2021年令和3年辛丑
あけましておめでとうございます。
本年も断腸亭料理日記をどうぞ宜しくお願い申し上げます。
皆様の21年が、少しでもよい年になりますよう、
祈念申し上げます。
断腸亭錠志
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令和3年、辛丑。辛丑はカノトウシ・シンチュウ。
十干十二支(ジュッカンジュウニシ)である。
今はほぼ一般には使わなくなったが以前は元号といっしょに
我が国で普通に使っていた正式な暦表現。
十二支に甲(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)・丁(ひのと)・
戊(つちのえ)・己(つちのと)・庚(かのえ)・辛(かのと)・
壬(みずのえ)・癸(みずのと)の十干を組み合わせて、
六十年で一周りする。これが還暦。
壬申(じんしん)の乱、戊辰(ぼしん)戦争、といった使い方。
ちなみに、一つ前の辛丑は1961年。
私も、あと二年で還暦。(嗚呼)
ともあれ。
年越し。
皆様はどうすごされたのであろうか。
旧臘からだが、早めに寒い冬が訪れている。
大晦日も寒かった。
私の年越しは毎年同じはず、であったが、多少の
影響が出てきた。
例年通り、神田[まつや]の年越しそばを予約してあった。
昼前、着込んで自転車で出る。
下は厚いヒートテック、セーターにダッフル、マフラー、毛糸の手袋。
晴れているが、かなり寒い。
例年、上野広小路の[うさぎ]で正月のお菓子に
どら焼きを買う。
きてみると、長い列。
ここは混んでいる時は、店に着くと最初に名前を言って
どら焼きなん個と最中なん個と頼み、箱に入れたセットを
作ってもらうと、名前が呼ばれる、という仕組み。
頼んでから、店の中に人がたまる。
これはやはり密になる、ということであろう。
店の中を覗くと、透明なアクリル板の立った窓口の
ようになっている。
全体の人数とすれば、多くはない、むしろ例年よりも
少ないのかもしれぬが、時間が掛かる。
この極寒に並ぶ気にはとてもならない。
とりあえず、後回しにし、神田須田町へ。
さすがに大晦日、これは例年通りだと思うが、
抜けていく秋葉原の街は休日の人出ではない。
昌平橋を渡って、須田町へ入る。
路地を曲がり[かんだやぶ][まつや]も例年通りの
列のように見える。
店とは別の場所の[まつや]の持ち帰りの年越しそばの列。
これは例年より少ない、か。
予約をした人としていない人と、例年列が分けられている。
お!。予約に人の列には人がいない。
すぐに、3人前のセットを買えて、出る。
これは生そばにつゆと、白い長ねぎも付いている。
さて、どうしよう。
昼だし、第一食、なにか食べよう。
須田町から万世橋へ出てくる。
あ、そう。
万世のラーメン。
大晦日だし、開いているところも少なかろう。
久しぶりに食べるか。
[肉の万世]のラーメンというのは、随分前から
あるのではなかろうか。東京のパーコー麺の走り。
都内、いろんなところにあるが、けっこう
好き。
中央通りを渡って、万世へ。
ラーメンは一階の奥。
入ってカウンターに座るが、食券式であった。
再度出て、券売機で購入。
排骨(パーコ)拉麺、870円也。
ややあって、きた。
アップ。
ちょい縮れの太麺。
排骨はうまい。
スープは旨味はつよいのだが、すっきり。
今も排骨が好きなのでたまに食べるのだが、
スープは昔からあまり変わっていないのではなかろうか。
今となっては、いささか物足りなく感じる。
中央通りを戻り、再び[うさぎや]前。
やはり列の長さはあまり変わっていないよう。
長年の年越しの習慣だが今年はあきらめよう。
こういう時は、定番。松坂屋の[虎屋]でよろしかろう。
最中とミニ羊羹の詰め合わせを購入。
帰るとお節が届いている。
これも例年のこと。
市谷砂戸原町の[鮨太鼓]。
もう長年頼んでいるが、よいのは大晦日に家まで
届けてくれる。勘定はその場で。
40,000円也。安くはないが、助かっている。
江戸前の鮨やで、腕は確か。
三段のお重。
混ぜ込みの鮨。
蒸し鮑、煮穴子、煮た本物の松茸、蒸しうに、
錦糸玉子、紅白の酢蓮、枝豆他。
一之重。
紅白蒲鉾、おそらく自家製の伊達巻、真ん中にゆずを
巻いた干し柿、胡桃の入った田作。黒豆、いくら、
紅白なます、栗きんとん、昆布巻き(中はにしんか)、
細かい包丁目が入ったいかなのだが小さなすみいかか。
つづく
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