浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



東日本橋・あひ鴨一品・鳥安 その2

 

引き続き、東日本橋の鴨鍋[鳥安]。


昨日出した、肉。

脂身、正肉、つくね、砂肝、小さく切られたレバーなど
入っている。

そして、これ。

おろし、しょうゆ。

焼いた鴨の食べ方は色々あるが、ここは
シンプルにおろししょうゆ。

文字通りすき焼きのように甘辛で食べるものも
うまいのだが、私はこちらの方が優っていると
思っている。

野菜類。

長ねぎ、椎茸、春菊、ピーマン。
やはり比較的、シンプルといってよろしかろう。
鍋というと、味よりも彩りを考えて入れている
と思われるものもあったりするが、そういうものは
見当たらぬ。

また、ピーマンは伝統的なものではないと思うが、
なにに使うのかは、後でわかる。

ここは、基本的にすべてお姐さんが焼いて皿に
取ってくれる。
フルサービス。

鴨というのは、脂身が多い。
それを切り出しておいて、先に鍋で焼いて、
脂を出してから、肉、最初はねぎから入れる。

肉が焼けたら、皿へ。

なんとまあ、美しいではないか。

青い単色の取り皿に丸く盛った大根おろし、しょうゆを
少し。そこに軽く焦げ目が付いた、脂身の付いた鴨肉。
ちょっと厚め。これもよい。

これ以上ないほどシンプルだが、鴨の肉と脂身のうまさを
十二分に味わうことができる。

やはりこれ、東京の味として自慢できるもの、と、
思われる。

鴨肉というのは、焼くとすぐに堅くなるが、
もちろん、焼きすぎてはいない。
年の若いお姐さんだが、よく訓練をされている。

肉と肝、ねぎも。

ねぎもまた、焦げ目をしっかり入れて、
よい塩梅に少し、クタッとさせ、あまい。

毎度書いているが、東京の老舗和食店、そばや、
鍋や、などのねぎは太く、揃っている。
先日の須田町の軍鶏鍋[ぼたん]、森下の桜鍋
[みの家]なども然り。特に東京の鍋にねぎは重要。
多くは、浅草の[葱善]だったり、千寿葱専門の問屋さん
https://negizen.co.jp/

があり、おそらく、そこのもの使っている。
吟味をし、ぴったり同じ太さのしっかりした白いねぎを
揃えている。

そして、

つくね、椎茸、肝、きれいに並べて。

つくねもおそらく、肉自体には味は付けていない。
こちらは、しっかりした歯応え。
コリコリと、うまい。
肝は、レバー。これも比較的しっかり目に火が入っているか。
椎茸もうまい。

そして、これも。

ねぎ、つくね、ハツ、ピーマン。
随分以前だが、年配のお姐さんが説明をしてくれた
ハツは火が通りにくいのでピーマンでふたをする、と、
教えてくれた。なるほど。

そろそろ、終盤。

春菊も。

そして、左の丸いのは、脂を出し切って
カリカリになった、脂身。
これがまた、うまい。
こういうものもちゃんと、うまく食べさせてくれる
のは、流石、で、あろう。

ご飯。

この鍋で、鴨脂で炒めたチャーハン、というのも
あるのだが、今日は、そぼろご飯。

漬物、赤だし、そぼろご飯。

ご飯の炊き方も、堅めでなかなかのもの。

お新香ではなく、漬物というべきであろう。
漬物は、奈良漬け、赤かぶ漬け、白いのは
大根だが、べったら、柚子をあしらったもの。

東京は、伝統な漬物というものはあまりない。
ぬか漬けや、塩漬け、になってしまう。
それで、大方お新香と呼ぶのが正しかろう。
だが、例外はたくあんと、べったら漬け。
べったら漬けは、米麹で大根を漬けたものだが、
暮れに各地で市が立つ。

デザート。

胡麻のプリン。

上は生クリーム。
黒い粒は、黒豆。

これはずっと変わらない。

うまかった、うまかった。

東京の味、と、いってよいだろう。

ご馳走様でした。


鳥安

03-3862-4008
中央区日本橋2-11-7

 

 

 

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