浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



池波正太郎と下町歩き2月 その6

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NHK文化センター、断腸亭の『池波正太郎と下町歩き』


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NHK文化センター

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グーグルマップ。





より大きな地図で 断腸亭の池波正太郎と下町歩き2月 築地〜銀座 を表示


ルートマップ





江戸の地図




引き続き、2月の『講座』。



明石町から、築地。



隅田川沿いの道。
左側はマンションで右側は建て込んだ街並みになる。
一本目の路地を右に入る。
築地も明石町同様、戦災にあっていない。


路地を4本すぎた右側。
古い木造の建物がある。


これは濱野家住宅。


今は閉まっているが、海産物を扱う商家として、
昭和5年現在地に建てられた。入口には、人見梁という背の高い梁がかけられ、
軒は出桁造 という形式という。以前は、家に入ってすぐの場所が
広い土間になっており、鰹節 を入れた樽が山のように積まれていたという。
中央区文化財


太い梁は、神田多町で見た、元の青物問屋の家屋のものと
同じである。


築地市場、魚河岸の雰囲気が段々にしてくる。


Uターンをし、1本目を右に曲がる。


しばらくいって、左側。
とんかつの、かつ平。
ここは、池波先生御用達のとんかつ。
(私は、きたことはない。)


この奥に、うなぎの丸静
安くて、量が多いので、有名。


晴海通りに出る。
目の前は、築地市場


左に曲がり、勝鬨橋西詰の信号。
ふぐの天竹


比較的、お安目、の、ふぐや。


信号を渡る。


築地市場の門の前。


今日は、市場はやっているのだが、この時間は、働いている
方々は三々五々、家路につく頃。
トラックや、バイク、乗用車、徒歩の人が、どんどんと、中から出てくる。


渡って一度、歩道を銀座方向に歩く。
と、一つの碑がある。
これは、軍艦操練所跡。


上の江戸の地図をご覧になると、軍艦操練所は、
ちょうど、載っている。
軍艦操練所の前の道は、今の区画、晴海通りと
同じ。


この市場の中(今は、駐車場のビルがある部分)は、
幕末、安政3年(1856年)幕府は当初、幕臣の若者を集め、
武術などの鍛錬を行なう、講武所を開校したが、翌年、
講武所は、神田へ移転。その後、旗本や御家人を対象に、
海に接したここに、軍艦教授所を開講した。
頭取は向井将監・勝海舟等が就任。
ここでは新式の訓練が施され、洋式海軍の伝習がなされたが、
二度の火災にあい、慶応3年(1867年)浜御殿(浜離宮)へ移り、
翌年英人教頭が江戸を去ったため伝習は名実ともに休止。
この後、明治になり、新政府の海軍の本拠となった。
日本海軍発祥の地でもある。


ここでは、もう一つ。
年代としては、軍艦操練所の後、に、なるのだが、
慶応4年(1868年)、ここに、築地ホテル館、という
ホテルができている。





これは、築地居留地の設立にあわせて外国人のために建設された。
和洋折衷様式の日本初のホテルで、その姿は新しい時代を迎えた
東京の新名所としてたちまち評判となり、多くの見物人が訪れたという。
施工は先月の神田、で、出てきた、
清水組(現清水建設)の二代清水喜助。


三階建ての本館(一部4階、塔屋付)と平屋。


絵で見てわかるように、軍艦操練所の区画そのものが
ホテル館になっており、随分と大きなものであったが、
火事にあい、建設わずか4年でなくなっている。


ここでまた、Uターン。


築地市場の門の前を横切って、勝鬨橋へ。


まあ、勝鬨橋をご存知のない方はいないだろう。
今、橋の袂の右側に、資料館ができている。


前身は、1905年(明治38年日露戦争戦勝記念として始められた
勝鬨の渡し」。1940年(昭和15年紀元2600年の記念として
月島で開催計画のあった万国博へのアプローチとして考えられていたが、
折しも日中戦争の激化により万博は中止になり、橋だけが完成した。
当時は船舶の通行が多く、跳ね橋(架道橋)となった。
交通量の増加と船舶の航行がなくなったため1970年を最後に
開閉は停止となった。(国指定重要文化財


重要文化財だったのは、知らなかった。
その記念であろう。石原都知事の筆になる
プレートが設置されている。


明治以降の重文、というのは、珍しいのかと思って
調べてみたら、今は、279件と、意外に少なくない。


この東京でもいくつかあるが、
例えば、同じ橋で、永代橋清洲橋が、重文。


確かに、芭蕉記念館あたりからの清洲橋の眺めは
そうとうに美しい、、。





またまた、長くなっているが、
来週につづく。