浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



筑前煮?

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4041号

2月24日(木)夜

火曜日に3回目のワクチン接種の行ったのだが
昨日は、多少の微熱でだるく、今日もなんとなく
だるさが残り、出掛けないことにした。

なにを食べようか。
冷凍庫にあるものを考えてみる。

鶏もも肉が冷蔵庫にあるのだが、
焼鳥では、おもしろくない。

それで、筑前煮を思い付いた。

そうである。
里芋の水煮が凍っている。
これに干椎茸。

ほんとうは、蓮根、にんじん、ごぼう
こんにゃくなども入れるとよいのだろうが、
これだけでもまあ、筑前煮といってもよいだろう。

筑前煮というくらいで、筑前の煮物で、よいのか。
定義とすれば、鶏肉が必ず入り、その他に根菜系を
甘辛く煮たもの。
筑前、福岡県ではがめ煮、というと聞く。
北九州出身のバカリズム氏は子供の頃から
お母さんの作るがめ煮が好きであったと
言っていたように思う。
やっぱりよく食べるものなのであろう。

作る。

まずは、干椎茸。

丼に二つ、ポットのお湯を入れレンジへ。

軽く温めて、置いておく。

これだけでもつゆに色が付くので
出汁は出ているであろう。

鍋へ。

椎茸はむろん、出汁だけではない煮込む。

やはり椎茸には最も味を含ませたい。
先に煮始める。

砂糖、しょうゆ、酒。

やはり、筑前煮はしょうゆの立った、東京風の
しょうゆの煮しめではなく、甘めがよろしかろう。
九州のしょうゆは甘い。
福岡県に敬意を表しよう。

煮立てて弱火。

しばらく煮る。

鶏を一口に切る。

椎茸はある程度味が染みたか。

鶏も入れる。

冷凍の里芋水煮は、レンジをかけて解凍。

鶏にも色が付いてきたら、最後に里芋水煮。

水煮なので、むろん火は通っているので
多少味が染みればよいだろう。

弱火でしばらく煮込む。

こんなものかな?。

皿へ。

ビールを開けて、食べる。

鶏も、椎茸もよく味が染みている。
うまい。

ただ、いけないのが、里芋。
なんだか、すかすか。
水煮をさらに冷凍保存していたのだが、
これがいけなかったのか。
里芋は、冷凍野菜にもあったと思うが、
どういうことであろうか。

ともあれ。

筑前煮、うまいのだが、今回、レシピなど特に
見ずに作った。
どうも、違っていたようである。
他の野菜類はともかく、鶏肉は煮る前に、
油で炒めるというものがほとんど。

先に炒めるとアクが出にくい?。
まあ、出来上がりの味がどれだけ違うのか、
わからぬが。

九州なので、ちょっと中国、中華料理の
影響もあるのかもしれぬ。

けんちん汁というものがあるが、あれも
煮る前に、こんにゃくやら根菜類の材料を炒める。
鎌倉の建長寺が起源と聞く。建長寺がなまってけんちん。
(異説もあるよう。)
建長寺禅宗臨済宗のお寺。鎌倉時代なのか、
室町時代なのか、中国から渡ってきた僧が伝えたので
油で炒めるという工程がある、とも。
定かではないが、材料を先に油で炒めるというのは
やはり和食っぽくはなかろう。

 

 

 

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