浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



根津・讃岐饂飩・根の津、と、 根ぎし・芋坂・羽二重団子

dancyotei2009-11-26

11月23日(月)勤労感謝の日 第一食


以前にも同じようなことをしているのだが、
讃岐うどんが食いたくなった。


映画『踊る大捜査線』で有名な、本広克行監督の


UDON スタンダード・エディション [DVD]
映画『UDON』。


昨夜、CSの日本映画専門チャンネル
やっていた。


これを視ると、いつも讃岐うどんが食べたくなる。
その上、今回は、内儀(かみ)さんも一緒に視ていたので、
二人で、で、ある。


踊る大捜査線』シリーズは大ヒットし、おもしろいが
『UDON』という映画もこじんまりと、と、いってよいのか、
わからぬが、おもしろい。


本広監督は1965年生まれで、私などとは、
二つ下で、まあ、同世代であろう。
比べるのが適切かどうか、はあるが『ラヂオの時間』などの三谷幸喜
などとも、センスとすれば近いかもしれない。
三谷氏は1961年生まれであるが、やはりさほど
離れていない。ちょっと、マニアックというのか、
“オタク入っている”というのか、、。
爆笑問題の大田氏(1965年生まれ)、あたりも含めて、
我々の世代特有のセンスのような気がする。
(ようは、オタク、なのか。)


本広監督は、香川県丸亀の出身で、うどん、は、ソウルフード
だという。それがやはり、うまそうな、画を撮らせているのだろう。


というわけで、祝日だが、ある程度うまい、讃岐うどん
食べられるところを捜してみる。
前にいった、根津の根の津。
そして、もう一軒、同じく根津、だが、釜竹。
こちらは、祝日営業で、定休日は月曜ということで、
TELを入れてみると、休み。


根の津の方へ、いってみることにする。


珍しく内儀さんの方が先に起きて、朝飯は食ってしまっており、
11時前に起きた私は、第一食になる。
天気もよいので、根津あたりなら歩いていっても
よいのだが、さすがになにも食べないで歩くのは、
きついので、往路(いき)は、タクシーにしようか。
12時半すぎ、内儀さんと出て、春日通りから乗って、
湯島天神下まで真っ直ぐ、右に曲がり、不忍通りを左。
言問通りの交差点、根津駅も越えて、二つ目。
根津神社の信号で降りる。


権現様の方へ路地を曲がる。
この入口の角にある、定食やさん、に、
談志家元の直筆と見られる、貼り紙がしてある。
家元は、このあたりにお住まい、で、ある。


路地を曲がって右側。
店前には、2〜3人の列。
このくらいなら、むろん、待つ。





店から、女性が出てきて、メニューを渡される。
以前にきた時にはなかったと思われるが、
温かいのと冷たいのの、二杯のセットがある。
これにしてみようか。
内儀さんも同じ。
頼んでおく。


なん人か、出てきて、すぐに入り、相席で座る。


映画でも出てきていたが、別にのせるものを頼む、
というのが、讃岐うどんにはあるが、ここにも
あった。


天ぷらやら、さつま揚げ。
愛媛の方の名物だと思うが、じゃこてん、があった。
これを追加でもらおう。


しばらく待って、きた。





左側が温かいもの(きつね。内儀さんのもの、
私は、同じ温かいものでも、かやく、と、呼んでいたか、
揚げ玉入りのもの)。
右は、冷たい、ぶっかけ。


最近、ここは人気になって、麺が平べったくなっている、
という噂が、どこぞの投稿サイトにあった。
私には讃岐うどんのことは、よくわからないが、
そういえば、以前よりも平べったいか?。


そうである、これは、映画にも出てきていた。
平べったい方が、早く麺が打てる(量をたくさん作るには
平べったい方が打ちやすい、ということなのか)ので、
人気になると、平べったくなる店は多い、というような内容であった。


しかし、私には、十二分に、うまいうどん、で、ある。


勘定をして、出る。
天気もよいので、帰りは歩き。


ぶらぶらと、権現様の境内。
ここはつつじが有名だが、秋は、まあ、普通に紅葉している。
七五三やら、結婚式もやっている。


さて、ここから。
内儀さんが、甘いものが食べたいという。
むろん、この界隈には、甘いもの関係は多いが、
少し足を伸ばして、日暮里の羽二重団子まで、いってみるか。


もう一度、根津神社入り口の信号まで戻り、
不忍通りを渡り、直進。
坂を上って、突き当たりを左折。


坂の下は、根津で、文京区。
坂を登り始めると、
(正しくは、昔の藍染川が境で)
台東区になり、谷中。


坂上の道を、道なりに、まっすぐに、歩く。
このあたり、岡倉天心の旧居が公園になっていたり、
とても閑静な山手の住宅地という趣。
台東区でも数少ない、山手の高級お屋敷町と、
いってもよいのかもしれない。


谷根千』、など影響であろうか、このあたり、下町という
いわれ方が今は多いかもしれぬ。商店街など、下町的
色彩は強いが、この谷中、隣の上野桜木なども含め、
地形的にも山手で、墓地や寺社が多いが、それ以外は、
やはり、閑静な住宅地である。
歴史的には、明治以降、先の岡倉天心はじめ、
芸術家が多く住んだのは、芸大(美術学校)が
近かったからであろう。
あるいは、当時、浅草や上野の盛り場に
大きな店を持つ人の自宅、そんな例も聞いたことがある。


駅前の通りまで出てきた。
右に曲がって、駅前を通る。


向う側には東口の再開発で最近できたビルが見える。
駅の中を通って、東口側に降りる。
右に曲がり、線路に沿った路地に入る。


この路地には、その昔は音無川(石神井用水)という
小川が流れていた。
音無川の本流は王子から、隅田川へ注いでいるが、
ここから分かれ、今の京浜東北線に沿ったところを
流れ、上中里、田端を通り、ここ、日暮里を通って、根岸、から北上、
金杉、三ノ輪、さらに三ノ輪から、南東に向きをかえ、
山谷堀と名前もかえて、日本堤、吉原大門前を通り、
今戸から、隅田川に注いでいた。


と、歩いていると、右側に、目指す羽二重団子のビルが
現れる。


昔は、谷中の山からの芋坂下、音無川のほとりの
風雅な場所。


入る。


団子一皿。





平たい形の団子二本。
しょうゆの焼き団子と、漉し餡の団子。


素朴だが、うまい。


渋いお茶も飲んで、一休み。


(惜しむらくは、庭の眺め。線路際で、さらに、
前にビルが建っているので、薄暗い。)


再び出て、根岸、洋食やの香味屋のある柳通り、
昭和通りも突っ切って、南下。
金美館通りから、左衛門橋通り、そのまま、
ず〜〜〜っと、南下し、合羽橋本通り、浅草通り、
越えて、元浅草到着。


運動不足の内儀さんは
そうとうに疲れたようであった。







讃岐饂飩・根の津
文京区根津1-23-16
03-3822-9015




羽二重だんご
荒川区東日暮里5-54-3
TEL 03-3891-2924