浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



焼売

dancyotei2009-09-17



9月13日(日)夜


さて。


餃子とくれば、なんであろう。
焼売、で、ある。


日本では、点心の二大巨頭?
いや、一昨日も書いたが、餃子の方が、
頭二つ三つ、抜け出しているか。


だがまあ、みんな知ってる二番手であることは
間違いなかろう。
それに続くのは、春巻き、であろうが、
これはもう、遥か後方、かもしれない。


水餃子は、そこそこ、私も、もう、
うまく作れるように今はなっている。
その関係で、他の点心類もトライはしてきた。


焼売もやった。これも、10年前。


この時のデキは、今一つ。
それ以来、トライもしていなかったかもしれぬ。
そうである、小龍包なども悪戦苦闘してみたが、
これはもっと哀れな結末であった。


今回の焼売レシピは、チューボーですよ!、の
最近のものから。


午後、足りない材料を、買いに出る。


干し貝柱は、合羽橋のプロパック


それから、蒸すための、クッキングシート。
点心類を蒸す場合、中華の蒸籠(せいろ)にしても、
蒸し器にしても並べた下に、皮がくっつく。これを避けるために、
キャベツだったり、屑の葉っぱを敷くのだが、ない場合は、
クッキングシートが必要。


これはプロパックにもあったのだが、
文字通り業務用で、大量にあって、800円。
30mもいらない。
やめて、田原町赤札堂にまわる。


赤札堂では、水煮のたけのこ、生椎茸、生姜。
むろん、クッキングシートもここ。
それから、豚肉。


点心のほとんどの肉は、豚肉で、それもばら肉を叩く。
餃子でも、焼売でもこれは同じ。
レシピでは、粗挽き、ともあるので、
できれば、塊から切っていくのがよいのだが、
けっこう、面倒、でもある。


今日は、安くなっている豚挽肉があったので、
500g購入。


皮も市販のもの。


夜、作り始める。


最初に、貝柱を戻すため、お椀に、数がよくわからぬが、
こんなものかと3〜4個取って、お湯に漬けておく。


たけのこ、椎茸、ねぎをみじん切り、
生姜もおろしておく。


次に、挽肉を練る。


今日は、レシピ通り調味料も量る。
以前の失敗を繰り返したくないからである。


豚挽肉をボールに入れ、塩、胡椒、砂糖、
酒、しょうゆ、オイスターソース。


レシピでは、塩小さじ1に対して、砂糖1と1/3と、
砂糖の量が多いように思う。
日本人にとっては、意外、なのだが、中華では、
例えば、辛いはずの麻婆豆腐などでも砂糖を入れるレシピもある。
(これは、広東系ということなのか。)


よく練って、貝柱、同戻し汁、おろし生姜を入れ、
さらに練る。


ここに胡麻油。


用意したみじん切りの野菜は合わせて、
ボールに入れ、片栗粉をまぶしておく。


このレシピ、この回のオンエアを視ていないので、
この片栗粉をまぶす作業がなんなのか、
よくわからぬ。


生地に馴染みやすい、ということか。
片栗粉は、つなぎ、と、いう意味もあろう。


これを練った挽肉に加え、混ぜておく。


と、レシピ通りに作ってきたのだが、
かなり大量にできてしまった。





ここから、包む。


とても、一人では、らちがあきそうにない。
内儀(かみ)さんも呼ぶ。


焼売の包み方は、意外に簡単である。


左手の人差し指と親指で、輪っかを作る。
(いわゆる、OKマーク、で、ある。)


この輪っかの上に、四角い焼売の皮をのせる。
次に、一個分適量、ヘラ(バターナイフなどがよい。)
で取り、皮の中央にのせる。


で、のせた具の中央を押し込みながら、焼売の形にする。
形にする、というと、簡単だが、少し技がいる。


皮を載せた、人差し指と親指の輪っかの下、中指を飛ばして、
薬指と小指の二本を丸める。
この薬指の丸めたところが、焼売の底の部分になる。
お分かりになろうか。


人差し指と親指の輪っかが直径で、
高さが人差し指と中指の太さ、の、円柱ができるのだが、
これがちょうど、焼売一つの形になる。


皮の上にのせた生地をこの円柱の中に、押し込みながら、
円柱形に成形する。
四角い生地を円柱に押し込むわけだから、むろん、
ヒダになる。
最後は、平らなところに置いて、底を平らに、
側面のヒダなどをきれいし、円筒にする。






完全にこれ、職人仕事、で、ある。
中国では、点心師なんという資格もあるようだが
黙々と、焼売を作る。


上の写真一皿分、作ったところで、
一先ず、蒸してみることにする。
味見、で、ある。


水を張った蒸し器を加熱し、先ほど買ってきた、クッキング
シートを敷いて、一皿分、15個ほどを入れる。


蒸し時間は、8分。


蒸している間も、包む作業は内儀さんとともに
続ける。


蒸しあがり。


盛り付け。





一先ず、ビールを開けて、食べる。


びっくりするほどうまい、ということもないが、
そこそこ、焼売らしい。



最初の失敗から考えると、自画自賛だが、
さすがに進歩しているではないか。


焼売というのは、店によって、やっぱり、
いろいろな味がある。
今日のレシピは、長ねぎであったが、
玉ねぎのみじん切りが、入っているところも
あったように思う。


私の好みは、やっぱり、少し大きめで、
ねっとりしたうまみのあるもの。
ねっとり、は、練り方なのか、他になにか入れているのか、、。
また、大きいとなると、市販の皮では、ダメそうである。


残りも全部包む。
買ってきた皮一袋、40枚では足りず、買い足し、
結局60個ほどできてしまった。


二人で、流石に全部食べ切らなかったが、
それでも、私は、30個近くは食べただろう。


餃子もうまいが、焼売もまた、うまい。


焼売は弁当のおかず、ちょいとしたつまみ、
なんぞにも、よい。
(そうである、崎陽軒ではないが、焼売は冷めてもうまい。
これも特徴だろう。)


日本に根付いた点心、焼き餃子と焼売。
私には、どちらも、甲乙付けがたい。