浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



浜町藪そば

10月8日(土)夕

土曜日。

連休であるが、どうやらこのところの
気温の変化の激しさで、風邪を引いてしまったようである。

天気は曇ってはいるが、もちそうである。
風邪といっても寝込むほどではない。
自転車で出掛ける。

左衛門橋通りを南下し、神田川神田川沿いに秋葉原
万世橋から中央通り経由で日本橋、銀座まで。

銀座もかなり人が出ている。

銀座から八丁堀、帰りは、人形町、浜町をまわろうか。

人形町の甘酒横丁を抜けて、浜町公園を目指す、、

ん?。

浜町川の緑道を越えて、右側数軒目。
浜町[藪そば]。
池波レシピである。

時刻は16時頃。

よい時刻である。
ちょいと寄っていこうか。

入ると、いらっしゃい〜〜〜〜〜、の声。

ここは直系、神田の本家譲り。
この声は、そのままといってよい。
明治37年(1904年)の創業。
藪でもかなりの古株。

江戸の地図



明治の地図


(詳しくはこちら)

今の人形町、浜町はオフィス街、マンション街でもあるが、
どこか他の街と違っているのは、このような歴史を持っているから。

ともあれ、そんな花柳界はなやかなりし明治の頃からある
浜町の[藪そば]。

先客は3組ほど。

椅子に掛けて、女将さん(お姐さん?)に
お酒を冷(ひや)で一合、というと、
常温であることを確認され、コップがいいですか、
升がいいですか?と。

コップで出す?のか。
(池波先生の影響であろうか。
いかにも、頼みそうではある。)

じゃ、コップで。

そばは、この季節、待ってましたの、鴨せいろ。

お酒。



今のこの店は、和風だがシックでモダン。
そこで、コップ酒というのは、ちょっとミスマッチだが、
それがまたよい感じではないか。

お通しが、おかきというのは、色っぽい街、浜町らしい。

呑みながら、、、
聞くともなしに、話を聞いていると、奥の一組は、
劇場関係の方の様子。

調整していたのか、なりゆきか、
きた、鴨せいろ。



神田、並木などよりも盛が大きい。



ただ、つゆがちょっと薄い。
場所柄であろうか。

浜町などのお客は、どちらかといえば下町よりも、山手、
あるいは、地方の人々の方が多いのかもしれぬ。

ちょっと、手があいたのか女将さん、

浜町公園へ行くんですか、と話しかけてきた。

あ、はい。

○○○○が出なくなったそうですよ〜。

あ〜、やっぱり。そうですよね。
先週きましたが、すごい人でしたから。

久松署のパトカーまで出るさわぎでは運営側も放置はできまい。
素早い処置である。

ご近所にも大迷惑であった。

昨日から新そばを打ち始めていた、とのこと。
ざるをお替り。


ご馳走様でした。






中央区日本橋浜町2-5-3
03-3666-6522