浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



浅草田原町寿二丁目麺みつヰ

10月24日(金)第一食

今週に入ったころであったか、急に涼しくなった。
秋?。

植物というのは流石なもので、金木犀の強い香りが
街に漂っている。金木犀というのは、秋風が吹くと
律儀にすぐに花が咲いて香る。

夏と秋の境はかなり明確である。
子供の頃は、9月の1週、2週にこの香りがしていた。

堀内孝雄氏の「君の瞳は10000ボルト」を思い出す。
高1の年であったか。
同世代の方は覚えておいでであろう。
『♪金木犀の咲く道を~』という歌詞があった。
資生堂のCMソングで、リリースは1978年(昭和53年)
8月5日で、9月に初旬にはヘビロテでTVや街の
有線など各所で流れていた。これがとても印象的であった。
それでも今でも、金木犀の香りと秋の訪れ、とともに
この曲が頭に流れる。
堀内氏のソロ曲だが作詞は谷村新司氏。
谷村氏は曲の流れる期間と、金木犀の香り漂うこの季節の
急激な変わり目をちゃんと意識してのことであったのでは
なかろうか。

今日は晴れて、最高気温16.9℃(11時50分)。
先週の夏日からは10℃は下がっている。
まさに夏から秋への急激な季節転換の週。
おかげで私のような寒暖差アレルギーの者は鼻炎の
辛い季節になったのだが。

涼しくなったから、というわけでもないのだが、
田原町寿二丁目の[麺みつヰ]を覗いてみようと、
思い付いた。

少し久しぶり。

14時ちょいすぎ。

待っている人はなし。
暑いさ中でも列になっていたが、珍しい。

一応券を取って、表で待つ。
店も段取りがあるので、列がなくとも勝手に入らぬ
のが配慮というもの。

すぐに呼ばれ、入る。

カウンター手前に掛ける。

今日は決めてきた。
このくらいの気温ならば、あのうまい、おろし、
でもよいのだが、やはり久しぶりなので、生姜
にしよう。

それからやっぱり、ソースかつ丼は食べたい。
これも、ここの看板といってよいと、私思う。

お姐さんにオーダーと、勘定。

やはり、ここ、仕事が丁寧、多少時間が掛かる。
そういえば、開店当初はもっと待たされた記憶も
あったか。

きた。

生姜そば。

チャーシューは2種。
炙ったバラと、低温調理のロース。

その下に顔をのぞかせている、蓮根。
これは、加賀蓮根。
ちょっと厚めに切って、しょうゆであろうか、
そう濃い味ではなく煮込んだもの。
加賀蓮根と一般の蓮根との違いはもっちり感が
強い、という。もちろん、うまいのだが、微妙な
ものなのであろう。残念ながら私は蓮根をそこまで
食べ分ける舌はないのだが。

上にねぎと天辺に千切りの生姜。

そして、スープに浮いている油にはこれも生姜
であろうか、細かい粒のようなものが見える。
それも焦がしたもの?。

麺。

ちょっと厚みのある平打ちのぴろぴろ、縮れ。

ここは自家製麺。意外に、ぴったりこのくらいの
厚みと幅、縮れ具合のものはないのではないが。
もちろん、コントロールされているのであろう。
ほどよい腰で、よい食感

そして、なんといってもスープ。
生姜味スープのラーメンは北陸、新潟あたりの
ものだが、あまり馴染がなかったからか、ここの
ものも実は最初はあまりピンとこなかった。
が、二回目以降、段々に身に染みてわかってきた。
ただ単に、生姜味のラーメンスープというのでは
とても深みのあるもの。
まったく、どのような味の設計になっているのか
わからぬが。

そして、ソースかつ丼

薄いひれかつが四枚。
自家製のちょっとスパイシーなウスターソース
これがご飯にも染みている。

メニューなど、どこにも書いていないが、
これも北陸、福井のソースかつ丼であると考えている。
この薄さと大きさは福井のもの。

もちろん、うまい。

全国にソースを掛けるかつ丼ソースかつ丼は、
たくさんあるが、どこもそれぞれ特徴がある。
例えば、秩父ソースかつ丼はわらじかつなどと呼ばれる
巨大なもの。
キャベツがのったりのらなかったり。
ソースの味も、いわゆる地ソースというやつで
それがないとその土地のソースかつ丼にはならない。
福島会津のものを食べたことがあるが、かなり甘い。

福井ソースかつ丼もここのソースと決まっているよう。
飯に合うというのが前提であろうが、福井のものは
極端に甘くも辛くもなく、概ねさっぱり、スパイスが
強めかもしれぬ。

ともあれ。

うまかった、うまかった。

ご馳走様でした。


麺 みつヰX

台東区寿2-9-15

 

 

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