浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



焼鳥柚子胡椒と炒飯

dancyotei2009-11-02



10月31日(土)第一食、11月1日(日)第一食


さて。


週末。


ちと、変則だが、第一食を二つ。


まずは、土曜日。


6時。


やはり、疲れか、早く起きてしまった。


(6時起き、というのは、ちっとも早くないじゃないか、
いったいお前は普段なん時に起きてるんだ!?と、
思われるかも知れぬ。私の場合、拙亭から、オフィスまで、
大江戸線に乗れば、ドア・トゥー・ドアで30分。
従って、7時半に起きても、8時半前には、オフィスの
椅子に座っていられるのである。)


とはいうものの、昨日寝たのは11時で、
7時間程度は寝ている。


ともあれ。


ぼんやり、朝のニュースを視ながら、
なにを食べようか、つらつら考える。


鶏でも焼こうか。


実は、最近宮崎で流行っている、炭火焼鳥が食べたかった、
のである。


ご存じであろうか。


これ。


もう三年以上も前だが、宮崎へ出張に行った際に
食べたもの。


炭火焼鳥、というようりも、むしろ、炭をぬりたくった、
あるいは、タールの中を泳がせた、という感じのもの。
これが流行っている。
(おそらく、今も、であろう。)


味は、見た通りで、文字通り炭の味がする。
食べてしまって、身体にわるくないか、心配になるほど。
まあ、ここまで、真っ黒にしなくともよいだろうと、思うが、
それでも、これ、なかなか、おもしろいもの、で、ある。


用は、炭、スモークした感じが食べたいな、であった。


七輪で炭を熾して、とも思ったが、朝から、
そこまでしなくても、と思いとどまり、
普通に、ガスで焼くことにした。


凍っていた、もも肉を一枚、解凍。
一口に切り、塩。


塩で焼いて、柚子胡椒だ。





一合だけ、お燗をつけて、朝酒。
(もう、お燗がうまい季節、で、ある。)


炭の味はともかく、塩焼きの鶏には、
柚子胡椒がうまい。
(そういえば、柚子胡椒も九州で、あった。)


さて。


もう一つ、日曜の朝。


冷蔵庫に冷飯があったので、炒飯。
土曜の夜、チューボーですよ!で、あんかけ炒飯を
やっていたが、あんかけまでは手をかけるつもりはなく、
玉子炒飯。


以前から、炒飯、それも、流行りの黄金炒飯というのか、
パラパラに炒めるのは、私は苦手であった。


なんとなれば、中華鍋に、くっつく。
(もっとも、私は、中華鍋といわず、鉄のフライパンでも
そうなのだが、どうもこの、くっつく、というのに、
弱い、のである。)


しかし、昨年


これはある程度会得したつもりになっていた。
今日は、このパラパラの黄金炒飯をやってみようと
思い付いた。


まずは、中華鍋。
煙が出るまで一度熱しておく。


冷飯はあらかじめ手でほぐしておく。


飯の量が多いので、玉子は二個、割ほぐしておく。
ねぎも切っておく。


これが下準備。


ここからは一気。


もう一度、中華鍋を熱して、油をたっぷり入れ全体にまわし、
一度あけて、もう一度、炒め用の油をたっぷりめに、入れる。


このたっぷり目、が、ポイントなのではないか、
というのが、今までの、パラパラができた時の
感覚であった。
そして、もう一つは、やっぱり、強火をキープして、
手を止めないで、炒め続ける、というもの。


強火。


飯を投入。


念のため、もう一度、飯の上から、また油をたらす。
ほぐしながら炒める。


あれ、くっつき始めた、、、。


ちょっと心配。


だが、かまわず、ほぐした玉子を投入。
飯全体に行き渡させるようにしながら、
炒める。


あーー、どんどんくっついてくる。


と、ここで、あわてて、鍋を下ろしてはいけない。
くっついてもなんでも、炒め続ける、というのも
ポイントであった。


くっついている部分に油をたらし、さらに鍋を振る。


うまくいくときには、鍋を振っているうちに、段々に
玉子が固まってきて、玉子のコーティングされた、
飯粒(めしつぶ)が、ほぐれてくる、のである。


なかなか、その状態に、なってくれない。


あー、だめか。


ガスコンロの火力の割に、やっぱり、飯の量が
多かったか。


くっついたところが、茶色く焦げ気味になってくるが、
飯粒の方には、パラパラ感で出てこない。


仕方がない、塩胡椒で味付け。
しょうゆをひとたらし。


最後にねぎを入れ、炒め、一応、完成。


ここから、スープも用意。
これは、XO醤と鶏ガラスープの素、しょうゆ、
きざんだねぎも入れ、お湯で割る。
やっぱり、炒飯には、このしょうゆ味のスープは
欠かせない。





拙亭のガスコンロは、それでも大き目の
五徳もあり、これであればそこそこの火力はあるのだが、
それでも、足らなかったのか。


どうであろうか、写真の見た目ではそこそこ
わるくはなさそうだが、多少の、水分は残ってしまった。


火力からすれば、せいぜい、一人前が
手一杯であったのかもしれない。


パラパラ炒飯、むずかしいもの、で、ある。