浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



赤酢の酢飯でねぎとろ巻、鯵にぎり その1

6月2日(火)夜

さて。
赤酢の酢飯で、シリーズ。ちょっと久しぶり。

今日は、ねぎとろの細巻を巻こうと考えた。
とくにわけはない、のだが、食べたくなった。

細巻、というのは、難しい。
以前にもやったことはあるが、巻物でも
最も難しいのではなかろうか。

で、細巻は、例の笠原氏のYouTubeにお友達の鮨やの
親方を呼んで、細巻を詳しく教えてくれているのが
あったのである。

「【賛否両論】笠原将弘の料理のほそ道」
「寿司屋の小野ちゃんに【のり巻き】の完璧な
巻き方を教わった」

これを視て、しっかり学ぼう、と。

吉池で、まぐろたたき。
「熟成」と書かれたちょっと高いものと、ノーマルと
二種類あった。どれほど違うのかわからぬが、
高い方にしてみようか。

もちろん、ねぎとろ用の“たたき”のような名前で
売られているものは、本来の、中落や、すきみ、と
いうまぐろから作った本物ではなく、まぐろ赤身に脂、
油を添加したものというのは、私も知っている。
本物だけで、これだけ売られるほどの量はできなかろう。
この添加する脂や油は、実は様々で魚由来のものもあるが
植物由来のものもあるらしい。これがなんであったのかは、
表示を見忘れたので、不明だが。

で、これだけでは、寂しいので、鯵の刺身、そのまま
にぎれそうなのがあったので、それも一つ。

帰宅。

まぐろたたき。

鯵の刺身。

これらは冷蔵庫へ入れておく。

まずは、飯台の準備。
毎度書いているが、乾燥させてしまっているので
箍(たが)がゆるゆるになっている。
全体をしっかり湿らせ、ひっくり返し、糸底に水を
張っておく。
水が馴染んで、元に戻るまで数時間は掛かる。

夜、作る。

準備として、まず、ねぎとろ用のねぎのみじん切り。
これは、笠原氏の方法。
斜めの切れ込みを両面に入れて、

小口切りに切るだけ。これ、簡単。

米は2合洗って、酢飯で水加減、酢飯モードでスイッチオン。

鮨酢を作る。

全体量で40㏄、赤酢8に、透明な穀物酢2の割合。

飯が切れたら、蒸らし、タイマーで計って7分。

7分たったら、半分の1合分飯台に取り、鮨酢を回し入れる。

プロは切る、などというが、切るように混ぜ込む。
切る、というのは、飯粒を潰さぬようにということだと
思われる。

毎度書いているが、飯の量が少ないので、この時期でも
経験的に団扇などであおがなくともよい。

混ざった、かな。

多少のムラは気にしなくても、経験的に、問題ない。
このくらいであれば、にぎったり、巻いたりすれば
わからない。

ここでまたまたタイマーで計り、7分置く。

酢飯は酢を合わせた後に、置かなければいけない。
飯粒の表面の酢を飯の熱で水分を飛ばし、きれいな
表面にしなくてはいけない。
これが酢飯の勘どころ。時間が足らないとベンチャ
ベチャの酢飯になってしまう。
また、置く時間が長すぎてもいけない。
つまり完全に冷ましてはいけないのである。
冷めると飯粒がくっつかずに、にぎれない。
適温は、人肌程度か。冷めすぎぬよう、保温しながら
にぎる職人もいる。

海苔を切る。
普通の全型1枚を半分に切る。
切る方向が、細巻は決まっており、長手方向を縦にして
包丁で正確に半分に切る。
プロもそうしているが、はさみなどでなく、刃が長い
包丁が最も正確に直線に切れるだろう。

巻簾(まきす)を用意。
簀巻(すま)き、が正しい言い方のようだが、簀巻きだと、
東京港に沈められる方になりそうではないか。

ここで「小野ちゃん」の登場。

結局、巻き方もあるのだが、細巻の一番の難しさは、
酢飯の量と具の量。もちろん、多すぎると、破袋して
巻けない。少ないと、余ってしまう。
そもそも細巻は、酢飯の量が少ないので、この許容される
幅が少ないということなのである。

もちろん、プロは、勘で、瞬時に手で酢飯を取り、量を決め
海苔に広げている。そう、ここ、海苔への広げ方も難しい。

そこで、小野親方は、まず酢飯の量を決めて量ってしまおう、と。

基本は、60g、70g、80gと。
中に入る具の量で酢飯の量を加減する、ということのよう。
かっぱ巻きで70g、と。
ただ、具の量は、プロが考える具の量なので、
これまた、トウシロウには、なんともわからない、
のだが。

まずは、中間の標準という、70gを量る。

ここでもう一つ。

小野親方から、手酢という言葉が出てきた。
にぎる時、酢飯を手にする時、手に酢飯がくっつかぬように
私は手に水を付けていた。が、親方は水で薄めた手酢という
ものを手に付けている、と。

酢飯を扱うので、ただの水ではなく、酢を付ける方がよい。
そりゃそうだ。で、少し薄めたものを手酢といって使う、
よう。不覚ながら、知らなかった。


つづく

 

 

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