浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



日本橋高島屋特別食堂・うなぎ・五代目野田岩

10月3日(金)夜

さて。

金曜日。
今日は、内儀(かみ)さんが、日本橋高島屋
特別食堂を予約していた。

もちろん[野田岩]のうなぎ、で、ある。

ちょっと、久しぶりか。

以前は現地に行って、待つしかなかったが
少し前から、予約ができるようになっていた。

18時。

日本橋高島屋特別食堂のサービスは、帝国ホテルが
担っている。おそらく東京でNo.1のサービスといって
よいのではなかろうか。
野田岩]もここで出すものには、かなり力が入っている
のではなかろうか。
むろん、麻布に行くよりも浅草に住む私には、便利。

この合わせ技は、強力、で、ある。

銀座線稲荷町から乗って、日本橋まで。

地下から入って、本館6Fにエレベーターであがる。

特別食堂は左側、さらに左に入ったところ。

名乗って、広いホールのテーブルに案内される。

ビールをもらう。

さて、なんにしようか。
メニューを見る。

特別食堂は、サービスをしている[帝国ホテル]、
和食の[大和屋 三玄]、そして[五代目 野田岩]の
三軒の料理を頼むことができる。
まあ、ほぼ私達は[野田岩]のうなぎを食べにきている
のであるが。

ん!。
まぶし御前、6,776円也。

これ、以前はなかったはず。

名前の通り、いわゆる、名古屋のひつまぶし式
のもののよう。
一口に切った蒲焼ののったうな丼に各種薬味、
そして、出汁が付いて、うな茶ができる。

元来、東京の蒲焼のうな丼で、うな茶はやらない。

名古屋の出汁をかけてうな茶を食べることができる、
ひつまぶし、というのは、うまいもん、で、ある。
名古屋だけのもの。

ほう!、これを東京のうなぎやで出す、とは。

実のところ、私は、名古屋でうまかったうな茶を、
東京の蒲焼でうな茶を、やってみたことがある
のである。
が、これは、失敗。
なにかというと、蒲焼の味が薄まってまったく
成立しない。

東京の蒲焼というのは、出汁をかけるような味に
なっていない、のである。
名古屋の蒲焼は、たまりじょうゆを使っており、
出汁にも負けないのでは、というのが、その時の
考察ではあった。

さて、どんなものか、これは試して見ずには
おかれまい。

これと、白焼き(志ら焼、3,267円也)、内儀さんは
ノーマルなうな重・蘭(5,082円也)。

白焼きから。

ここは必ず、下にお湯を張った器で白焼きを出す。
白焼きは冷めると、たちまち生ぐさくなる。

開ける。

金属の容器でこの赤い部分の下に熱湯が入っている。

もちろん、添えてあるわさびじょうゆで。

ふっくら、さっぱり。極上の白焼き。

まぶし、も、きた。

出汁に飯茶碗。

こちらは、内儀さんのうな重

私のおろしと、薬味類。

青い小ねぎと、同じ器に、細く切った柚子。
刻み海苔。

一椀目。

そのまま。もちろん、これはノーマルなうな丼。
名古屋のひつまぶしは、西日本式の蒸さない蒲焼だが、
こちらは、やはり蒸したものだと思われる。

薬味。

もちろん、これもうまい。

そして、出汁。

薬味、特に柚子はここで威力を発揮する。

さて、問題の、蒲焼が出汁に負けてしまう問題。

まあ、当然であるが、流石のプロの仕事、蒲焼は
出汁にも負けず、そのままの味。

これがまずからろうはずがない。

出汁を掛けずに食べたものは、ノーマルな蒲焼と
特段の違いは感じられなかったが、やはりたれが
違っているのか。もしかすると、焼き方、蒸し方も
ノーマルな蒲焼とは変えているのかもしれぬ。

もちろん、ノーマルなうな丼、うな重もうまいが、
三通りの食べ方で食べられるひつまぶしの愉しさ、
うまさは、また別物。

余人ではない野田岩の仕事、で、あろう。
うまかった、うまかった。
ご馳走様でした。

 



日本橋高島屋特別食堂

野田岩

 

 

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