浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



`10年・鳥越祭 その1

dancyotei2010-06-08


6月5日(土)



年に一回のお祭りの日がやってきた。


2009年鳥越祭


毎年、同じようなことを書いているようだが、
やっぱり、私としては、書かずにはおられない。


東京下町、ことに、浅草、下谷、神田、日本橋
本所、深川などなど、江戸の頃から、町、であったところ、
いわゆる下町、には、隈(くま)なく神社ごとに
氏子町内が定められており、ほとんどのところで、
神輿の出る祭がある。


中でも、神田明神神田祭日枝神社山王祭は、
先日も書いたが、江戸の頃から、天下祭として、
江戸城にも行列が入り、江戸市中をあげてのお祭りであった。
また、浅草の浅草神社三社祭、は、今は東京を
代表する祭として人も集まるし、皆さんご存知であろう。


あるいは、深川の富岡八幡の深川祭
江戸三大祭り、なんという言い方があるが、
先の二つの天下祭に、深川祭を入れる人もいる。
深川祭は、深川一帯と、隅田川を渡った箱崎あたりも
含まれるくらいで、氏子町内も広く、夏の暑い盛りに行なわれ
ジャバジャバと水をかける祭として、盛大に行われる。


他には、佃島住吉神社の佃祭。
落語にもなっている。佃は漁師の島だが、祭では
神輿が海に入る(今はしていない。)、あるいは、
八角形の神輿が著名で、昔から人気のあった祭と
いってよいだろう。


そんな中で、私の住んでいる、元浅草界隈は、
蔵前の西、浅草橋の北、鳥越にある鳥越神社の氏子。
お祭りは鳥越祭という。
(今年は、先週のTV東京系アド街ック天国でやっていたので
ご覧になった方も、あるかもしれない。)


だいたいにおいて、神田、下谷、浅草界隈のお祭は、
五月の連休あたりから始まり、毎週の土日、
どこかで、いや、ひょっとすると同時に
なんヶ所かで、祭がある。


鳥越祭はおおむねその最後。
毎年、6月の最初の、土日と決まっている。


それで、界隈では、鳥越祭が終わるとそろそろ梅雨に入るね、
とも、いわれている。


また、東京下町の祭は、ところによっては、年により
本祭と蔭祭といって、祭の規模に違いがあるところがある。
交互に、あるいは、数年おきに行なわれるところもある。
盛大にやるのを本祭、というが、今年の神田祭は、
蔭祭であったし、深川祭などは本祭は三年に一度で、
次は卯年で、来年のようである。


鳥越祭も、以前は、本祭と蔭祭とあったようだが、
今は区別なく毎年同じように行なわれている。
(ちなみに、お隣の三社も区別はない。)


鳥越神社の氏子町内は、東北側を三社、北を
小野照崎神社、西を下谷神社などに囲まれ、南は
浅草橋、柳橋秋葉原(二長町)あたりから、
浅草通りの北までと、随分と広い地域になっている。
祭は、この全域で行なわれる。


鳥越にしても、三社にしてもこの界隈の祭は
土日、なにが行なわれるのか、だいたい決まっている。


日曜日が見せ場で、各神社の本社神輿と呼ばれる
神社に置いている神輿を各氏子町内で引継いで、
氏子町内全域を回る。(これを本社神輿渡御という。)


三社は名前の通り、一之宮、二之宮、三乃宮と三基。
鳥越は、千貫神輿と呼ばれるくらいの、大きなものが一基。


神社から神輿が出るのを宮出し、入るのを宮入りと
いって、どちらも祭の見せ場になっている。
(見せ場であるので、様々なトラブルも三社にしても、
鳥越にしても、ここで起きるのだが、、。)


鳥越の場合、氏子町内が広いので、早朝の宮出しから、
宮入りは、毎年、夜の8時、9時になり、神輿には
提灯がつけられ、灯りがともされる。
それで、別名、鳥越の夜祭、などともいわれる。


では、土曜日はなにをしているのか。
神輿というのは、先の本社神輿とは別に、
それぞれの町内で自前の町内神輿というものも
持っている。
日曜日にもこの町内神輿は、本社神輿の渡御とは
別に、時間を分けて各町毎に担がれるが、土曜日には
近隣の町内神輿が、連合渡御などといって、
集まって、隊列をなして担がれる。
特に、鳥越祭では、この町内神輿の連合渡御も
夕方から、夜にかけて行なわれ、やはり、本社神輿同様
提灯に火を入れて、担がれるのである。


そんなわけで、例年通り、夕方、町内の御酒所前集合。
私は担ぐわけでもないのだが、町内の半纏を着て、
祭用の幅の狭い帯を締めて、足元は、素足に麻裏草履という格好で、
内儀(かみ)さんと一緒に出る。


集合、担ぎ始め。




各町の集合場所へ。



各町の代表が集まり、手〆。



提灯に灯を入れて、隊列を組んで連合渡御。



北部八ケ町といっているが、元浅草周辺の

八つの神輿が並ぶ様(さま)は壮観であり、また、美しい。




(神輿の中の飾り金具。おわかりになろうか、

この金具にまで、町(七軒)の印が刻まれている。

手の込んだもの、で、ある。





自町内の御酒所まで戻り、終了。



私など、くっついていただけだが、


疲れた、、。