浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



かきフライ

dancyotei2016-03-28


3月26日(土)第一食

さて、土曜日。

昨日、少し早かったのでアメ横のいつもの魚やに寄ったのだが
牡蠣があった。
この安売りの魚やには珍しい。
無造作に大きなトレーに入ったもの。
毎度お馴染みの¥500であった。

私などは牡蠣というのは、どうも秋の時期初め、ばかりに
興味が行っていたが、実際は大きく育った春の方がうまいという。

むろん加熱用であろう。
かきフライ、で、ある。

と、いうわけで買っておいた牡蠣。

AM、キャベツを買いに出る。
フライものにはキャベツの千切りは欠かせない。

今は春キャベツも出ているが、ノーマルなもの、
半分。

それから、サラダ油も切れていたので購入。

作る。

まずはキャベツの千切り。
半分になっているのでこのまま切る。
できるだけ薄く、細く。

切れたら水に放しておく。

さて、牡蠣。

どのくらいあるのかわからぬが、まずは水洗いし、
さらに塩をして、つぶさぬように気をつけてよくもんで、
また洗う。


次に、塩胡椒をして小麦粉をまぶすのであるが
ボールに入れてしまおう。

小麦粉は天ぷら粉。塩胡椒とともに混ぜておく。


玉子、パン粉を容器に用意。
玉子は二個を割りほぐす。今日は水はなしで
天ぷら粉を少し入れてみる。

箸でつまみ、玉子をくぐらせ、パン粉へ。


とんかつであれば串で刺して扱うのであるが、
牡蠣は串を刺すと破裂しそうなので、箸。
箸でつまんで玉子をくぐらせ、パン粉の器へ。

パン粉を両側、上にまぶし、手のひらで強めに押す。
別の箸でつまんで皿に置く。

ここも指ではなく箸。
指でつまむと、パン粉が取れてしまうのである。

この一連の作業を繰り返す。

どんどんできていくが、ちっとも減らない。



大きいものが5〜6個。
中小合わせれば30個くらいにはなるかもしれぬ。

段々飽きてくるが、やりはじめたら途中で
やめるわけにもいかない。

都合1時間くらいはかかったか。
とにかく、全部衣をつけてしまう。

結局、上の皿に2枚分できた。

1時間は漬けたのでキャベツは例の野菜水切り器で水を切り
冷蔵庫に入れておく。

いよいよ揚げる。

油はいつも通り予熱をしておいたが、冷めてしまった。

再度点火し、温度が上がるのを待つ。

投入。

 

油温は高温で狐色になるまで。
1分半くらいか。

揚げるのも一(ひと)仕事。

どんどん揚げて、これも一気に揚げてしまわねば。

 

終了。
山のようにできてしまった。

皿にキャベツ、かきフライ、大きそうなもの
6〜7個を盛り付ける。

ソースは普通のとんかつソースとマヨネーズも添える。

 

 

ビールを開けて食べる。

ちょっとよい洋食やにあるような特大とまではいかないが
なかなか大きいものもある。

やはり、かきフライはうまいもんである。

子供の頃、このグニュっとした食感から、とても人の食うものではない
と思っていたが、社会人になった頃からであろうか、
食べられるようになり、いつしかうまいものである、
という食い物になった。

かきフライに限らないがフライものは、むらなく全面衣に
包まれているものを、やはり、よしとする。
なかんずくかきフライは、ものが柔らかいだけに
衣のつけ方がむずかしい。
薄くなったり衣が付かないところがあったりしがち
である。

それで今回はできるだけ丁寧な衣付けを心がけてみた。
それで時間もかかったわけだが、そこそこ成功であったか。

シーズン終盤になるが、うまくなる季節。
今度は大きなものを探して、もう一度くらいやってみるか。