浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



ステーキ

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1月29日(火)夜

さて。

肉、ステーキ、で、ある。
やはりたまに食べたくなる。

まあ、いつものことだが、特別なソースをつくるわけでもなく、
ただ焼くだけ、ではあるが。

塩と胡椒だけで、十分うまいではないか。

ただ、少し前から、にんにくスライスの乾燥チップを
使うようになった。

よく、目の前の鉄板でステーキを焼いて食べさせるのがあるが、
彼らは必ずにんにくチップを使っている。ちょいとうまいものである。

肉は米のアンガスビーフ
赤身であるが、うまみが濃いのでずっとこれに
決めている。

付け合わせもいつもたいして考えない。
なんでもよい。
冷蔵庫にある野菜を一緒に焼くくらいだが、
今日はどうしようか。

にんじんのグラッセでも作ろうか。
これもレンジで簡単。

スーパーでアンガスビーフとにんじん一本を調達。
にんじんも袋で買っても食べるのに時間がかかるので、
一本でよい。
アンガスビーフは小さめのもの。
さすがにこの年齢だと、特大のものはヘビー、で、ある。
ただ、アンガスビーフ、ちょっと値が上がっているような
気もするのだが、気のせいか。

肉。

常温に置いておく。
このくらいの厚みであれば、そのまま焼いても
さほど問題はないと思うが、時間があるので。

2時間ほど。

作り始める。

にんじんを切る。
皮をむいて、面取りもしようか。

大きめのボールに砂糖とコンソメ

レンジ加熱時にラップをしてもあふれてしまうので
大きなものに。

ポットのお湯をテキトウに。

10分ほどにしてみる。

途中、様子をみると圧でラップがとれていた。
あふれてはいなかったようだが、上からもう一枚
かけ直し再度加熱。

できたかな。

念のため、櫛を指して確認。
OK。

肉に両面、塩。

フライパンにバター。

肉を投入。

最初は強火。

鉄板の皿も用意。
余熱を始める。

最近、このステーキ用の鉄皿を買ってから、
もうこれ一本。

強火で焦げ目がつくまで焼いて、ひっくり返す。

なかなかよさげな焦げ目。

あとは弱火。

あ!。
にんにくチップを忘れていた。

肉の脇に入れる。

油を少し足してチップを炒める。
チップは実は、水分がないのですぐに焦げてしまう。
先に入れると香りを油に移してから取り出して
置かねばならない。
後からでもにんにくの香りは、まあ肉につくであろう。

にんにくが狐色になったら肉の上に置いておく。

肉の火の通り加減。
あまり微妙な計算はしない。
いや、できないといった方が、正しい。
下の面の様子を見て同じような焦げ目がつくのを
目安にはしている。
これはミディアムとウェルダンの中間くらいに
なろうか。

熱くした鉄板にのせ、にんじんも盛り付ける。

上から電動ミルで黒胡椒を挽いてまぶす。

ビールを抜いて、切ってみる。

こんな感じ。
熱した鉄板にのせているので、加熱は進む。

まあ、こんな感じでも十分うまい。
アンガスビーフがうまい、ということであろう。

もともと、鉄板を使うようになったのは、
食べていると出てくるドリップのためであった。
加熱した鉄板の上にのせるとドリップがでなくなる
のではなく、わからなくなるだけで、ほぼ見栄えだけの問題。
ただ、大きなステーキ肉の場合、食べているうちに冷めてしまう
ことの防止になっており、これがよくて使っている。

にんにくチップも全部食べるわけではないが、ちょいとあると
よい。生のにんにくでは不思議とこうパリッとはならない。

うまかった。

 

 

 

カレーうどん・古奈屋/上野アトレ

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1月28日(月)第二食

時間もあるし、上野へフェルメールを観にいくことにした。

昨年からやっている。
話題で、人気、なのであろう。

普段、絵画を観る趣味はほとんどない。

ただ日本画、例えば尾形光琳酒井抱一などの琳派や、北斎
広重、豊国などの浮世絵、役者絵など国内の江戸期のものはまだ
興味もあって積極的に観る。
だが、国内外問わず、洋画というのはあまり趣味がないのが
正直なところなのである。

日本の江戸のものも歴史的な興味やら歌舞伎などとの
関係から観るということで、絵画そのものだけを切り出して
芸術として観る、ということをあまりしない、ということ
なのかもしれぬ。

ついでに、昼飯。

AM、カレーのことを書いて、カレーが食べたくなっていた。

寒いし、、、カレーうどん
ちょっとこの頃食べていないが。

上野駅のアトレに巣鴨の[古奈屋]が入ってる。

東京でカレーうどんといえば、昔からあそこ
で、あろう。
上野アトレの店では、なん回か食べている。
うまいものである。

カレーうどん。東京だとカレーそば、であるが、
まあ、ほとんどだめである。

この日記を書き始めた、30代前半。
名古屋に単身赴任をしていた時代。
名古屋というのは、あまり知られていないと思うが
カレーうどんが圧倒的に、うまい。
有名店もあるが、平均レベルも高い。
なにが違うかというと、濃い、ということ。

名古屋圏はいろいろなもので味が濃いというのが
特色だと思うがカレーうどんも東京と比べると
濃い。これがうまい、のである。

東京のそばやのカレーそばは、ほとんどの店が
業務用のそばうどん用のカレールーをそばつゆで
割ったものであると思う。
学生時代、そばやでバイトをしていたが、業務用
専用のものであるが市販のもの。基本これを使っていた。

名古屋にいて好きになったので、自分でもカレーうどん
作るようになった。

濃くするポイントはラードを使ってカレー粉の入った
ベシャメルソースを作る。手間は少しかかるが
そうとうにうまいものができる。
東京のそばやは、豚肉をちゃちゃっとそばつゆで
煮る程度。やはりこれでは深みは出なかろう。

さて。
自転車で出て、上野駅に向かう。

上野駅のアトレは山下口の方のWESTと正面玄関口のEASTの方と
分かれるが[古奈屋]があるのは、EASTの方。

EAST、正面玄関口の方はレトロ館などともいうようだが、
上野駅のこのスペースは、その昔は貴賓客向けの待合室などが
あったところだと思われる。
随分前にアトレになったのだが、正面玄関口は吹き抜けに
なっているなど、建物自体は雰囲気のあるものである。

吹き抜けから二階に上がって左側のレストランスペース。
入ってすぐの右側。

昼の時刻をちょっとすぎているからかすいている。

ここはいつもすべて女性なのではなかろうか。

そう。
そもそも[古奈屋]さんは、ご店主の奥さんだか娘さんだか
女性が今の繁盛を築いたのではなかったか。
店のテーストは女性である。

天ぷらもあるが、ノーマルなカレーうどん
小のご飯を付けた。

レモンゼリーのデザート付き。
ご飯は五穀米のような感じ。
このあたりのテーストも女性である。

やはり、カレーうどんの原則、濃くてうまい。

それも、店も言っていると思うが、ここのカレーのつゆは
名古屋などのものとも違い、牛乳なのか、クリームなのか、
おそらく乳製品系のものが入っている。

濃いのだがやさしい。

うどんもうまい。
例えば、讃岐やらのシコシコ、までではなく、
腰はあるが、これもやさしい。

安心できる、うまいカレーうどんである。

ご馳走様でした。

さて。

フェルメールも書いておかねば。

ウイークデーであるが、かなり混んでいた。
チケットは当日券を窓口で買ったが、前売りを買えるので
あれば、その方がよいだろう。
入場が時刻で分けられており、1時、3時、5時、、、。
それぞれの時刻の最初には行かない方がよい。
30分待ち以上の列になり、寒い中、西郷さんの銅像をまわり
清水堂あたりから並ばなければならない。
3時入場のチケットであれば、4時近くに行くと、
列は解消している。入場時刻は決められるが、出る時刻は
決められておらず、なんら問題はないのである。

フェルメール展といっているが、フェルメールの作品は
一部で、他は同時代、16~7世紀のオランダの画家の作品。
ただ、フェルメールの作品自体が、全部で37点しか
現存していないようでそのうちの9点が今回きている。

驚いたのは、絵画は皆、きれいなのである。
物理的にきれいという意味である。
これらの作品群、修復されていたのではなかろうか。
近くでみると表面はレプリカかと思うほどピカピカ。
とても17世紀のものではない。

フェルメールは光の画家、光の魔術師などというようだが、
ピカピカに修復されて初めて、描かれた当時の画家の意図は
伝わるというものである。
今回きている目玉でもある「牛乳を注ぐ女」なども他の
作家と比べてもピカイチの輝きを放っていた。光の画家の面目躍如。
我が国の絵画、建築など古い国宝なども最近は少しずつだが
修復されている。このご近所上野東照宮もはげっちょろけから
黄金の金ピカになっている。やはりできるのであれば、
描かれた、造られた状態で観るのが、正しいのであろう。

そして、やはり比較すると、フェルメールの作品は
「牛乳を注ぐ女」もそうだが、描いているモチーフは
日常生活を切り取ったものがほとんど。
つまりわかりやすい。
これも人気のポイントかもしれぬ。

上野のフェルメール展は日曜日、2/3までである。
お気をつけを。

 

 

 


古奈屋

 

 

 

フェルメール展

 

 

 

 

四川風(?)もつ鍋

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1月26日(金)夜

いつのもことなのだが、冬から春先にかけて出てくる、
アレルギー性鼻炎
検査をしていないのでいわゆるアレルゲン、原因がなんなのかは
わからないが、おそらく杉花粉だけではないのであろう。
出る時にはかなりひどい。
朝からくしゃみと、鼻水が止まらない。
最近は肌を守る保湿ティッシュがあるが、一日で
一箱を使い切ってしまうくらいなので、これが出るまでは
鼻がこすれてたいへんなことになっていた。
もちろん、アレルギーの薬は常用しているが、
一度ひどい鼻炎が始まってしまうと、一日は収まらない。

今日もそんな感じ。

こんな時には、なにを食べるか。

辛い鍋。
どうも身体を温めると気持ちも温まる。
それも激しく。

そこで、自己流だが、四川風(?)もつ鍋。
以前からやっているが、少し前から流行っている
火鍋に近いものかもしれぬ。

出たついでに、もつを調達。
スーパー、ライフ。
今日は生のシマチョウ。
ライフのものであれば、生でも大丈夫であろう。

野菜はニラ。

冷蔵庫に解凍した鶏もも肉もがあったので、これも。
それから、やはり冷蔵庫に残っていた白菜。

スープ。
簡単に味覇(ウェイパー)でもよいのだが、
冷凍庫に鶏がらが凍っているので、これを使い切ってしまおう。

流水で解凍。熱湯を沸かしてふりかけて、一度洗う。

時間もかかるので、圧力鍋で煮込んでしまう。
圧力鍋なので、澄んだスープにはならないが、
鍋の出汁ならばよいであろう。

圧をかけて弱火で5分。
30分放置。

やはり濁ってしまった。

ここから中華鍋。

にんにくとしょうがスライスを用意。
それから豆板醤。

中華鍋を熱して、油を回し、豆板醤。
油に馴染ませ香りを出し、にんにくとしょうが。
これも香りを出す。

ここにスープ。
味噌。
味噌は、八丁味噌と米味噌の半量ずつ二種類。
八丁味噌だけでは、うまみが少ないので米味噌も使う。
しょうゆ、紹興酒、日本酒。
基本はこれでよいのだが、さらに芝麻醤(チーマージャン)と
沙茶醤(サーチャージャン)。
芝麻醤は担々麺などにも使うが、練り胡麻
沙茶醤は、私は麻婆豆腐にも入れるが広東系の調味料で
独特のくさみというのか、香りと旨味がある。

煮立てて、最後に、ラー油。

味見。
OK。

四川には欠かせない、中国山椒、花椒も入れるが、
これは食べるとき。
小さな当たり鉢に、用意だけする。

カセットコンロを用意し、スープを土鍋に移す。

花椒

切ったニラ。

シマチョウ。

白菜。

鶏肉。

写真を撮り忘れたが、これに長ねぎも。

これらを煮て食べるだけ。

まずは、白菜の白い部分、シマショウ、鶏肉を入れ、
煮る。

シマチョウは脂が多い。
ちょっと不安なので、最初はよく火を通そう。

にらも入れる。

鶏肉は問題ない。
火が通れば食べる。

潰した花椒は鍋にも入れるが、食べるときにもまぶす。

シマチョウはよいかもしれぬ。
脂は煮ているうちにどんどんスープに溶けていってしまうが、
このシマチョウは処理もよいのか、脂の味もよい。

スープもなかなかよくできた。

辛くて、痺れる。

汗もやっと出てくる。

アレルギーがひどいときは、漢方でいうところの、
身体が冷えている状態なのかもしれぬ。

お。
そうであった。忘れていた。
この鍋には、春雨も入れるのであった。

お湯で戻し、入れる。
春雨はスープを吸ってくれる。

これもまた、うまい。

 

 

  

スタンドカレー探検隊?上等カレー

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1月24日(木)昼

ちょっと間があいてしまったが、
「スタンドカレー探検隊?」。

基本的にチェーン店はここには書かないことにしていたのだが
思いがけず、書き始めた。

そもそもは[日乃屋]

から始まっていた。

「神田カレーグランプリ」受賞という看板に魅かれて
入ってしまった。名物カツカレー840円也。
普通盛では少し多かったが、味はかなりよかった。
カツカレー好きを自任していたが、カツカレーとして
十分に満足できた。
正直のところそれまでは、チェーンのカレースタンドというだけで
敬遠していたのだが認識を改めると同時にいくつかある
他のチェーンも食べてみることにしたのであった。

その後近所の上野、御徒町秋葉原界隈にある、
「カレーは飲み物。」、大御所であり巨大チェーンの
CoCo壱番屋」、金沢カレーの「ゴーゴーカレー」と
回ってみた。

ココイチ」はノーマル感が突出している。
それ以外はカツなどを看板にし、ガッツリ系。

個人的な好みとすれば、やはりカツカレー推しの
[日乃屋]と[ゴーゴー]。この二つにはその後もなん回か
入って、小盛のものを食べている。

今回は[上等カレー]。
ここは、大坂発祥のチェーンで、大阪府内に40店程度。
都内では6店とまだそう多くはない。

私などは大阪のカレーといえば難波の老舗[自由軒]、
あるいは丸の内の東京ビルにも進出している[インディアンカレー]を
思い出す。どちらも特徴的で大阪を代表しているのかどうか
わからぬ上に[自由軒]は食べたことはあると思うのだが
味の記憶がない。[インディアンカレー]は甘かった
という印象がある程度。

店は秋葉原
中央通り沿い。
AKB劇場のあるドンキのビルと末広町交差点の
ちょうど中間あたり、東側の角。

「名物!大阪甘辛カレー 昭和58年創業」と
看板に大書されている。
ここも「神田カレーグランプリ受賞」。

どうでもよいが「神田カレーグランプリ」受賞店というのは
なんなんだ、という疑問も出てこよう。
2011年から昨年18年までで8回目。
受賞店は老舗、インドカレー、チェーンとバラエティー
富んでいる。基本イベント会場での一般市民の投票によって
決められているよう。
私は行ったことはないが、まあ、一応のところ信用して
よいのか。

実のところ、ここ[上等]は、二回目。
一回目は先々週あたりで、もう一回入ったのは、
やっぱりうまかったから。

秋葉原の店は、食券制で入ると券売機があり、
ここも、いろいろあるが、カツカレー推しか。
小盛系はなく「手仕込みトンカツカレー」880円也。
まあ、こんなものか。

くの字のカウンター。
入ったのは2時頃。
そこそこ席は埋まっている。

席に掛けると、生玉子入れますか、と外国人らしい店員の
お兄さんに聞かれる。
生玉子は無料サービス。むろん、頼む。

カツは都度揚げているのか、多少の待ち時間。

きた。

アップ。

置かれている漬物は、福神漬けとちょっと変わっているのが
酢漬けのキャベツ。

キャベツを皿に取り食べる。

一口目、カレーが、甘い。
そして、辛味は後からくる。
味は濃厚。

系統としては、金沢の[ゴーゴーカレー]に近いのでは
なかろうか。
共通するのは、ウスターソース系の味。
(金沢はやはり関西系の食文化圏ということか。)

[ゴーゴー]の方はカツの上にご丁寧にウスターソース
かかっているが[上等]よりはさらにウスターソース感は強い
かもしれぬ。

東京人のカレーの味覚からすると、ウスターソース
というのは、あまりメジャーではないと思われるが、
なん回か食べると、これはこれでイケル、と、感じる
ようになってきた。

[上等]のカツ。
カツカレーというのは、東京では(?)カツの上にカレーをかけていない
部分を残すのが普通であるがここはカツの上すべてに掛けている。
そんなこともあってか、カツそのものの味というのは、あまり
印象に残らないというのが本当のところか。(不満があるということではない。)

生玉子も含めて、トータルしての満足度は、そこそこ高かった。

さて。
スタンドカレーのチェーン、目立ったところを
まわって書いてきた。
正直にいうと、行ったが書いていないところもある。
(書くまでもないと。)
また、[カレーの王様]老舗チェーンだが今は店舗数が
少なくなって、足を運べていない。

つまり、全部をカバーできてはいない。
従って、全体を語るのには限定がつくのかもしれぬ。

それを前提に書くと、私自身は、スタンドカレーに対する、
印象を大きく変えた。
うまかったし、これからも食べに入るだろうと。
(「ココイチ」を除いて。「ココイチ」は私はターゲットでは
ないのであろう。)

カレーというのは国民食である。
だが、若い頃は、インドカレーが好きで、チェーンはもちろん、
日本風のとろみのあるカレーは、極端にいえば眼中になかった。

年齢のせいであろうか、変わってきた。
もちろん、インドのスパイスカレーもうまいが、慣れ親しんだ、
日本のカレーも十二分にうまい。特にカツカレーは。

うまいものは、うまい。
それでいいではないか。

 

 

 

 


福島上等カレー

 

 

 

 

 

小島町・中華・幸楽

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さて、ここ。
台東区小島町二丁目、中華[幸楽]。

元浅草七軒町の拙亭からも、かなりのご近所。

知っている方はほぼいない、か。

去年、西浅草二丁目、合羽橋裏通りの[十八番]を書いたが、
ここも同じくとんねるずの“きたなミシュラン”。

町中華”ともいえるのか。

前から知ってはいたのだが、家にいる時間が多くなったので
行ってみた。

と、これがかなりのレベル。

昼に週一で行くようになっている。

うなぎの[やしま]さん、小島町交番の交差点。
春日通りと左衛門橋通りの交差点を南に歩き、
一つ目の信号を右に曲がって右側。

二階建ての一軒家、、、いや、隣の電機やさんと
つながっているので二軒長屋(?)。

ペプシコーラの錆びた看板に緑シートの庇屋根。
白地に赤のラーメン模様と“中華料理”が
染め抜かれた暖簾。

ほぼ読めなくなったいる錆びたペプシの看板というのもかなり渋い。
いつのものなのか。
「ラーメンデータベース」によれば創業は1968年とのこと。
その頃のものかもしれない。

店の前にはビーチパラソルにテーブルと丸いパイプ椅子が
出ている。

やはりこの界隈でもある意味独特の空間が出来上がっている。

最初に入ったのは旧臘である。
お昼は、ほぼいつも満席。
外で待つ人もいるし、この寒さだが外のテーブルで
食べる強者(つわもの)グループもいるほど。

最初はやはり、半チャンラーメン。

まず、ラーメンから。
麺はこれもご近所、浅草開化楼製。

カイワレ、メンマ、チャーシュー、ナルトでシンプル。
スープはかなり澄んでいる。

食べみるとスープが秀逸。
懐かしの中華そば、などというコメントもあるようだが
そんなものではなかろう。

現代のラーメンやとしても立派に張り合える味
なのではなかろうか。

町中華には珍しい魚介の風味も感じられるように
思われるのだが。

半チャーハン。

これはまあ、ノーマル。
普通にうまい。

混みあっているので食べ終わったらすぐに
席を立つのがマナー。

店は恰幅のいい(ため口の)下町のお姉さんが外。
中は、かなり年齢がいったと見える小太りでごま塩の
お父さん、ご主人。かなりこの方、愛想がいい。
いらっしゃいませ、毎度ありがとうございます。
お客すべてに声を掛ける。
それから、奥さんらしいお婆ちゃん。
そして、息子さんであろか婿さんであろうか、
黙々と手伝うそのそこ年齢のいった男性。
三人だからか引きも切らさないお昼のお客も
どんどんとさばいていける。

さて。
ここの看板は、なぜだか、ナシゴレン。(残念ながら未食。)
なんでも、ご主人がインドネシア大使館に勤める
友達から習ったという情報。
ナシゴレンが一般に知られる前からのメニュー
なのかもしれない。
半チャンもあるが、半ナシ(ゴレン)もあって、
ラーメン以外の他の麺とも組み合わせは可能。

食べたものをどんどん書こう。
ここ、ほぼどれもはずれはない。

ご飯ものもうまい。

名前は肉丼であったか。

豚肉と玉ねぎのあんかけ。

やはり、東京の町中華の名店に共通する濃い味。
これがうまい。
スープはラーメンと同じものと思われるが、
うまい。

肉丼がうまかったので、定番の中華丼。

これも濃いめ。
野菜もうまい正しい中華丼。

もやしあんかけ、という名前だったと思うが、
店中ではサンマーメンといっていた。

しょうゆ味のもやし肉あんかけなのだが
なにか、味のポイントがはっきりしなかった。

サンマーメンといえば横浜名物であるのを知ってはいるが
食べたことはないので、こんなものなのかは、わからない。

これは定番。
タンメン。

スープは塩。ラーメンと同じものなのか、はっきりしないが
野菜を炒め、スープで煮た、熱々な正統派タンメン。
かなりうまい。

この寒い季節には実によい。

メニューはまだまだある。
これからまだ、たのしみである。

一つ、おまけ。

これは直近1/25。
合羽橋の[十八番]へも久しぶりに行ってみた。

うまにそば。
たっぷりの野菜と豚肉。
やはり、厳寒の今には温まって実によい。
濃い味が[幸楽]と甲乙つけがたい。

どちらもなくなってほしくない、
この界隈の宝。
断腸亭勝手に指定、台東区無形食文化遺産である。

 

 

 

 

幸楽
台東区小島2丁目1-3
03-3866-5900

 

 

 

かきのガーリックバター焼き

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寒い日が続いています。

寒中お見舞い申し上げます。

インフルエンザも流行しているよう。
皆様、お元気でしょうか。
くれぐれもご自愛下さりますよう、
お願いいたします。

1月21日(月)夜

寒いので、かきのガーリックバター焼き。

吉池をのぞいてみる。

かきはよいとして、、、、。

先日、アヒージョを作った。

ムール貝に吉池に売っている鯛のあらを入れてみたが
これは成功。

スーパーなどにはあまりないが、吉池には必ずあらがある。
大きな魚をおろして刺身にしている魚やには
あらがある。

あらというのは、むろん割安であるが、調理法というと
今まであまりバリエーションがなかった。
鰤であれば、鰤大根。
まぐろも、酒としょうゆでからく煮たもの。
あるいはネギマ。
鯛の頭は、甘辛の兜煮。

だが、どれもしょうゆの煮物。

他には焼き物。
白身系であれば、そのまま塩焼き。
まぐろはしょうゆに漬けて焼く。

潮汁もうまい。
味噌を入れた味噌汁(あら汁)でもよい。

基本、和系。
それもまあ、ほぼそのままのもの。

アヒージョもそのままに近いがそれでも
私としたら、バリエーションは広がった。

かきのガーリックバターにも入れてみようか。

今日は養殖ハマチのあらがあった。
これでやってみよう。

アヒージョのオリーブオイルがバターに替わったものが
ガーリックバター焼きである。

帰宅。

かきは数回、塩でよくもんで洗い、ぬめりを取る。

ハマチのあらは一口に切っておく。

やっぱり、土鍋。

ノーマルな塩の入ったバターとにんにくみじん切り。

にんにくの香りを出して、
ハマチとかきも入れる。

そして乾燥パセリ。

フレンチだと思うのだがなぜだかガーリックバターには
パセリは付き物である。
生のものも使ったことがあるが、パセリというのは、
一把買うと量がありすぎるので必ず余らせてしまう。
それで、乾燥のもの。

ある程度火を通し、焼く。

焼くのはすぐに高温になるので、オーブントースター。

焦げ目がつくほど焼くのもどうかと、テキトウにやめる。

パンも焼いて、出す。

まったく簡単。

しかし、十分にうまい。

やはり、ここにも魚を入れてもよく合う。

これも成功である。

さて。
一つ、おまけ。

ハマチあらはまだたくさんあったので、残りは全部
アヒージョにした。

他のものは一切なし、ハマチだけのアヒージョ。
味付けも塩のみ。

量が多かったので、ニンニク入りオリーブオイルでの炒め焼き
といった趣になった。

このようなあらは、ただ塩だけで、焼いて食べていた。
それでもむろんうまいのだが、こんなことだけで
かなり趣向が変わる。

ハマチのあらなので、ハラスの部分などそれなりに
脂がある。
そんなものなのだが、ニンニク入りオリーブオイルというのは、
どんな魚にも合うとみえる。

これもまた、魚をうまく、それも簡単に食べる方法
といってよろしかろう。

ちょっとめっけもん、で、ある。

 

 

 

 

 

小肌とやりいかのにぎり鮨 その2

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引き続き、小肌とやりいかのにぎり鮨。

小肌は酢からあげて、乾かし中。
飯は炊き上がり待ち。

茹であがったやりいか。

江戸前にぎり鮨のいかは、煮いかという。

やりいか、するめ。やりいかが多いと思うが
[弁天山美家古]などはするめだった。

プロの仕事は、赤い皮を残してあるのだが、茹でた時に
半分以上が取れてしまう。
なにか技があるのであろうか。

ともあれ。

飯が炊きあがるまでに、鮨酢の用意。
一合分、25cc。
塩を少しとみりんを少し。

飯台を洗って用意。

炊飯器が切れる。

早く、酢飯づくりに進みたいのだが、ここで慌ててはいけない。
むろん、蒸らし時間を取らねばならない。

7~8分。タイマーで計る。

OK。

二合炊いているので、ぴったり半分をしゃ文字で飯台へ。

用意した鮨酢を全体にかけまわし、すぐにしゃ文字で
飯を切りながら全体に行き渡らせる。

この作業はとにかく手早く。
飯粒をつぶしてしまうのにも気を付けなければいけない。

全体に行き渡ったら飯台の底全体に広げて、そのまま置く。
団扇であおいだりはしない。

一合ばかりでは、温度が簡単に下がってしまう。

酢飯というのは、炊き上がったばかりの熱い飯の温度で
酢の水分を飛ばし、ネバネバした状態から飯の表面を固め、
パラっとした飯粒にする、というメカニズムである。
したがって、酢の水分を飛ばせるだけの熱量がない飯では
酢飯にはならないということになる。

季節によってもむろん違う。
今のような寒い時期には飯はすぐに冷めてしまう。
とにかく手早く。

飯に酢が行き渡れば手を触れずに置く。
絶対に手を出してはいけない。
ネバネバした表面が落ち着くのをそっと待つ時間である。

ここも7~8分。
やはり、タイマーで計る。

冷めればよい、といって、完全に、例えば常温まで
下がってしまえばよいか、というとそうではない。

常温に冷めてパラパラ、飯粒の表面が完全に固まった状態では
にぎり飯もそうであろうし、にぎっても形にしずらい。

プロは出来上がった酢飯を保温すらしているのを
ご存知であろうか。適温を保つ必要があるでのある。
今は保温機能のあるジャーに入れたり、古くは藁櫃(わらびつ)と
呼ばれる藁で編んだもので覆われた、木の桶のお櫃(ひつ)に入れた。
今も江戸前を標榜するところはこれを使っているところは
少なくない。

冷ましている間に、種の用意。

小肌はこの大きさだと半身でにぎり一つ分。
半分に切って、頭の部分に鰭の付け根が残っているので
これを切る。
プロは小肌には、にぎってきれいに見えるいろいろな
技がある。切れ目を入れてひねったり。だがもちろん、トウシロウの
私にはわからないので、中央部分、斜めに二本の切れ目を入れてみる。

いかは一つ分と思われる形に切っておく。
わさびはチューブだが、用意。

いかのたれもできている。

タイマーが鳴って、待ち時間終了。
酢飯の表面は、ネバネバは落ち着いて、そこそこ
よい感じに光っている。(そこそこ、である。)

小肌からにぎる。

種の裏にわさびをぬってスタンバイ。
両手を水道で濡らす。
一つ分と思われる酢飯を左手に取る。
左手の中で形を作る。
種を右手で取り、左手のにぎったものにのせ、
右手の人差し指と中指の二本で押す。
ひっくり返してもう一回。この時に上下、親指側と
小指側もにぎりが尖らないように気を付ける。

もちろん自己流。
最初はまったく形にならなかった。
特に、今も多少はあるが、にぎりの表面が凸凹、
飯粒がはみ出していたり。

なん回かにぎっているうちにやっと
なんとか食べられる形になってきたところである。

一先ず小肌四つ。

真っすぐ立たずに斜めになったり、まばまだ、不格好。

やりいか三つ。たれもぬる。

不格好の上に種の形が今一つ。
どう切ればよいのか。

食べる。

小肌の〆具合は、そこそこよさそう。
お気づきかどうかわからぬが、にぎりの一つは
今の東京の鮨やのにぎりの大きさと比べると、そこそこ大きめ。
なんだか飯の量が多い。
ふんわりにぎる、など、夢のまた夢ではある。

いかは形はともかく、味は、まあそれなり。

課題は山ほどある。

だが。

十分に食えるものができてはいる。

うちでこの江戸前にぎりが食べられるのは、
ありがたいこと、ではある。