さて。
セイシェル到着後二日目。
セイシェルと日本とは5時間ほどの時差があって、
朝、まだ暗いうちに、目が覚めてしまった。
日の出は6時頃。
日の出直前、薄明の頃に、数十羽いるのであろう、
近くの木々にとまっている、名前も姿もわからぬ鳥のかまびすしい声。
だが、日が出てしまうと、不思議とこれがやむ。
これはこの日だけでなく、滞在中毎日、日の出と日の入りの頃
同じように鳴いている声を聞くことになった。
雲が出ており、雨にはならなそうだが、あまり天気はよさそうではない。
ダイビングサービスはこのリゾートの中にある。
10時からだというので、それまでに朝食を
すませておかねば。
我々の部屋は6部屋あるヴィラの3階。
そして便利なことに隣がこのリゾートの北地区の
メインレストラン。
薄曇り。
湿度はそこそこあるようだが、灼熱の東京にくらべれば
風もあり、実に快適。
気温も朝はまだ26〜27℃ではなかろうか。
昨夜寝る時も、エアコンなしで十分であった。
屋外のテーブルは気持ちがよい。
ビーチに面しているが、椰子やら大きな立木が
間にあり、若干の景観が遮られ、海まで素通しではない。
聞けばこの島のビーチは公共が原則らしく、
リゾートのプライベートではないようである。
それでローカルの“ビーチホーカー”などと
リゾートの案内に書かれていたが、ビーチには
釣り船の客引きなどがたむろしていたりする。
こういった人々を遮る意味もあるのかもしれない。
さて、朝食もむろんバッフェ。
これから潜るので、量は控えめ。
定番の玉子料理やハム、ソーセージの類、
生野菜、フレッシュジュース。
欧米人の好きなパンケーキ、焼きたてのワッフル、
同じく好みの通り焼いてくれるオムレツ。
シリアル、その他いろいろ。ローカルのクレオール料理
魚のトマト煮、あるいは鶏のカレーなど
それなりのバリエーションがある。
食べ終わり、10時、レストランの隣にある、
ダイビングサービスへ機材を持って出掛ける。
ダイビングのライセンスカード(通称Cカード)を
見せれば、特段、技能チェックのようなものもなく、
すぐに潜れるようである。
ここのシステムは、午前中の9時と11時に
一本ずつのボートダイブ。
いきなりではあるが、11時の回から潜るか?
というので、心配する内儀(かみ)さんの
背中を押して、潜ることにする。
持ってきたのはウエットスーツとマスク、
シュノーケル、フィン。
これ以外にダイビングに必要なBCDジャケット、
レギュレーター、むろんタンクその他、
ウエイト(おもり)などはレンタル。
天気はやはり曇りがち。
9時に出ていった一回目の人々が戻ってきて
すぐに11時の二回目になるようである。
ウエットスーツを着込み、機材を背負い、
ダイビングボートに乗り込む。
同乗するダイバーは我々の他に5〜6人。
フランス人、ドイツ人といった人々。
ポイントまではボートで10分ほどという。
出航。
リゾートのあるビーチは入江になっているのだが、
そこからボートが一足出ると、いきなり大波になる。
ボートのエンジンはハイパワーのようで、
波を蹴立てて、ザッパン、ザッパンと進む。
波しぶきで、皆びっしょり。
(むろん、ウェエット姿なので問題ないのだが。)
ゆっくり進めばよいような気もするが、
それだけ大波で大揺れしている時間が長くなる、
と、いうことであろう。
一度外洋に出て、さらに次の岬を回り込むと
先ほどよりも細長く入り込んだ入江。
ここにまた一足入ると、嘘のように穏やか。
なるほど、これならばダイビングには問題ない。
ダイビングというのは水の中に入るのだから
波が高くても問題なさそうであるが、エントリー
エキジット時にも危険であるし、海面に波があれば
海中もある程度までは、うねっており、
潜れないのである。
ポイントについて、順次エントリー。
深さは10m程度。
今年も昨年に引き続き、コンパクトデジカメだが水中撮影。
いや!。これはこれは、すばらしい。
サンゴと魚、密度が並大抵ではない。
このテーブルサンゴも見事なもの。
魚影も濃い。
細長い棒きれのような魚は、ダイバーにはお馴染み、
日本近海にもいるヘラヤガラ。
どうも真上からしか撮れない。
珍しく、横から撮れた、、、
すると。ガイドがタンクを叩くカンカンという音で振り向くと
巨体の魚。慌ててデジカメのスイッチをONにし、
シャッターを押す。
水面近くを泳いでおり、逆光であるが、このシルエット
お分かりになろうか。
これがジンベイザメ、で、ある。
ダイビング中に出会うのは、生まれて初めて。
それも、セイシェルの初日の初っ端。
10mを超えているのか。
まったくの、幸運である。
つづく。