「断腸亭、香港へ行く」引き続き、二日目。
香港島、夜景の名所、ビクトリアピークに、昼、登る。
高層ビル群と、旧英国統治時代の雰囲気を残す街並みを抜け、
山に登るケーブルカー、ピークトラムの麓駅に着いた。
暑さの中、なが〜い列についたところまで。
8月17日(金)
このケーブルカーは香港最古の公共交通機関だという。
開業1888年(明治21年)で、110年。
ケーブルカーというくらいで、ケーブルで引っ張り上げる。
なが〜い列がやっと終わり、待ちに待った、ピークトラムが来た。
木製のクラシックな車両。なかなか雰囲気がある。
走り始めると、これがかなり急な斜面を登っていく。
ちょっとした、ジェットコースターのようである。
開業以来、なんと無事故である、という。
振り返ると、超高層ビルを下に見て、よい眺め、
なのであるが、筆者、実は、高いところが苦手、なのである。
振り返るのも、今ひとつ、、、。
(じゃあ、なぜこんなところにきたのか、であるが、理由は簡単、
有名なところだから、で、ある。)
十分弱で、山頂駅に到着。
降りると、そこが、数階建てのビルになっており、
レストランやら、様々なショップ、ゲームセンターまでが入っている。
こんな山の上に、、、と、思うが、とりあえず、
どんどんと、上に登る。階上は、展望台であろう。
案の定、登ってみると、オープンエアの展望台。
この、オープンエア、と、いうのが、筆者にはまた、いけない。
囲われた空間であれば、高いところもまだよいのだが、
なにもない、というの、どうも、怖いのである。
写真を数枚撮って、とっとと、建物に入ってしまう。
さて、時刻は、お昼、で、ある。
このビルで、なにか食おうというのも、今ひとつ。
別段、山を降りて食べてもよい、とは思うのだが、、、。
今ひとつであれば、思いっきり、今ひとつ、の、店に入ってみる、
と、いうのも一案、で、あろう。
そこで選んだのは、日本食のレストラン。
香港でも、こうした飲食施設の入ったビルには、間違いなく一軒は
寿司やラーメンの日本食レストランが入っているようである。
ここにもあった。
店の前にあるメニューを見てみると、なかなかの高価格。
話の種に覗いてみようか。
黒を基調にしたお洒落な内装の店内に入る。
と、黒いユニフォームを着た店員さんが、アヤシイ日本語で、
「イラ・シャイマセ〜」という挨拶。
窓からは、香港島の高層ビルの景色が見える。
山を降りてからちゃんと食べることにして、
生ビールと鮨のカリフォルニア巻きを、二人で一人前頼む。
客層はケーブルカーと同様に観光客であるが、
心なしか、欧米人よりも、東洋系の人が多そうである。
韓国の方と思しきグループは、日本人にはお馴染みの
赤いラベルで台形の瓶、S&Bのテーブルコショー、
同じく丸い瓶の七味唐辛子、を
わざわざ持ってきてもらい、鮨にかけている。
また、ショートパンツからナマ足を出した若い女性を連れた、
お金持ちそうな中国系のお爺さん。
うどん、を、啜っている。
(これは、ゆでうどんであろうかと思われる。
日本のゆでうどんは、香港では認知されているようである。
スーパーや食料品店などでも出回っていた。)
筆者らの頼んだ、カリフォルニア巻きの味は、
昨年夏行ったメキシコ、カンクンのホテル
よりは、まだ、普通の味では、ある。
勘定をして、出る。
これで二人で、なんと、10,000円。
場所代もあろうが、この価格で商売が成立しているのは
まったく驚きである。
カルチャーショックというのか、なんというのか、、。
先ほどのテーブルコショーも含めて、この状況は、
日本人としては、座りの悪さを感じざるを得ない。
(先に、モスバーガーの看板のことを書いたが、
この香港における、日本(食)文化の受け入れられ方、
日を改めて、考察してみなくてはなるまい。)
さて、そのまま、今度は、下りのケーブルカーに乗って、下山する。
登りの場合は進行方向に向かって椅子が並んでいるが、
椅子は動くわけではないので、降りる場合は、
反対向きに(背中から)降りていく。
下を見なくてよいのは、筆者には、よい。
登ったときと同じ時間、十分弱で、下山。
今日はここまで。
「断腸亭香港へ行く。」まだまだ続く。