浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



水餃子

dancyotei2009-02-15

2月11日(水)祝日 第二食


さて、祝日。


今日は、内儀(かみ)さんが餃子が食いたいという。


インドカレーほどではないが、
餃子、をよく作る。


餃子といっても、日本に普通にある焼き餃子ではなく、
中国北部などで食べられている、水餃子、を、
目指して、作っている。


随分前だが、北京に旅行に行った時に食べてから、
のもの、で、ある。


なにが違うのか。
日本の焼き餃子は、にらやら、白菜やら、葉物の野菜を
随分入れるが、向うのものは、むろんすべてではなかろうが、
基本的には、野菜は入れない。
豚肉と海老を入れる。


もう一つ。
皮、で、ある。
市販のものではなく、手作りをする。
その理由は、ある程度、厚い方がうまいから、で、ある。


あちら、中国の北方では、この水餃子は
これだけで、おかず兼、ご飯。
腹にたまらなくてはならない。
そういうもの、で、あるようだ。


まずは、皮から。


薄力粉、中力粉、強力粉、色々あるが、
まあ、出来上がりの皮のプリプリ感が違うが、
これは、どれでも、そうこだわることは、ないだろう。


今日は、強力粉でやってみる。


200gの粉に水、100cc弱。
塩を少々。


まあ、うどんの比率と同じようなもの。


ボールに合わせて、こねてよく馴染ませる。
強力粉のせいか、なかなか、しっとりと、混ざらない。


ある程度のところで玉にして、ラップをして置いておく。


その間に、肉と海老の買い出し、その他、床屋などに出る。


肉と、海老は、ハナマサ
点心に使う豚肉は、挽肉ではなく、
脂の多いバラ、と、決まっている。


塊でもよいのだが、スライスが安かったので
それ。海老は冷凍の小海老。


帰宅。


時間が経った小麦粉の玉は、しっとりとしている。
これをさらにこねる。
季節もあるのだろうか、随分と堅い。


10分程度こねて再び玉にし、ラップをして休ませておく。


餡づくり。


豚バラ、300gほど。
細かく刻み、叩く。


中国では、二本の包丁を両手に持って、叩いたりする。


ボールに移し、練る。
これは、大切で、ある。
よく練って、粘りを出さなくては、点心のうまみは出てこない。


練りながら、全卵、ラードも入れる。


ある程度練れたら、ねぎとしょうがのしぼり汁。
野菜は入れないが、これも、点心の餡には欠かせない。
これが入ることで、いかにも、という点心の味になる。


しかし、ねぎとしょうがのしぼり汁、なるものを作る、というのは、
意外に難しい。
おろして、しぼる、というが、どうやって?、なのである。
(ふきんで、で、あろうか。なにかスマートではない。)
今日は、ねぎとしょうがを適当に切り、少し水を加え、
ミキサーにかけてみる。


これを裏漉器で、裏漉し。


・・・・?



ん?どろどろとしたもの。



これでは、なんのことはない、絞り汁、というよりは、
西洋料理のピューレ、ではないか。
(これをふきんで、しぼって?結局ふきんか、、。)


まあよい。
このピューレ状のものを入れる。
香り付け、で、あるから、大量にはいらない。
入れる。
(前回作った時には、ここまで、どろどろにミキサーを
かけなかったようである。)


海老は凍っているので解凍し、
今日は肉と同量ぐらいにしてみる。
海老は、食感があった方がうまいので、軽く切るだけ。


調味料。
水を少し、紹興酒、しょうゆ、スープの素。
塩、胡椒、気持ち砂糖。
味見ができないのだが、私はいつも適当。
生地の色と、匂い、で、あろうか。


片栗粉も少し。


さらによくこねる。
仕上げに、胡麻油とレモン汁(ポッカレモン)。


こんな感じ。





さて、皮。


玉を直径2.5〜3cm程度の棒状に伸ばす。


そして、これを金太郎飴のように幅1〜1.5cm程度に切る。
この一つ一つが、一枚の皮、に、なる。


一枚ずつ伸ばすので、その都度、この金太郎飴は作る。
生地が乾燥しないように、その間はラップをかけておく。


切った金太郎飴。
まずは両面に打ち粉をする。
打ち粉は、片栗粉、で、ある。


俎板の上でもよいが、今日は、キッチンの上で伸ばす。


打ち粉をした皮を、まずは掌でつぶす。


点心用の長さ20cmほどの麺棒。
これを右手の掌で転がし、左手で皮を回しながら、伸ばす。
(これは昔の写真。)





まあ、正円がよいのだろうが、自分で食べるのである、
こだわらずともよい。
ただし、先にも書いたが、ある程度厚みはあった方が、
食べごたえがあり、よい。


伸ばした皮は、両面打ち粉をし、これもラップをかけておく。
打ち粉をしないと、重ねた場合、くっついてしまう。


と、次の金太郎飴を作り、伸ばす。
これを繰り返すのだが、なかなかの重労働、で、ある。
この季節はよいが、真夏であれば、汗だく。


出来上がりの大きさは、金太郎飴の幅と太さで決まる。
まあ、好み、というとこである。
私は、厚めの皮でなおかつ、大きめが好み、で、ある。


早く食べたいので、8枚ほど、ひとまず伸ばす。


ここから、包む。


餃子を包むのは日本のものも、同じである。
真ん中に餡をのせ、貼り合わせる部分に水をつけ、
まずは、二つ折。合わせてギャザーに折っていく。
水餃子であるから、隙間があってはいけない。
完全に封をする。


8つ終了。





ここから、茹で。
鍋に湯を沸かす。


沸騰したら、餃子を入れ、くっつかないように、
気を付けながら茹でる。


茹で時間の目安は、今一つわからないのだが、
まずは、皮が、透明になってくる。
ここから、1分ほど、で、あろうか。
都合、4〜5分、といったところ。
そんな感じにしている。


茹で上がり、皿に移す。


家で仕事をしていた内儀さんを呼ぶ。


おっと。
中国の黒酢、香醋が、切れていた。
中国の餃子はこれがなくてはいけないかった。


かわりに、バルサミコ酢
意外に、近い味、で、ある。





ビール、ビール。


餃子には、やっぱり、ビール、で、ある。


バルサミコ酢をつけて、一つ、一口で、食う。
一口で食うのは、つゆまで一口で食べ切るため。


我ながら、なんだが、そうとうに、うまい!。


海老の量を半量にしたのもよい。
ジュシーでうま味たっぷり、香りもいい。


これはもう、、、
ビールとともに、バクバクといく。


内儀さんとともに、8つは瞬く間に、食べ尽くす。
続きは、内儀さんにやらせる。


待って、二人で5つ、6つ、また食べる。


まだ、金太郎飴もあるし、餡もある。
今度は、また、私が、残り分、皮を伸ばし、包む。


6つ、7つ、これも食べ尽くす。
うまかった、うまかった。


まだまだ食えそうだが、金太郎飴が尽きた。



やっぱり、水餃子は、こうやって一気にどかっと、
食うのがよい。



満足、で、ある。