浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



大手町ビル・スパゲティー・リトル小岩井

dancyotei2009-05-26


5月22日(金)昼


さて。


またまた、調べものがあり、大手町のMDB。
なのだが、今日は、帰社せねばらなず、昼前に
オフィスを出る。


昼飯を、大手町界隈で食べよう、というわけである。
まあ、今日は、一刻を争うわけでもない。


先日の有楽町のジャポネ


と、続くようだが、大手町ビルの、


リトル小岩井


(持ち帰り)


へ、いってみようか。


リトル小岩井は、ジャポネほどの存在感ではないが、
太麺の喫茶店スパゲティーの店としては、有名、で、あろう。


さて。


リトル小岩井、なのだが、前回は、こいわい、と、
かな表記をしてみた。
これは、この店の名前入りの紙袋が、かな表記のため、こうした。


どちらが正しいのか。
(まあ、どちらでもいいような気もするが。)
持ち帰りの、調理パン(そうである。ここは、持ち帰りの調理パンも
作って売っている、のである。)には、製造者として、
小岩井サービス、なる名前が、表記されているので、
今日は漢字表記にしてみよう。
(前回も書いたと思うが、この小岩井は、乳業メーカーの
小岩井なのか?。どうもそんな気もする。しかし、その後、
調べたわけでもなく、依然として、真相は不明のまま。)


ともあれ。


大手町、丸の内界隈の再々開発された、ビルに入っているレストランは、
毎度書いているが、まったく魅力を感じない。


この大手町ビルは、昭和33年の竣工らしいので、
こういう魅力的な店も入っている。
いずれ、この大手町ビルも再々開発されてしまい、
なくなっていくのか。


池波先生は一食一食に命をかける、と、
言われていたが、まったくその通り。


いたしかたない場合はあるが、自分で食べるものを
選べるのであれば、大切な一食、で、ある。
そうした、きれいなビルに入った、新しいレストランへ
いくというような無駄は、できればしたくない、と
思うのである。


選択ができ、時間が許すのであれば、
リトル小岩井のようなところへいきたい。


さて。


この大手町ビルは、どこにあるのか。
むろん大手町であるが、普段、大手町など今日のように
MDBにくる以外は、まあ、あまり縁がない。
従って、あまり上手に説明ができない。


サンケイと読売新聞の南側。
みずほFGビルの北側。
東西に細長いビル、で、ある。


その地下二階。


時刻は12時半をすぎている。
きてみると、やっぱり行列。


しかし、ここは、ジャポネほどではない。
ここに並んでいる方々も、遠くからきている人は、
ほとんどいないと思われる。
みんなワイシャツ姿で、このビルかご近所であろう。


列につく。


ここは先にも書いたが、レストランと同時に、
スパゲティーの入った調理パンやら、
レストランで出しているスパゲティーそのものも
持ち帰りができる。(ジャポネもできるが。)
前にきた時には、この持ち帰りまで、列になっていたが、
今日はその列はない。


例によって、本を読みながら待っていると、
やはり、待った時間は、10分程度であったか、
順番になった。


座る前に、注文を聞かれた。
やっぱり、ナポリタン。
その上、大盛。


ここのメニューは、他には、ミートソースといった定番。
食べたことがないので、どんなものか、よくわからないが、
その名もジャポネ、というもの。あるいは、日替り、
などあったと思うが、バリエーションはそうは、
多くはなかったはずである。


大盛だが、ジャポネほど、おそれる量ではない。


店の中は狭い。
大手町のサラリーマン諸氏が肩を寄せ合って、座っている。
あいた席に、滑り込む。


座ると、小さなガラスの器にキャベツのコールスロー
出される。
これについてはやはり、書いておかなければならない。
曰(いわ)く、『別盛』というもの。
『ベツモリ』、で、ある。


この『ベツモリ』なるものは、普通についてくる
キャベツのコールスローを、大きいお皿のものに
かえてもらう、というもの。
別に盛ったもの、というような意味合いなのであろう。


この『別盛』を頼んでいる人が、1/3程度はあろうか。


(わざわざ、頼むほどのもの、かといわれれば、
そうでもないようには、思われる。)


ともあれ。


きた、ナポリタン大盛。





左側に見えるのが、普通盛りのキャベツ。


麺は、やっぱり期待通り(?)の太麺。
茶店スパゲティーはこうでなくてはならない、で、あろう。
まあ、この量であれば、さほどに頑張らなくともよい。
タバスコと粉チーズをかけて、一気に、食う。
味は、普通にうまい、喫茶店ナポリタン。



食い終わり、立ち、勘定をする。


ここの値段のことを、忘れていたが、
大盛で600円であったか。
(ひょっとすると、600円を切っていたかも。)


格安、で、ある。
(まあ、これで、800円も900円も取るのは、
考えられなかろうが。)


大手町の銀行マン諸氏にも支持されている(と、思われる)。


今時、ここで、この値段でたらふく昼飯が食えるのは、
やっぱり希少であろうし、なにより、この味とこの内容は
どんなに再々開発されようが、生き残ってほしいと、
願うだけである。







住所:東京都千代田区大手町1-6-1 大手町ビル地下2階