浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



断腸亭イタリアへ行く パート2 その24

さて、連休も開けた。
引き続き、イタリア、ジェノヴァ。

地中海の覇権を争っていた、ジャノヴァとヴェネツィアを
比較してみていた。

ヴェネツィアは「国家まるごと総合商社」、
ジェノヴァは「独立商人の連合体」といえるよう。

ヴェネチィアは統制、ジェノヴァは自由。
こんな風にもいえそうである。

では、どちらが勝ったのか?。
まず、実際の戦い、軍事的に。
これは両国の長い歴史の中で様々な局面があるが、
軍事的な直接衝突というのは、意外に長くはない。
13世紀~14世紀。〆て、100年ほど。
途中、勝ったり負けたり。
1377年~1381年、キオッジャ戦争というのが最後になる
ようだが、ヴェネツィア滅亡寸前からの大逆転での勝利。

で、最終的にはヴェネツィアの力が上回ったといって
よいよう。決定的な差は国としての団結力の強さ。

1381年トリノ条約で、両国は商圏を分け合うことで決着。
以後は大規模な直接対決はなくなったよう。
実際のところ、ジェノヴァはこれ以降、軍事的には
求心力を失い、弱体化、とても戦いを挑める状態では
なくなったよう。

経済的にはどうか。
15世紀までは、圧倒的な蓄財でヴェネツィア。
やはりこの時期の軍事的優位の成果であろう。

16世紀以降は、金融システムを支配し、スペイン王国を
操り世界経済を動かした、ジェノヴァ。こんな風に言えるよう。
(スペインが世界から収奪した金銀財宝は、ジェノヴァが
吸い取ったということになるのかもしれぬ。)

ヴェネツィアの別名。
「アドリア海の女王」a Regina dell'Adriatico、ラ・レッジーナ・
デッル・アドリアーティコ。

ジェノヴァの別名。
「大いなるジェノヴァ」Genova la Superba、ジェノヴァ・ラ・スペルバ。

まあ、どちらも勝ちということで、よいか。

同じイタリア半島の付け根の都市で、なぜ、こんな違いが
出てきたのか、背景も分析できるよう。つまりある程度
必然的にこうなった、と、だがまあ、この辺にしておこう。

両国の軍事、経済の長い長い戦いの歴史。大河ドラマに
してみたら、おもしろいものができるのではなかろうか。
イタリアにはあるのであろうか。

さて、さて、ともかくも、昼飯。

ここ、フェッラーリ広場であれば、ここ。
Trattoria Rosmarino、トラットリア・ロズマリーノ]。

トラットリアはご存知のように食堂といったニュアンスだが、
実際に店名に入っているのはあまり見ない。
ロズマリーノは、ハーブのローズマリー。

12時半から。
昼営業が、12時ではなく、半というのが、イタリアらしいか。

実はここ、このフェッラーリ広場でぶらぶらしながら
google mapで“地元の人の人気の店”を検索したのだが、
日本から下調べをしていた店が出てきた。
ミシュランピブグルマン。

むろん、今決めたので予約はしていない。
パラッツォ・ドゥカーレの脇の道を入って右。
この通りも下り坂の坂道。

半まで数分。待っている先客もいて、立って待つ。

時刻がきて、同じように待っていた人々共に入る。

ビールと水をもらい、
反省を生かして、二人でパスタ一皿と、メイン一皿。
パスタは、やっぱりジェノヴェーゼを食べておこう。
やっぱり、ここにもちゃんとある。
そして、メインは、肉で、豚肉で巻いたほろほろ鳥、
どんなものか、わからぬが。
やはり、魚介よりは無難であろう。

水。

ミシュラン、ピブグルマン。

パンは、ホカッチャ。

さすがに、本場ジェノヴァ。

ビッラ。

Menabrea、メナブレア。
これも初めて、ではなかろうか。
イタリアのレストランでは、まず同じものに当たらない。
アルプスの麓Piemonte、ピエモンテ州、Biella、ビエッラの
ビールで1846年に創業、イタリアで最も古い醸造所といい、
小さく、生産量が少ないという。

料理がきた。

薄い豚肉のスライスで周りを巻いて、中は
かなり細かく挽いたハンバーグ、むしろパテのような感じ。
ソースは甘めの赤ワイン系。

ほろほろ鳥、というのは、なん度か食べていると
思うが、くせはなくうまみの濃い味。
ソースとともに、流石、かなりうまい。

そして、ジェノベーゼ。

ジェノヴァで二回目。

やっぱりうまい。
前回同様、パスタはねじねじのトロフィエ。
これももちもちの、生、か。

うまかった。
会計をして、出る。
グラッツェ!。

さて。
ジェノヴェーゼとはなんであろうか。
バジル=バジリコのソースなわけだが、
なぜこれがジェノヴァの名物になったのか。
バジリコは、イタリアンではとても一般的なはず。

調べると、なかなかおもしろいことがわかった。
そもそも、バジリコは伝統的にジェノヴァの特産で
あったらしい。強い日差しと海風で香りがよく、
柔らかいものが育つ、と。

今、ジェノヴァ産のバジリコは「バジリコ・ジェノヴェーゼ
DOP」
として、いわゆる産地ブランドが認証されていると。
(これも、もう少し続く。)

 

つづく

 

 

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