4486号
1月13日(土)夜
さて、そろそろ、平常バージョン。
今週は、両国の猪鍋[ももんじや]を予約した。
やはり、ここには年に一回は行かねば。
先シーズンは、22年の12月であった。
予約をすると、コースのみ、とのこと。
若干、ここも変わってきているよう。
コースは、猪鍋に二品付いたもの、6600円也。
予約は、6時半。
今日はかなり寒い。
本格的な、真冬になってきた。
風もある。
両国橋を渡った信号でタクシーを降りる。
道を渡って、店の前。
毎度、猪の剥製がぶら下がっている。
昔は、ほんものの猪であったのだろう。
ショーウィンドーなどなかった頃、店の前に使っている
ものを見せるために置いておく、というのは、一つの
スタイルであったのであろう。
神田須田町あんこう鍋の[いせ源]も鮟鱇を下げていた。
また、うなぎやも、玄関脇に生簀などを作って、うなぎを
見せ、客は、これを料理してくれ、と、見ながら選ぶ
という習慣もあった。
入って、帳場に名乗り、二階へ。
ここは、入れ込みでもなく、かといって個室でもない。
襖で仕切った部屋に衝立を仕切りにお膳二つ、客二組
といった配置。
お膳。
ガスのコンロに鉄鍋。
割り下に赤くて、甘い味噌。
おそらく、ここも江戸甘味噌がベースであろう。
寒いが、やっぱり瓶ビールをもらう。
お通しは猪のすじ肉の煮込み。
味噌味なのだが、これがなかなかうまい、のである。
猪肉がきた。
真っ赤な身に、この真っ白な脂、見事、で、ある。
野菜。
芹。芹の根だけ別に切って盛られている。
これも見事なちょうどよい太さの長ねぎ。
白滝。これは細いものではなく、ノーマルなものか。
そして、焼豆腐。
野菜だけなら、二種。やはり江戸由来の鍋はシンプル。
ごちゃごちゃと入れない。
肉を下に入れ、
上に野菜。
猪鍋というのは、とにかく煮なくてはいけない。
15分。
10分でもちょっと少ない。堅いのである。
なぜかわからぬが、猪肉というのは、15分を越えると
柔らかくなるのである。
色が変わったからといって、慌てて食べてはいけない。
タイマーをセット。
その間に、馬と鹿のロースト。
どちらもよい塩梅に焼かれている。
淡泊で、うまい。
ゆっくりと、呑みながら、待つ。
15分。
煮えた。
猪は遺伝子的には、豚と同じだと思うのだが、
ここまで違うのか、と思うほど違う。
弾力があり、うま味にあふれている。
脂身も、いわゆる脂っこくはなく、プリプリで
うまい。
刺身、だが、
これは鹿。
淡泊な赤身が、うまい。
刺身もつまみながら、鍋の野菜、猪肉も食べる。
さて、芹の根。
ここでも以前から、このように別に出していたであろうか。
特に、仙台の芹鍋。
あれも、根っこがうまいという。
だがまあ、あまり、私にはピンとこないのだが。
あらかた、食べ終わって、ご飯なのだが、
やっぱり、肉は一枚残しておきたい。
ご飯セット。
ここはうどんという選択肢もあるが、やっぱり
ご飯を選びたい。
温泉玉子に、薬味のねぎ、お新香。
残した肉を飯にのせ、玉子もねぎものせ。
鍋に残った味噌を、ご飯へ。
これはもう、堪えられない。
食べ終わって、デザート。
いつも変わらない、
黒豆のアイス。
うまかった、うまかった。
会計は二人で17,545円也。
なにも一年に一回でなく、頻繁にきてもよい
のだが。
墨田区両国1-10-2
03-3631-5596
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