浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



断腸亭スペインへ行く その23

引き続き、スペイン、サン・セバスティアン
三ツ星レストラン[Akelare(アケラレ)]に
きている。

メイン料理。
いか、まぐろなど魚介類が続く。
山のものも多くあるが、肉よりも魚介がバスク料理?。

次。

なんであろうか、これ。やっと肉?!。

“Veal Tete”.Gribiche Salad and Mustard Sprouts
It is a reinterpretation of the classic Tete de Veau
sauce Gribiche from French cuisine.

『「仔牛の頭」。グリビッシュサラダとマスタードの芽
フランス料理の定番、テット・ド・ヴォー・グリビッシュ
ソースを再解釈したものです。』

これは、なかなかまた、凄い。
フレンチの定番?、Veal Tete、仔牛の頭。(仏語のTeteは、
一つ目のeの上に「^」が付く。)
形がそのまま残っていることもあり、フランス人は好きな人が
多いらしい。家庭で作る人もいるよう。
もちろん、私は食べたことがない。
やはり、元を食べたことがないのに、再解釈、アレンジを
食べても、もとよりわからないのは当然なのだが。
上の二つの小皿の右が、グリビッシュサラダ、といっているものか。

グリビッシュソースというのは、フレンチの基本ソースの一つで、
卵、マスタードがベースで香味野菜が入る冷たいもので、肉に
合わせることが多いもの、と。

もちろん、全部食べたのだが、詳細な描写と感想は控える。
正直、まだまだ私にはハードルが高い。
欧州の美食はこういうことか。
一度、ノーマルな“Veal Tete”をパリででも食べねば。

次は、これ。

よかった、なにか、普通のものが出てきた。

White Duck Breast with Citrus Fruits and Minivegetables
The small Aylesbury white duck and the mini-vegetables,
whose tender plumes are eaten.It topped with a sauce
reminiscent of the Duck with Orange that we used to make
to make 50 years ago.

『あひるの胸肉柑橘ソース、ミニ野菜添え
エイルズベリー種の小さなあひるとミニ野菜。柔らかい羽毛は
食べられます。50年前に作っていた「オレンジ風味の鴨肉」を
彷彿とさせるソースを添えて。』

ステーキなのだが、あひる(鴨)、で、あった。
白い鴨は、あひるで、よいのだろう。
エイルズベリーはイギリスの食用あひるの種のよう。

鴨のオレンジソースというのは、洋食では定番。
よく合う。もちろん、私も過去に食べたことがある。
表面に包丁目が入りこんがり、中はミディアムレア。
もちろん、うまい。
右上の緑はさやえんどうのよう。
ラディッシュ、にんじんなど鮮やかなミニ野菜もかわいい。
花が載っている丸いものはなんであったか忘れてしまった。

説明にある柔らかい羽毛は、なんであろうか。
あくまであひるの説明か、右下の丸いもの?、わからぬが。

ここまでで、メインコースは終了。

デザート。

一つ目。

The Remainder of the“Whiskey Ice Cream Cake”
A product that,having been industrially manufactured,
we wanted to transfer to our kitchen.

『「ウィスキーアイスクリームケーキ」の思い出
工業的に製造されていた製品を、私たちのキッチンに
移したかったのです。』

ディッピンドッツというブランドで売られているが、
粒状のアイスクリーム。なにかここのシェフの思い出、
なのか。

二つ目。

Coffee,Chocolate and Hazelnut
Chocolate and buttercream trunk with a bitter and perfumed
coffee layer; coffee ground and tiramisu icecream.

『コーヒー、チョコレート、ヘーゼルナッツ
チョコレートとバタークリームのトランクに、ほろ苦く香り高い
コーヒーの層、コーヒーの粉、ティラミスアイスクリーム。』

ちょっと人の顔のような配置。
こげ茶の丸い粒は、チョコだが、コーヒー豆に見立てているか。

コーヒー。

エスプレッソではなく、アメリカーノ

最後の最後。

プチフールというのか、焼き菓子、チョコなどの、一口の
スイーツ。バルセロナでもあったが、これ、なんというのか、
やっぱり、段々で螺旋の食器?。
スペインできまり、なのか、流行なのか。

会計。

Eskerrik asko!、エスケリカスコ。
バスク語で、ありがとう)

さて。

ちょっと[Akelare]、まとめてみよう。
なんらか、書かねば。

もちろん、圧倒的な迫力で迫ってきた。
やはり、もっとバスク料理を知っていればさらに愉しめた、
と思われる。

そして、完全に私の問題であると思うのだが、やはり魚介系
のこと。ミラノで行ったあの有名シェフのレストランでも
感じたことではある。
魚介の一部の生ぐささ。

私自身が、生ぐささに特に弱い、というのもあると思う。
日本の魚介でも、例えば、新鮮なものはよいが、ちょっと
鮮度がもう一つの鱈の白子であるとか、生しらすなどは、
食べられない。中華の高級品、生の上海蟹紹興酒漬けも、
いけない。普通には人気なのであろうが。
欧州の高級レストランの魚介は、ともすると、強いのがある。
もしかすると、それが美食家にはうまい、ということ、
なのかもしれない。
そこをむしろ狙っている?。そんな気もしてくる。
いかがなものであろうか。
日本の、ちゃんとした鮨や、和食やだと、白身の昆布〆
だったり、熟成を狙うことはあるが、生ぐさいところを狙う
ということはないのではなかろうか。匂いが強いというと、
くさや、鮒ずし、へしこ、などあるが、これはこれで、
数か月以上発酵させたもので、また違うような気もする。
やはり文化の違いか。

 

つづく

 

 

 

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