる。
凍っているので、レンジで解凍。

どうせ煮込むので、半解凍くらいでもよいだろう。
二本。

玉ねぎ一個、スライス。
じゃがいもも一個、皮をむいて、3mm程度にスライス。

フライパンで焼く。鶏の足から。

塩胡椒を忘れていた。

両面、焦げ目を付ける。

一度、足はあげて、玉ねぎ。

じゃがいも。

両面、焼く。

全部合わせて、圧力鍋へ。

ローリエとタイム。
ここに白ワイン。

煮込むのはひたひた程度で、全部白ワインでも
よいのだろうが、瓶の半分程度と、水。
これで、煮込む。

最初はアルコールを飛ばすためにふたをしない。
沸騰して五分ほど。
いいかな。
ふたをして、加圧。
圧が上がって、中火で5分。

後は、火をとめて、放置調理。

20分程度。ふたを開ける。

ここから、やっぱり中火で煮詰める。

いいかな。

念のため、味見。
このスープというのか、ソースがとにかくうまい。
鶏の足に塩をしただけ。
塩をちょいと足す。
OK。

皿へ。

本来ならワインなのであろうが、
やっぱりビールを開けて、切る。

ほんとなら、ほろほろにほぐれるくらいが
よいようにも思うのだが、そうすると、
特にじゃがいもが溶けてしまう。
まあ、こんなところでよし。

だが、この料理、とにかくこの白ワインベースの
ソースがとにかくうまい。
ローリエ、タイムもポイントにはなっているのだとは
思われるのだが、得も言われず、うまい。
なにかに例えたいのだが、思い浮かばぬ。

入っているのはこれだけ。
とにかくシンプル。
だが、格別にうまい。
おそらく、だれが作っても、圧力鍋でなくとも煮えればよい。
特段のコツなく、
うまいだろう。

 

 

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