浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



断腸亭スペインへ行く その28

引き続き、スペイン。
マドリッド
ミシュランピブグルマン[Gala]ガラにきている。

前菜のガスパチョがきて、次。

ここからDegustacion、テイスティングコース。。

サナブレサ風サラダ:様々な新芽、シードル風味の
チョリソーソブラサーダ、セシーナのヴェール、イチジク、
サモラノチーズ?

というのが、スペイン語メニューのAI訳。

サナブレサはsanabresaで、どうも牛のことのよう。
カスティーリャ・イ・レオン州サモーラ県の地名で
名産の牛の種ではないかと思われる。
生のようで、タルタルステーキといってよいか。
味は、かなり濃厚だが、うまい。

ソブラサーダ、sobrasadaは、マヨルカ島発祥の熟成生
チョリソー。また、北部バスク地方の西、アストゥリアス
自治州の伝統的なタパスでチョリソーをシードルで煮込んだ
ものがあるよう。

セシーナ、cecinaは、干し肉・燻製肉のよう。ベールは
いわゆる頭にかぶるベールでよいのか。だが、これも
さっぱりわからぬ。いちじくは、brevas、ブラバス。
サモラノチーズ、queso zamorano、ケソ・サモラノは
マドリッドの北西隣のサモラ県特産の濃厚な羊乳チーズ。

まとめると、いちじくやら羊乳チーズやらが入った、
ペースト状の熟成生チョリソー。

下の、せんべいのようなものがmix de brotes、様々な新芽
と、AI君が訳しているものか。
brotes、ブローテスが、難しい。新芽、スプラウト、もやしと
いったものになるようだが、これらをペーストにし
焼いたもの?、わからぬが。
まあ、どちらにしても、メニューの翻訳というのは、
AI君にしても私にしてもハードルは高い。

次。

メニュー上は、こんな風になっている。

マグロとスイカのフェイクたたき、わさびのジェルとポン酢、
メロンのエマルション添え

これ、明らかに違う。見ても、食べても、明らかにこれらは、
たこ。たこ、はスペイン語でpulpo、プルポ。
誤訳でもここまで違うと、まぐろはともかく、別物。
メニューとは違うものを出している。
どうも、よく読むと、この後も、違うよう。
まあ、そんなこともあるか。
意外に、ここ、ラフ。ピブグルマンの所以?。
それもよし。ともあれ、メニューをもう離れよう。

スペイン人もたこはよく食べる、よう。
イタリア人よりも食べるのではなかろうか。
たこは、前にも書いたが、北西端のガリシア自治州
の名物。地中海よりも大西洋のこのあたりの方が
獲れるのかもしれない。

白いのはマヨネーズに近いか、それにトマトと、
なにかチーズ?。
煮込みというのか、後で合わせたのか、わからぬが。
このたこは、かなりでかい。
そしてまた、かなり柔らか。
和食でも柔らかく煮ることはあるが、それ以上
かもしれぬ。

上に載っている赤いのは、細かく切ったまぐろ、では
なかろうか。メニューにあったタタキがここに?。
それもヅケ?マリネ?。まあしょうゆではないと思うが。

次は、これ。

これもまた、わかりやすい。
かにの殻。それも、たらば、であろう。

スペイン語で、かにが、cangrejo、カングレレホ。
たらばがには、cangrejo real、カングレホ・レアル。
先に知った、real、つまり、王のかに。
なにか、流石。(日本だと北海道で揚がるか。実際は、
近似種らしい。)
サン・セバスティアンの[Akelare]でも、原形が
わからないような形で出たが、バスク語ではTxangurro、
チャングーロ。サン・セバスティアンのバルでは
このように殻に入れたグラタンのような形の料理が
ノーマルのよう。

貝が見えるが、これは、食べるとムール貝
この中に、かに肉も入っていた、とは思うのだが
実は、あまり記憶はない。

このソースは、トマトの入ったベシャメル系であったか。
魚介にトマトクリームを合わせるのはフレンチでの常道
のよう。

そして、これ。

これも、安心できる。
見た通り、牛のステーキ。

黄色いのはポテトであったか。
丸いのは、忘れてしまった。

カット。

シンプル。ソースもなにもなし。
やはりフィレ、で、あろう、柔らか。
うまい。

スペインで牛ステーキは、バルセロナで一度食べた。
あれは、ガルシア地方のRubia Gallega、ルビア・ガジェガ牛
というものであった。

あれもそうであったが、切り口の色を見ると、我々が
見慣れた赤身、米及び豪産アンガス、よりも濃いような
気がする。スペインの牛の特徴かもしれぬ。

そして、コース最後。

最後も、肉。これは、鹿。

スペインでは鹿肉はよく食べられているらしい。
淡泊な赤身でうまい。
そして、ジビエらしく栗も添えられている。
右側の四角いものはなんであったか。
忘れてしまった。

ここまで。

コーヒー。
例によって、アメリカーノ

デザートコースのようなものはなく、
これで終了。


つづく

  

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