浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



すき焼き・浅草・今半別館 その1

5月1日(金)夜

五月、微妙なところだが、連休に入ったのか。

すき焼き。

浅草の[今半別館]。

浅草にもすき焼きやは多いが、やはりここ、で、
あろう。

なんといっても建物、座敷が素晴らしい。
戦後の建築だが、国登録有形文化財の数寄屋造り。
都内でも希少であろう。
また、今これを造ろうと思ってもなかなか
難しいのではなかろうか。

そこでうまいすき焼きが食べられるのは、ありがたい。

予約は18時半。

タクシーで向かう。
伝法院通りでもよいのだが、雷門で降りて、
仲見世の右側の裏を通って、店へ。

店は、浅草寺のすぐ手前。

左側はテーブル席で、右の母屋が座敷の席。

玄関に入って、名乗る。

靴を脱いで、あがる。

座敷はすべて個室。
どのくらい使われているのかはわからぬが、
大広間もある。

座敷は数多いが、選べない。
その時の、おたのしみ。

今日は、二階、右側の一番手前。

入る。
座敷だが、テーブル。

今時、座布団に座るところは少なくなった。

部屋は、桜。

部屋の意匠が桜で統一されている。

障子。

桜の透かし彫りの飾りが付いている。

襖。

金地で鮮やか。
その上、かなり真新しい。

さかのぼってみると、この部屋は2023年にもきていたが
この襖のことは書いていないので、この間に新調された
のであろう。

ちょっと今回、Gemini君に試みに聞いてみたのだが、
いろんなことがわかった。

この襖絵は大正から昭和に掛けて活躍した小林古径(こばやし
こけい)という日本画家の巨匠の代表作『清姫』の内の
『入相桜(いりあいざくら)』という名画がモチーフで、
まあそれを、襖紙に仕立てられたもののよう。

まあ、小林古径、私はほぼ存じ上げなかったが

これ「髪」というらしいが見覚えがある。1931年(昭和6年)
(使用可のよう。)

しかし、この鮮やかな金の色は驚き。
この桜の間が途端に明るく、ゴージャスになっている。
また、和の雰囲気もかなりアップしている。

床の間。

桜の絵皿と人形。

その上の掛け軸。

下の地袋。

鑑定団のようだが、どうもGemini君はこういうものの特定が
ある程度得意のよう。

私もこういうものがわかったらよいとは思うが、まったく疎い。

まず、床の間下の地袋の小さな襖も古径の落款入りで
先の襖と同じシリーズでよいよう。

そして、掛け軸だが、これは、ほんものの古美術品といって
よいよう。

落款。

堂本印象という。この人もまた大正から昭和に
京都で作品を残した高名な日本画家で、おそらく真作で
あろうと。描かれているのは、粽(ちまき)。

今日が5月1日で、端午の節句で粽、と。
短冊の小品だが、流石に上の細い髭のような部分など
味がある。

そして、皿。
これは見た通り、桜の間なので桜の絵皿。
印が入り、有田焼の琥山窯(こざんがま)の小野達郎
(おのたつろう)氏の『金襴手(きんらんで)桜絵飾皿』
とのことである。
存命の作家で、骨董ではなく現代工芸の肉筆絵皿。
お値段はそれなりにするよう。

そして、人形。
これは木札に米州とあり、浅草橋の原米州のもので、
着物が文楽の「野崎村」のおそらく古いお染のもの。
初代原米州は昭和64年(1989年)に亡くなっているが、
比較的きれいなので、晩年のものか。
(Gemini君これは苦手で正解にたどり着くのに苦労した。
これ着物の柄に特徴があるのだが、特に着物の古い画像と
いうのがネット上には少ないのが原因であったよう。)
これ、季節はちょいとずれて「野崎村」であれば、
初春のよう。
値段はお皿が最も高く、掛け軸(短冊)、人形は同じくらいで
皿の半分くらいのよう。

閑話休題。

瓶ビール、スーパードライをもらって、コースは
いつも通り、すき焼きのこととい、10,000円也。

先付。

白和え。

 

今半別館

03-3841-2690
台東区浅草2-2-5

 

 

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