浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



稲荷町・中国意境菜・白燕 その1

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4068号

4月10日(日)夜

日曜日。

今日は、内儀(かみ)さんが[白燕(ばいえん)]を
予約していた。

ご近所の新進気鋭の中国料理店。
もうそろそろ予約を取れなくなってきそうである。
土曜日、と、思ってTELをしたらしいが、
土曜はシェフがJR東日本のハイクラ寝台列車
「四季島」に乗る日であった。忘れていたよう。

ということで、日曜の夜。

稲荷町と書いているが、住所は元浅草二丁目、
稲荷町は駅名。
私が住んでいるのは元浅草一丁目。
町内会は別だが、もちろんかなりのご近所。
清洲橋通り沿い。稲荷町の交差点から南東、
一本目の路地の角、二階。

ここに店をオープンしたのはもう2年前の春
だと思うが、この2年、まったくたいへんな
時期であった。
が、やはりちゃんとした腕と才のある方は、
たいへんながらも確実にキャリアアップされている
ということになるのであろう。

日曜日、17:50に出てぶらぶら歩いて向かう。

今日も暖かかった。
いや今日は、暑かったというべきである。
そして、日も伸びたものである。
調べると日の入りは18時ちょい。
明るい、明るい。

ビルの外側の階段を二階へ昇る。
自動ドアは開いていた。

入り、シェフに挨拶し、掛ける。
一番出入り口に近いテーブル。

今日は手伝いの女性が一人いるのようだが、
相変らずほぼワンオペ、のよう。

昨日は特急のレストランで今日はお店。
まだ、お若いが、時間的に忙しい上に、
肉体的にもたいへんであろう。

ん!。
卓上にいつもある暗号のような
小さな短冊形のメニューカードがない。
さすがに手が回らなかったのか。

いつもの、青島のプレミアムをもらう。

りんごあめ。

これはいつも通り。

縮尺がわかりずらいかもしれぬが、木の棒は楊枝サイズ。
もちろん、りんごあめ、ではない。
赤い薄い甘酢ゼリーで包み、中はスモークされた
フォアグラ。

一口だが、格別にうまい。
フォアグラというものたくさんあればくどい。
このくらいでちょうどよいのだろう。

赤い色は山査子(さんざし)などで付けている。
山査子とは中国人の好きな果実で料理や飲み物、
お菓子などに使われる。

前菜。

これもいつも通り、回転する台で三品。
上はここの定番、よだれ鶏
左は板ビーフン、といっていたか、と、湯葉
薄味の酢の物。

右がおもしろい。
白いのは中華の蒸しパン、花巻(ホアジュアン)
というよう。ふかふか。
ペキンダックを挟んで食べるので
憶えておられる方もあるかもしれぬ。

鴨肉の生ハムのようなものといっていたが、
甘い味噌味、白髪ねぎ。
その鴨肉は調理場にぶら下げられている。

パンも含めペキンダックに近いが、ちょっと
おもしろい。シェフの考案か、毎回こういう
新しいものを出してくれて、愉しい。

よだれ鶏のたれは、残して置いて、点心を
つけて食べる。
このたれ、ピーナッツが一粒、二粒入っており、
かなりうまい。しょうゆベース。濃厚でピリ辛
なん度も食べているが、一体なにが入っているのか、
まったくわからない。

その、点心。
水餃子から。

これはいつも通り。
プリ、モチ食感。皮が厚めなのがよろしい。
中は比較的野菜が多め。

焼売。

これもいつも通り。
つぶつぶは飛子。
肉のうま味がよい。

そして、この下の皿。
食器は皆、シェフのセンスなのかと思うのだが、
これ、特によい。欲しい。中国で買ったのか?。
こういうところも只者ではないと思うのである。

スープ。

ここでスープがこの青磁の器で出されるのはいつも
同じなのだが、具がいつも違う。

毎回なんらかの効能のある薬膳。
豚のバラ先軟骨がベースで、今日は二種類の
杏仁といっていたが、アーモンドの粉でよいのか。
味は滋味深く、濃厚。
今日のものは胃によいという。

 


つづく

 


白燕
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台東区元浅草2-7-10
オルタンシアIV 2F

 

 

 

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