引続き、かつ丼。
昨日は、揚げて、切ったところまで。
ここまでやれば、置いておいてもOK。
出汁。
煮干がよかろう。
昨日、かつ丼のポジションに合った味噌汁、
などと書いたが、同じ意味で、だしは鰹よりも、煮干。
煮干は頭と腹を取る。
煮干の出汁の味噌汁、というのは、子供の頃から
食べてもいるし、自分でも若い頃から
作ってきたが、当初は2〜3匹入れればよい、と、
思っていた。
しかし、実際のところ、この程度では
たいしてよい出汁は出ない、のである。
鰹にしてもそうだが、出汁というものは、
薄い黄色の色がつくくらいのもの、なのである。
煮干でもそう。
2〜3匹ではとても色はつかない。
2〜3杯の味噌汁でも一握りくらいの煮干を使わぬと、
こうはいかない。
頭と腹を取るのは、苦味が出るから。
頭と腹を取り、さらに、身を裂いて、だしが出やすくする。
後で取り出さないので、すりつぶしてもよいくらいだが、
それはそれで、食感が違ってくるので、ある程度の
大きさでとどめる。
これを鍋に入れて、水で一晩置いて、出す、
というのが本式のようだが、そんな時間はないので、
一度煮立て、弱火で数分、色がついているのを確認して、
火を止めて、置く。
ここに、先になめこを入れ、火を通す。
火が通ったら、1cm程度の賽(さい)の目に切った
絹ごし豆腐を入れ軽く煮立てる。
(この賽の目も小さい方がお上品ではある。)
煮立ったら、火を止め、味噌を入れる。
八丁味噌と信州味噌、1:1。
味を見ながら入れる。
味は濃い目がよいだろう。
OK。
味噌汁は、ここまでで置いておく。
さて、かつ丼にもどる。
丼鍋である。
玉ねぎを切る。
1/4個。
とじるための、玉子、玉子、、?!。
さっき、かつを揚げるときに、衣に使ったものが
最後であった。
そのときに気が付かなかったのは、まぬけな話。
玉子がなければ、かつ丼にはならない。
あわてて、ハナマサまで買いに出る。
1パック買って、帰宅。
使うのは2個。
お椀に溶きほぐす、のであるが、完全に腰を切らない、
といわれている。
なんでもそうだが、その方がふんわりと仕上がる、という。
(先日のチャーハンは逆であった。あれは完全に腰を切る。
さらに、漉す、というプロもあった。)
ここまで準備して、丼鍋に玉ねぎスライスを並べる。
おっと。
丼ご飯を用意しておかねば。
ご飯は冷蔵庫の冷飯(ひやめし)。
丼に入れて、ラップをし、レンジ加熱をしておく。
丼鍋。
つゆの素を入れる。
液体、にんべんのもの。
酒、水を加え、煮立て、味見。
濃い、ちょい、水を足す。
OK。
煮詰まっていくし、私の場合、濃すぎる方向に
振れることが多いので、気を付ける。
ある程度玉ねぎに火が通ってくるのを待ち、
かつを玉ねぎの上に並べる。
ここに解きほぐした玉子を投入。
すぐに、ふたを閉じる。
この間、強火。
10秒、20秒。
どうかな?
ふたを取る。
ふちが少し固まってきているくらい。
半生、半熟、でもむろんうまい、のであるが、
今日は、もう少し火が通った、ふんわりを目指してみる。
もう10秒。
オープン。
いいか!。
丼鍋を持って、丼飯の上に持ってきて、
箸でずらしながら、あける。
やはりそのままの形で、飯の上に載せるのは、至難の業。
多少崩れたが、まあしょうがない。
なめこと豆腐の味噌汁を加熱。
熱くして、お椀に入れ、ねぎも入れる。
京都の漬物も出す。
いつも親子丼でも、もう少し柔らかめで終えていた。
玉子の半熟、半生も玉子かけご飯のようでもあり、よいのだが、
このくらいふんわりが、ベストではあろう。
なめこと豆腐の味噌汁。
これもうまい。
煮干の出汁もよく出ているし、
なめこのぬめりがあり、こってりと仕上がった。
(プロのなめこ汁は、やはり、洗っているのであろうか。)
しかし、かつ丼というもの、うまいもの、で、ある。
たまに食べたくなる、と書いたが、誰が考えたかわからぬが、
たいしたもの、で、ある。
アイデア料理も、珍奇な食材、ブランド魚もよいが、
こういうあたりまえの料理こそが私は大切だと、思うのである。
家でかつ丼が食える幸せを、かみしめる。
誇張ではなく、そんな心持、で、ある。
※P.S.
かつ丼発祥は、一説には大正の頃、早稲田の三朝庵という蕎麦やともいう。
だが、この前書いたように、洋食のカツレツがとんかつとして独立したのが、
明治末から大正年間と思われ、それが玉子とじのかつ丼になるのは、
早くとも昭和に入ってからではなかろうか。
一度、考えてみたことがある。
また深みにはまりそうだが、また今度考えてみようか。