浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



三筋・天婦羅・みやこし

11月1日(土)夜

さて。

ちょっと間があいてしまったが、ご近所、三筋の
天婦羅[みやこし]。

昭和58年(1983年)開店。
ご主人は、湯島の老舗[天庄]の出身。

毎度書いているが、東京の天ぷらやというのは、
二種類ある。
特にこの界隈、浅草に多い昔の厚い衣のもの。
近所だと、蔵前[いせや]などがそれにあたる。
もう一つは、カウンター式で目の前で揚げてすぐに出す、
軽めの衣で、塩でもうまい。今は、東京の天ぷらは
後者が主流ではある。
昭和初期、薄めの衣で、お座敷天ぷらなどといって
客の目の前で揚げて、揚げたてを食べさせるという
形式が現れた。
それ以前は、揚げたものを皿にのせてお客に出す、
若干のタイムラグがある提供方式で、衣も厚いもの。
明治の頃は逆に、極厚のかき揚げ流行し、その厚さを
競っていたりもした。
浅草にはこの形を残している老舗天ぷらやが多い。
ともあれ[天庄]は明治の創業だが、このニュー
ウェーブの、目の前で揚げるタイプの天ぷらや
として知られていたよう。
と、いうことで[みやこし]は薄衣タイプの天ぷらや。

予約をして18時。

内儀(かみ)さんとぶらぶら歩いて出掛ける。

元浅草から春日通りを渡り、三筋は隣町。
左衛門橋通りから東へ二本目を南へ下がると
右側に三筋湯があって、左側に[みやこし]。

暖簾を分けて入る。

ご主人、奥の女将さんにご挨拶。

カウンターへ。

ビールはサッポロラガー。

いつも通り、特の天婦羅定食9,000円也。

お通し。

いか下足のぽん酢しょうゆ、もみじおろし
すみいかの下足、で、あろう。

一品目。

形通り、海老から。
小型の車海老。最初は、塩。
軽く、さくさく。
尻尾まで、食べてしまう。

二匹目。

これは、つゆで。
天つゆでも、もちろん、うまい。

海老の頭。

から揚げ。
これ以上ないくらいの軽さ。

次は、これ。

きす。
大きさはこんな感じだが、肉厚でふんわり。
しっかりした衣がサクサク。
塩でも、うまい。

いか。

江戸前天ぷらなので、もちろん、すみいか。
意外に大きめだが、ちょっと薄めでよい歯切れ。
これぞ、すみいか、で、あろう。
これも、塩で、うまい。

そして、これ。

ほたて。
最近、ここでもたまに出るようになった。
もちろん、元来の江戸前天ぷらではほたては揚げない。
流石の火入れ、中が半生なのがお分かりになろう。

そして、これは定番、穴子

これもまた、サクサク。
衣がサクサクだが、皮もサクサク。
そして、中は、しっかり火が通り、ほかほかで、
ふんわり。
うまい、うまい。

野菜天。

一つ、食べてしまった。蓮根、で、あったか。
茄子、しし唐、小玉ねぎ、銀杏。

そして、最後のご飯とかき揚げ。

いつも通り、天丼にしてもらった。

味噌汁は、赤だしで蜆と細かく切った三つ葉

かき揚げは、白魚と小柱。

白魚と聞くと、やはり旬は真冬だが、もう、そんな
季節になったのか、と思わされる。

もちろん、今は、東京湾のものではないのだろうが
白魚と小柱は江戸前天ぷらには欠くべからざる種。
このかき揚げの天丼が食べられるのは、やはり
幸せ、というものであろう。

うまい、うまい。

ご馳走様でした。

腹一杯。

?

みやこし

台東区三筋2-5-10 宮腰ビル1F
03-3864-7374

 

 

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