浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



断腸亭の夏休み イタリア その7

dancyotei2012-08-27



8月10日(金)


引き続き、ローマ。


夜。


レストランへ行くために、バスに乗った。


ナヴォーナ広場近くのバス停で降りる。


イタリア語では、バス停は、Fermata フェルマータ


これも、当初、出口表示の uscita 同様、
バス停の標識に書かれているので、固有名詞=地名、
かと、つまり、Fermataという場所だと、思ってしまった。
(英語の、stopと同義で、音楽でいうフェルマータ
同じ言葉のよう。)


街は、にぎわっている。
今、ちょうど、セールのシーズン。


各ショップではウインドウに“saldi”と大きく書いている。
(これは“sall”であろうと、すぐにわかった。)

紳士ものの店もあり、さすがにイタリア、ローマ、
デザインがどれもお洒落。
スーツでも一着買いたいが、二日の滞在では無理、
で、あろう。


ナヴォーナ広場というのは、ベリーニ作の四大河の噴水、
というのが有名と、ガイドブックには書かれている。


なるほど、噴水がいくつもある。


大道芸人や物売りの屋台も、たくさん出ている。


日が暮れると、さすがに涼しいので広場を散策するのも
心地がよい。


しかし、それにしてもイタリア(いや、イタリアに限らず、
欧米の街は同じであろうが)広場というものが
いたるところにある。


なぜであろうか。
明日行く予定にしているが、フォロロマーノなど、
噴水などがあり、市民が集まり話をする場所(?)、
古代からの伝統スタイル、と、いうことなのであろうか。


これに対して、我国には街であっても、京都でも
江戸(東京)でも、そういうものは、明治以降の
公園は別として、基本的には、コンセプトとして
存在しない、と、いってよかろう。


中国なども、伝統的にはないかもしれない。
と、いうことは東アジア文化にはない、のか。


インドはどうか、アラブは?。


アフリカは?。


広場、と、いうのは市民というのと関係がありそうだが、
ちょっと、調べてみたらおもしろいかもしれない。


ともあれ。


目指すレストラン、イル・コンヴィーヴォ・トロイアーニ
(Il Convivio Troiani)。


まわりになにもない、薄暗い裏路地にあり、
ちょっとわかりずらかったが、到着。


重い扉をおそるおそる開けてみると、
明るい空間。
店の人が、にこやかに、出迎える。
おお、よかった。


名乗り、テーブルに案内される。


テーブルクロスは真っ白で、壁に絵画が架けられてある程度で
シンプルな店内。


飲み物のメニューから。


そう。
全てのメニューがそうなのだが、ちゃんとした
こちらのレストランは、金額の書かれた男性用のメニューと
書かれていない女性用メニューと分けて渡される。
ちょっと、びっくり。


ここでも、やっぱり、ビール。




銘柄は忘れてしまった。



オーダーは、折角なので、メインのフルコース。


グリシーニ。





パン。





前菜、アンティパスト。





ちょっと、日本料理の先付のような盛り付け方。


なのだが、白状をすると、これがなんであったか、
忘れてしまった。
メモでも書いておけばよかったのだが、、、。


食べた当初は、そうとうに印象深かったので、
忘れる心配はしていなかったのだが、帰国後一週間を
すぎて、もはや忘却の彼方(かなた)。


これは、やはりグリシーニのようなもの。





トマトなど色物を練り込んである。
右側の緑のソースは、ハラペーニョの辛いソース。


見せ方が、お洒落、で、ある。


魚の皿。





魚はなにか、白身であったと思われる。
緑のものは、葉っぱ。
確か、オレンジかレモンの葉で、香りを付ける目的。
赤いのはトマト。
白いソースはマヨネーズの類であった、か。


次も魚介系で海老の皿。





手長海老の類。
感心したのは、身はボイルで、頭は衣を付けて
揚げてあること。


そう。


海老は頭がうまい。


日本人であれば、誰もが知っていること。


しかし、欧米では、伊勢海老でもなんでも、基本は
身だけ食べて頭は、捨ててしまう。
まったく、ナンセンス、で、ある。


揚げる、と、いうのは、日本の天ぷらやの
やり方を、参考にしているのかもしれぬ。


これが、うまい、のである。


そして、確か、このソースがちょっと酸味もあり、
タイなど、東南アジア系のニョクマム風味。


タイのトムヤムクンを頭に置けば、おわかりになろう。
むろん、相性はとてもよい。
考えたなぁ、という感じであろうか。
(そのまんまじゃねぇか、ともいえようが。)


やはり、イタリアンなども、
新しいことをしようとすると、こういう方向に
なるということか。


青い野菜は、いんげんと、まったく辛くない
青唐辛子。


次は、魚なのだが、アンティパストのような
魚介系の小品の盛り合わせ。





しかし。


またしても、不覚ながら、これもほとんど覚えていない。


左の端が、かじき、で、あったか。
また、先の、海老のように、東南アジアを意識したような、
ココナッツミルク風味のものがなん品かあったような
記憶がある。


むろん、どれも、うまかったが。





以下、パスタ、メインと続くが、今日はこのへんで。