11月9日(水)夜
夜。
市谷からの帰り道、
例によって、今日はなにを食べようか、
考える。
時刻は19時半をまわっている。
この時刻だと、蕎麦や(池の端藪)はないし、、
(あ、その上、池の端藪は、水曜休みだ。)
なにがよかろう。
井泉でとんかつ?。
ご飯と、とん汁まで食べると、ちょっと食べすぎか。
ふむ、洋食は?。
上野御徒町あたりは、とんかつやの名店老舗は多い。
だが洋食やは、あるにはあるが、どこも、もう一つである。
浅草ヨシカミへ行くか。
浅草には洋食やが多いが、ヨシカミは、うまいだけでなく、
夜が遅いのがよい。
仲見世周辺や観音様の界隈は、皆、観光客相手か、
早仕舞いのところばかり。
ヨシカミは六区にあり、便利がよいし、
そう、あの界隈は、演芸ホールに、ロック座(?)もあり、
お客だけでなく、出演者も帰りに寄ったりもする。
それで、遅いのもあるだろう。
新御徒町でTXに乗り換えて、一駅。
浅草駅の長いエスカレーターを上がる。
このTXの浅草駅、というのも、随分と、深い。
秋葉原なんぞは、もう、上がるだけでうんざりしてしまう。
この浅草駅のエスカレーターは、壁に浅草縁(ゆかり)の
人々のイラストなどが張ってあり、多少は、和ませてくれる。
エノケン、ロッパ。軽演劇華やかなりし頃の人気者。
あるいは、日和下駄で徘徊していた、荷風先生。
そして、むろん、故郷である池波先生も。
地上に上がると、演芸ホール脇から
六区の通りを突っ切って、斜めに入り、
路地を右折。左の角。
ドアを開けて入ると、いつものように、
にぎわっている。
手前のカウンターを案内され、座る。
カウンター正面の料理人のお兄ちゃんが水とメニューを
スッと、前におく。
こちらは、座るか座らぬうちに、ビール!。
頼んで、メニューを広げる。
と、ビールと、お通しのおかき。
まずは、一杯。
さてさて。
今日は、なににしようか。
毎度お馴染みで恐縮だが、チキンライスは、決まっている。
私には、ここでチキンライスを食べない、ということは、
もはや考えられない。
で、他になにを頼むか?
はたまた、チキンライスだけにするか?。
このことである。
いつもの、目の前のお兄ちゃんの鮮やかな
手さばきを見せてもらえる、コンビネーションサラダか。
ん?
カキフライ。
季節、で、ある。
とっても、魅力的。
しかし、食べすぎか?。
コンビネーションサラダは¥800。
カキフライは¥1300。
ならば、カキフライか。
などと、考え、
やはり、せっかくヨシカミにきたのだから、
カキフライを食おう!。
と、決まる。
チキンライスと、カキフライ!。
ビールを呑みながら、おかきをつまむ。
私が入ってきたあと、この時刻にしては、珍しいのでは
なかろうか。どんどんとお客が入り、カウンターも
テーブルも、ほぼ満席になった。
と、チキンライスからきた。
いや、ほぼ同時。
すぐに、カキフライも。
カキフライから食べる。
形よく、軽めに揚がっている。
腹も減っており、バクバクと、食う。
キャベツも、ポテトサラダも、全部平らげる。
そして、チキンライス。
やはり、ここの味の濃いチキンライスは、
うまいもの、で、ある。
一番私の口に合っている。
しかし、毎度、カウンターに座るので、感心するが、
ご飯を炒める、調理人の兄んチャンの手さばきの鮮やかさ。
フライパンだが、ご飯が50〜60cmは上に舞っている。
えらいもの、で、ある。
そして、これを見ているだけでも、楽しくなる。
ともあれ。
うまかった。
ご馳走様でした。
勘定をして、出る。
帰りは、腹ごなしに、歩いて帰ろうか。