浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



松輪の鯖

dancyotei2008-10-06

9月28日(日)夜


さて、日曜日。


昼前、オフィスへ、自転車で出かける。
出張続きで、片付けなければならないことがたまっている。
どうしても、やらなければならないことを、片付け、4時頃、出る。


帰り道、魚を見に、御徒町の吉池に寄る。
なにか、先週と同じような行動である。


あちらこちらと出張をして、
週末、東京にいて、同じ行動を取れる、というのが
自分にとって、なにか、安心できること、なのかもしれぬ。


売り場を見てみると、、、
お!、松輪の鯖、が、あるぞ。


春、やはりここで見つけ、うまい〆鯖が作れた。
ここでもいつもあるわけではない。
見つけた時に、買わねばなるまい。


600円。


前よりも、少し安い。
多少、小さいのであろうか。
それとも、相場が安い、のか。


「まぁ〜つぅ〜わ、、、」などと機嫌よく、
歌いながら、自転車をこぐ。


帰宅。


こんな感じ。





前のものと、写真を見比べても、そう大きな違いは
ないようではある。


松輪、とは、神奈川県三浦市
三浦半島の先端に近いところの、漁港。
三浦といえば、まぐろの揚がる、三崎漁港が有名だが、
松輪は三崎よりは少し東。


松輪の鯖は東京では、鮨種として、ブランドといってよかろう。
この付近にいる鯖が、もともとうまい上に、
水揚げしてからの管理が、一般の魚と違うらしい。
一本一本、丁寧に扱い、セリも水に入れたままする、という。
足のはやい鯖などは、こうした管理がやはり大切なのであろう。


三枚におろし、皮を引き、両面塩をし、ざるにのせておく。


松輪であれば、軽く1時間程度でよいだろう。
半身二枚。一枚は、〆鯖としてそのまま。
もう半身は、押し寿司にしよう。


、、、。


1時間経過。


半身を水洗いし、皮を引く。


パッドに甘酢を作り、半身を漬けて、
上からペーパータオルをかけておく。
これは、〆鯖としてそのまま。





押し寿司にする方は、もう少し、そのまま置いておく。


酢に漬けた方は、これも1時間ほどでよいか。


1時間経過。


上げて、一度酢を切って、皿に置き、冷蔵庫へ入れておく。
もう半身は、洗い、皮を引いて、同じ酢に漬ける。


皿に置いた方、10分〜15分置いて、切る。





(この写真、毎度思うが、切り口が曲がっている。
出刃包丁で、切っているからなのだが、、。
刺身包丁を買わねば。)


ビールを開けて、食べてみる。
うまい。


の、で、あるが、前回ほどの感動はない。
むろん普通の鯖で〆鯖を自作したものよりは、
そうとうにうまいことは間違いない、のである。


しかし、前回は、脂ののり方、うまみ、身の張り、というのか、
食感、色つや、鯖らしい香り、、などなど、
段違いのものであった。


鮮度や脂ののりも、前のものと、違っているのか、、。
まあ、相手が生き物であるから、時期、季節やらでも
むろん違うのであろう。


これが値段の差、で、あったのか?!
本来、鯖の旬は冬、であるはずだが、松輪の場合は
違うのか?


ともあれ、半身は、内儀(かみ)さんと、全部食べてしまう。


残りの半身は予定通り、押し寿司に。
米を浸水しておく。


甘酢に漬けておいた半身は、
先ほどと同じように、酢を切って、皿にのせ
冷蔵庫に入れておく。


炊き始めたのは、10時頃。
炊飯器のカタメモードで。


炊き上がり、少し蒸らす。


寿司酢をお椀に作る。
酢に少量の砂糖と、塩、しょうゆも少し。


米は二合炊いたが、その半分。
ボールに取り、酢を入れ、扇風機の前で、しゃもじで
かき混ぜながら、水分を飛ばす。


前にも書いているが、私はこれが苦手なのである。


先日、秋刀魚で押し寿司を作ったときには、


なぜか、うまくいった。


が、、、、。
今日は、だめ。
なかなか、水分が飛ばず、そのうちに、飯が冷えてくる。
こうなっては、もうだめか。
あきらめて、放置。


酢の量が多かった、ということは、ないと思うのだが、、
前回は成功した理由を、夏で、気温が高かったからか、
と、自分で分析をしたのだが、
今日はもう、寒くなっていたからなのか、、。


しばらく置いても、水分の多いのは、
あまり変わらない。


仕方ない、このまま、押し寿司に。


型を水で十分に湿らせて、一番下に半身を置き、
酢飯を詰める。


詰め終り、上に、おもしに、まな板を載せ、さらに、
サラダオイルの大きなボトルなど、その辺にある、
重いものを載せる。


今日は、先日の秋刀魚の押し寿司の反省を生かし、
少なくとも、二時間以上置こう。


夜中。


型から抜いてみる。




酢飯の水分が多い状態は、多少は落ち着いた、のだが
まあ、柔らかい感じ、は、依然として続いており、
もうこれ以上は、無理であろう。


切って食べてみる。


味は、わるくない。
食べてみると、柔らかいのもさほど気にならない。


まあ、今日のところは、よし、とせねばならないか。
押し寿司は、松輪の鯖と合わせて、トータル、75点いや、
60点くらいか、、、。


しかし、それにしても、酢飯作りは、課題、で、ある。