浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



断腸亭イタリアへ行く パート2 その26

引き続き、イタリア、ジェノヴァ。

ミシュラン一つ星[RISTORANTE SAN GIORGIO、リストランテ・
サン・ジョルージオ
]。

入る。

名乗って、テーブルヘ。

アンダーな照明で、各テーブルもそこそこの距離があって
静かで、上品。

やっぱり、テイスティングメニュー。
ここはワインも自慢らしいが、我々はビール。

一品目。
アミューズ。正確にはフレンチで、amuse boucheで
イタリア語だとstuzzichino、ストゥッツィキーノ。

パンもきた。
ちっちゃい一口のスナックのような感じのものが数種。
ちょっとわかりずらいが、かわいい魚の形ものもの。

中央の四角いものは飾りなのだが、絵を描くキャンバス
に見立てているよう。シェフだったか店主だったか、の
お祖父さんが絵を描く人であったから、と言っていた。

手前の小皿に三色のフレーバーバター。
こちらの高級レストランではよく出てくる。
バジルとアンチョビに、トマトであったか、赤パプリカ
であったか。

パンはやっぱりジェノヴァの定番フォカッチャと黒パン。

テーブルの脇で、お兄さん、お姐さんが次の準備。
ほたてが見える。

きた。

ほたてのソテーといってよいのか。美しい。
ほたてはヴェネツィアでも出た。

当然ながら、半生で絶妙な火入れ。ソースはちょっと
甘酸っぱい感じ。

Capasanta, nasturzio, kiwi、カペサンタ、ほたて、
ナストゥルツィオ、キウイ、というのがメニュー名。

青いちょっと蓮のような葉っぱがナストゥルツィオで、日本では
ナスタチウム、または、キンレンカと呼ばれているよう。
私は初めて見たと思うが、南米原産のアブラナ目のハーブ。
ちょっと日本のわさび系の辛み。近いのかもしれぬ。
キウイは見た目にはまったくわからないが、ソースに
使っているよう。
そして、花は、こちらのねぎ、にんにくの類の花。
ただの飾り、ではなくちょっとピリっとした風味を
付ける意図があるとのこと。

次は、これ。

ちょっとメキシカンのタコスのよう?。

実は、こんな感じ。
つぶつぶがわかると思うが、これ、ライス。
つまり、リゾット。で、この黒は、いかすみ。
いかすみのリゾット。
もちろん、うまい。

この皮はなんであろうか。
柔らかく、ちょっとフワッとしている。
もしかしたら、これも米かも。
敷かれたソースは、黒はいかすみで、緑はジェノヴァお得意の
バジリコ。

そして、これ。

これは、この店の、看板メニュー、スペシャリテ。

別名、Perle di Genova、ペルレ・ディ・ジェノヴァ。
Perleは、真珠(パール)で、ジェノヴァの真珠。

また、リグーリア語で、Perle di Zena、ペルレ・ディ・ゼーナ。
とも呼ばれているらしい。Zenaが、リグーリア語でジェノヴァの
こと。

正式な店のメニュー名はGnocchi al Pesto 2.0、ニョッキの
ペースト2.0、またはPerle di Genova al pesto、ジェノヴァ風
ペーストの真珠。

で、この球体、なにかというと、gnocchi、ニョッキ。
じゃがいもの。

真珠にしては随分大きいが。

そして、中に、あの、ジェノベーゼソースが入っている。
真っ黒の皿で美しい。

もともと、ジェノヴァではじゃがいものニョッキを
ジェノヴェーゼソースで和えたものも家庭料理のようで、
これを中に入れた、ということになるよう。

ここまでソース、ソースと書いているが、ペスト、英語の
ペーストという表現がこちらでは一般的。ジェノヴァ風ペスト、
で、ある。
イタリアでジェノベーゼパスタ、Pasta alla genovese、というと
牛肉と玉ねぎを煮込んだソースのパスタを言うことが多いので
これと区別する意味もあって、バジリコのものはジェノヴァ風
ペーストというよう。この牛肉のジェノベーゼはなぜかナポリ
料理だそう。日本のナポリタンではないが、イタリアでも
こんなことがあるのは、おもしろい。

次の準備。
やりいか、で、あろうか。
焼いている。炭火か。

これ。

白っぽいソースに緑があざやか。

やはりかなり柔らかい。
火を通しても柔らかいのは、やりいかでよいのだろう。
(正確には、ヨーロッパヤリイカで、近似種のよう。
イタリア語では、Calamaro、カラマーロ。)

中には野菜などの詰め物がされている。

白っぽいソースはちょっとこってり。
くるみ?なにかナッツ系か。
緑のオイルはバジリコかも。
小さな葉っぱはマジョラムのよう。

コースはここまで。
お気付きであろうか、肉は一切なし。
すべて魚介。
そして、例の生ぐささもまったくなかった。
いかもほたても。
もちろん、他のコースだったりアラカルトでは
肉料理はあるのだが。

 

つづく

 

 

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