浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



浅草・洋食・ヨシカミ

dancyotei2012-12-06

12月4日(水)夜

19時頃、上野で仕事終了。

今日はなにをたべようか。

水曜日、と、いうのは、ちょっとだけ
選択しが減る。
なにかというと、上野と池之端の藪蕎麦、
両方とも休み。

上野といえば、とんかつだが、なんとなく
今日はそんな気分でもない。

上野で洋食、というのも、店はいくつかあるにはあるが
私の場合、どこも今一つ相性がよくない。

こう寒くなってくると、グリルグランドでカレー、でもない、、、。

あそこでもない、ここでもない、いろいろ考え、
御徒町、上野、池之端界隈を徘徊するが、
結局、浅草へ移動。

浅草は浅草でも言問通りを越えた観音裏の洋食、
グリルグランド
きてみたら、本日貸切。

ここまでくる前にTELでも入れてみればよかったと
後悔しても遅い。

最初に迷うと、よいことはないか。

観音裏は観音裏で、選択肢はまた、あるのだが、、、
ここでまた、徘徊を始めると傷口を広げそう、で、ある。

こうなると、安全牌(ぱい)中の安全牌。
遅い時間でも安心。
味もうまい。
満足度も高い。
満員で入れないということもない。

六区の洋食、ヨシカミだ!。
10月にきていた。

観音裏から、言問通りを渡り、ひさご通りを抜けて六区。

そういえば、ひさご通りの先、浅草六区で最後までやっていた
5館の映画館が一挙にこの秋、閉じた。
ニュースにも取り上げられていたのでご存知の方もあるかもしれない。

浅草六区といえば、映画館、寄席、劇場、芝居小屋その他様々な
施設が林立し、東京でも指折りの大歓楽街であったわけである。
その中でわずかに残っていた映画館がすべて閉じたという。

で、その跡地にになにができるのか。
ちょっと、気になって調べててみたらこんなことになるらしい。
松竹が再開発ビルを建てる計画で、その一部に、この付近にあった、
明治大正の浅草のランドマーク、かの凌雲閣が再現される、らしい。
(実際には凌雲閣はここではなく、もう少し北のひさご通りの
西側にあったはずであるが。)

ROXの先を左に斜めに曲がって、ヨシカミ。

入って、一人!、といい、カウンターの正面へ。

コートを脱いで、背後に掛ける。

座るのも待ち切れず、目の前のお兄さんに、ビール!。

座って、頼むものは例によって、チキンライス、
と、決まっているのだが、もう一品、と、
目の前に出されたメニューを見てみる。

目に留まったのは、ポークソテー
“おすすめ”の紙がメニューに貼ってあった。

ここでポークソテーは食べたことはない。
頼んでみようか。

スーパードライがきて、揚げたかき餅をつまみながら
呑む。

いつものように、目の前の厨房で、きびきびと
手際よく料理をする料理人達の仕事ぶりを見ながら。

ステーキ肉であろうか、二枚、フライパンで
焼いている。

ブランデーでも入れたのか、勢いよく
炎があがる。

職人の作業を見ているのは、たのしいもの、で、ある。

ステーキ肉の向こう側で、私のチキンライスを作っていた。

チキンライスからきた。



いつものように、濃い味で、うまい。

さっきのステーキの後に取りかかっていた、
ポークソテーもきた。



しょうゆ味、と、書いてあったが、たれがたっぷりかかっている。
面倒なので、ナイフで先に全部切る。

こんがりと、うまそうに焼けている。

食べてみると、これもヨシカミらしく、濃い味。
気取った味ではないが、うまい。

なかなか、これは当たり、ではなかろうか。

ここでチキンライス以外というと、
揚げ物かコンビネーションサラダくらいした
食べたことがなかった。

ご馳走様。

勘定をして、出る。

帰りはタクシーで元浅草まで。


ヨシカミ