浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



断腸亭スペインへ行く その32

さて。
スペインからの復路。

イベリア航空マドリッド→成田行き。
航路は、中央アジア経由。14時間半程度。
2月のミラノからANAの帰りも、同じであったがエアラインに
関わらず、南ヨーロッパからはこのルートなのか。

今回は、席がちょっとだけ広いだけの
プレミアムエコノミー。

機内食、一食目。

パスタかハンバーガーから選べるようだったのだが、
ハンバーガーがなくなり選択の余地なく、パスタ。

トリュフクリームソースのMezze rigatoni、メッゼ・リガトーニ
メッゼ・リガトーニというのは、半分に切ったリガトーニ

右上が、サラダなのだがメニューには「サルモレホ(salmorejo)を
ベースにしたchickpeas、ひよこ豆、オリーブ、きゅうり」とある。
サルモレホというのは、初めてだが、アンダルシア地方の
パンが入るガスパチョに近い冷製トマトスープらしい。
これが下にあってソースのように混ぜて食べる。
上にあるのは、ひよこ豆ではなく、見た目にも食べても、クスクス。
これはこれであり、なのであろうが、例によって印刷メニューと、
実際の料理の間違い(?)。これはこういうものなのだろうが、
冷たいクスクスはモソモソして、もう一つ。

左がマンゴーのパンナコッタ。

2食目、スナック。

ターキーとゴーダチーズのサンドイッチとキットカット

3食目。

ハムの入ったオムレツ、ミニトマト、オレンジジュース
クラッカーなど。

日本時間AM10時すぎ成田、無事に到着。

さすがに?、運よく?ロストバゲージもなく、
スーツケースも回収。よかった、よかった。

マドリッドからの、スペイン人の若い衆は、意外(?)に
ガラがわるそうなのはおらず、皆、静かでおとなしそう。
これから、秋葉原にでも行くのか。

帰宅。

9月の日本はまだまだ真夏日が続き、ご存知の通り
その後も暑かった。

欧州のこの夏は、やはりかなりの猛暑になっていたと
聞くが、この期間、スペインは既に涼しくなっており、
北部のサン・セバスティアンなどは夜は寒いくらいで、
概ね、どこもすごしやすかった。
日本、東アジアだけ、特に暑いのか。

さて、昨日書き忘れたが、スペインでのやっておけば
よかったことがもう一つあった。
それは、フラメンコ。もちろん観るのだが。
意外に、あれ、私好きなのである。
マドリッドで観せる劇場はあったようだが、次の機会に。

さて、スペイン、どんな国だったか。
昨日、私の正直な印象“ゆるい”を少し書いてみた。

歴史を含め、考えてみると、なかなか捉えどころが
ないような気もする。

概ね、中世のイスラム支配をひっくり返すレコンキスタ後が
歴史のスタートといってよいか、王国もここから始まる。
大航海時代、新大陸発見で、南北アメリカ大陸侵略、
在来文化の破壊、金銀の収奪。
世界に冠たる、日の沈まない国、と。
ただ、この収奪した金銀は、欧州内の戦争や、王族の
浪費に使われ国内への投資は行われず、歴史的には
その後の産業革命への出遅れなどに繋がっている
という評価になるよう。
また、世界での覇権を失った後、王朝がハプスブルグ朝から
ブルボン朝にかわったのもその後に影響を与えていそう。
一方、現代スペインでの、この頃の帝国の評価は、意外に、
日の沈まない国であったことを誇りに思うという人も
少なくないともいう。
その後、ナポレオン・フランスの支配などがあるが、大きな
トピックスは、1936年(昭和11年)スペイン内戦から、
フランコ独裁政権の成立。
フランコ政権は第二次大戦期をはさんで36年という
長期に渡って続いた。
この間、反対勢力の粛清、バスクカタルーニャ
ガルシアの弾圧など文字通りの独裁を続けた。
だがなぜ、こんなに長く続いたのかというと、戦中は
中立を保ち、国を守ることになった。
戦後はアメリカ接近などにより、経済は意外にうまく
いっていたということが理由に挙げられるよう。
ではなぜ、独裁が始まったのか、だが、これはスペイン
独自のものというよりも、フランコ軍は伊、独の後ろ盾
があって勝利をし、また、当時非連合国側、日本も含め
世界的に全体主義国家時代という背景もあったのか。
で、前にも書いたが、フランコ死去後には民主化され
王も復活し、立憲君主制に。
ただ、G7には入っていない状態が続いている。
(まあ、彼らが入りたいのかはわからぬが。)

他国の歴史をとやかくいうのもどうかと思うが、なにか
一貫していないというのか、バラバラしている?。
で、スペインという国、なんとなく捉えどころがない
というのが正直な印象ではなかろうか。
このあたりももしかすると“ゆるい”ということか?。

イタリアほど古くはない。同じく基本はカトリック
国だが、教会もイタリア程の密度と濃さ、厚みはなかった
のではなかろうか。

帝国時代の名残もまあ、そんなことであまり残っていない。
フランスだとベルサイユ、ルーブル。また、華の都パリ、
芸術の都でアート、そして、もちろん美食。

で、スペインといえば、細かくは色々あるが、とにかく
これ、というのが、やっぱり現わしにくい。

それでも挙げれば、やはり私はスペイン王国ではなく
カタルーニャバルセロナだが、ガウディー、サグラダ・
ファミリアになろう。やはりあれは素晴らしい。世界に
冠たるものである。あれだけでもスペインを訪問する
価値はある。

さて、夜。

帰国後最初の飯。
ウーバーでなにか取ろう、と。

調べると、浅草[まぐろ人]が取れることがわかった。
新仲と上野広小路
なん軒か頼めるようだが、新仲の本店に頼んでみた。

特上、一人前、4260円也。(配達料手数料別)
左上から、赤貝、赤身、中とろ、大とろ、
中上、平目、いか、甘えび、数の子
右上、玉子、いくら、うに、穴子

実のところ[まぐろ人]も凸凹あることもある、のだが
この日は、当たり、特に看板のまぐろがうまかった。

  

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