浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



中華ちまき

dancyotei2007-07-03

6月30日(土)深夜


午後、焼豚を作り、その後、それでチャーハンを作った。


話が複雑になるので、書かなかったのだが、
チャーハンと同時に、どうしたわけか、朝から、中華のちまき
が、食べたかったのであった。


タイ米を先に、食べてしまわねばならず、焼豚、チャーハンの順に
なった、と、いうわけで、ある。


なぜ、中華ちまきなのか、というと、暑かったから、、、。
と、いうことなのだが、これではなんのことやらわからない。


説明をすると、
朝、暑い→、辛いもの、トムヤンクン、ということ、に、
なったのであるが、これと同時に、中華ちまきを思い出したのである。


話はさかのぼる。99年であるから、もう8年前。
名古屋時代である。
エスニック風牛筋煮込み、というのを作った。


これは、花椒(ホワシャオ)やらをしこたま入れたもので
季節もちょうど、今頃。
これを当時、読でいただいた、日本在住の中国の方が、
「これからの季節、スパイシーなものは、いいですよね」
というような、メッセージをいただいた。


そして、中国では、旧暦の端午の節句に、ちまきを食べる習慣がある、
というようなことを、おっしゃっていた。
そして、筆者には、暑い→スパイシー(、、ちょっと飛んで)→中華ちまき
と、そんな記憶がすり込まれ、中華ちまきが食べたくなった、
と、いうわけである。


(実際の、中国の旧暦の端午の節句は、毎年違い、今年は5/31、来年は
6/19、ということで、5月と6月の間で定まっておらず、
年によって、随分幅があるようである。)


作り方を調べると、さほど難しくはなさそうである。
入る肉は、豚肉。


問題は、包む、竹の皮。
これを調達しなくてはならない。
が、これも、合羽橋の近所に住む、筆者には、問題はない。
業務用食品、材料などを扱う店へいけば、まず、置いていよう。


昼寝をしたあと、合羽橋に、竹皮を探しに行く。
よく利用している、プロパックという店にあった。
が、量が半端ではない。200枚は、あろうか。
これを小分けしてくれ、とはいえない。
¥2000ほど。





(これだけの竹皮、他になにに使うのか。おにぎりを包むのか。
間違いなく、今後、ほとんど使うあては、なかろう、、。)


それから、ちまき、で、あるから、もち米。
豚肉は、肩ロース。(もも、でもよいよう。)


先に書いたように、中国では、行事の食い物なので、
うずらの卵や、栗の甘露煮(甘栗)などを入れるもの
でもあるようであるが、むろん、なくとも、よかろう。
他に、たけのこ、椎茸、あたりを入れるようだが、
椎茸はあるので、たけのこ水煮だけを買っておく。


作り始めたのは、深夜。
例によって、土曜の深夜の料理、で、ある。


もち米は2合、3時間以上浸水、というので、夕方から
洗って、水に浸してあった。


まずは、豚肉。
1cm弱の、さいころ状に切る。


これに、酒、しょうゆ、スープ(素)、のたれに漬けておく、
というのだが、ちょうど、午後作った、焼豚を煮込んだ煮汁、
にしょうゆ、酒を加えたものに、漬ける。


椎茸も、もどしておく。
(ほんとうは、まるのまま、の、干し椎茸がよいようだが、
乾燥スライスが大量にあるので、これを使う。)


たけのこも、肉と同様のさいころに切る。
肉、たけのこ、もどした椎茸を炒める。


ここに、もち米、水カップ1、酒少々、しょうゆ少々を入れ、
炒めながら、煮詰める。(先の、焼豚の煮汁も少し足す。)


もち米が透き通るまで、というが、なかなか、透き通らず、
粘りが出てきてしまう。
これはいけなかろう、と、適当で、やめる。


竹皮。表裏を水洗いし、包む。





折り方が難しく、今ひとつ、完全に会得してはいないのだが、
三角形のポケットを作り、スプーンで詰めていく。


適当な量まで入れ、さらに折って、正三角形のおにぎり状にする。
(この、最後の折り込み方が今ひとつ、会得していないところ、
で、ある。基本的に、筆者、頭を使う折り紙は苦手のようである。)


ともあれ、適当に折り、別の竹皮を細く割いて、
紐にしたもので、縛る。これも実は、難しい。
正三角形を紐で縛る、というのは、どうも格好が取れないのである。
一応、とまっていればよかろう、と、強引に結んで、一つ完成。


ちょっと、大きめになったようだが、8つできた。





蒸し器(圧力鍋)で蒸す。
通常の蒸し時間は、30分。
圧力鍋のふたをし、蒸気を出し、加圧、10分。
あとは放置。


果たして、食えるものができているのか、と、不安を抱きながら、
一つ取って、開けてみる。





どうしてどうして、ちゃんとできているではないか。
ちまき、らしい。


食べてみる。


過去食べたことがある中華ちまきの味と比べると、
ちょっと、薄かった。


味付けは、まったく適当であった。
思い返すと、筆者がいつも作っている
炊き込みご飯の感覚で味を付けたのだが、それよりも
濃い目の方が、中華ちまきとしてはよいようである。


しかし、豚肉から、脂も出て、なかなかじんわりと、
味のある、ちまきになった。


まあまあ、成功、で、あろう。
また、冷蔵庫に入れておけば、しばらく朝飯によさそうである。