浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



断腸亭スペインへ行く その9

引き続き、スペインバルセロナ
一つ星レストラン[Caelis(カエリス)]。

カタルーニャ広場の東、歩いてちょっと。

前回、下町っぽいと書いたが、カタルーニャ広場から、
海側、南東側が、バルセロナの旧市街、Ciutat Vella、
シウタ・ベリャと呼ばれ、市の行政区1区にあたるよう。
カタルーニャ自治州政府庁舎、大聖堂、市議会庁舎、
オペラ劇場、などなど、ヨーロッパの古い街らしい地域。
また、旧貴族邸を使ったピカソ美術館、ガウディー作品の
グエル邸もある。(と、いうのは、帰ってきて知ったのだが。)

ともあれ[Caelis]。
Caelis自体は、天、天国を意味するラテン語caelum
複数形caelisが由来でよいのだろう。
やはりラテン系の国は、カトリックの影響でラテン語
ある程度誰でもわかる言葉として浸透しているのであろう。

ともあれ。

チャーム、前菜、パンとバター、うなぎの魚料理ときた。

次は、これ、パスタ。

メニュー名は、ロブスターとフォアグラのマカロニ。

やはり、海に接したバルセロナだからか、シーフードが多い。

マカロニとメニューには書かれているが、リガトーニ
あたりの太さか。(ちなみに、スペイン語で、macaroonで
マカロニなのだが、これで、スペイン語でお菓子の
カロンも同じだったのは、驚いた。)

ロブスター、オマール海老、海ざりがに。英語だと伊勢海老系も
ロブスターということがあるが、やはり日本人的にはちゃんと
分けたい。種が違う。大雑把すぎる。オマール海老は、意外に
生息域が広く、大西洋ノルウェーあたりから、地中海まで
いるよう。ちなみに、地中海、大西洋にもヨーロッパイセエビ
というイセエビ類がいる。で、どっちなのか。まあ、ここは
ヨーロッパなので、オマールの方、で、よいのか。

海老ミソという感じであろうか。それにフォアグラが
入った、こってり系のソースに、白いのはメレンゲか。
これは、かなりうまい。

次は、魚。

メニュー名直訳は、ひめじのグリルとブイヤベース。
赤い白身魚。日本でも食べるが、地中海では人気という。
鱗を残してパリパリに焼いている。ブイヤベースといっている
のはソースなのであろう。魚介のスープを濃厚に煮詰めた
ものか。

そして、肉。

Smoked veal in vineyard ashes。

直訳するとワイン畑の灰でスモークした仔牛。

スペインだと豚肉が最初にイメージされるが、
ビーフだと最西北のガリシア州のRubia Gallega、ルビア
ガジェガ牛というのが赤身で柔らかく有名のよう。

衣のような部分があり灰のようだが、これは衣。
黒く着色したパン粉か。

ぶどうの木で、スモークした、ということ、なのか。
スモークというのは食べてももう一つわからないのだが、
ほぼ、ステーキ。赤身だが、フィレなのかとても柔らかく、
よいうまみ。

実際にスモークをして火を通しているとすると、
実によい塩梅のミディアムレアに仕上がっている。
こういう手法があるのか、流石。

ソースはちょっと甘め。赤ワイン系なのでシェリー酒
のようなものかもしれぬ。
銅の小さな器は、じゃがいものピューレ。

食事はここまで。
ここからは、デザートコース。

最初は型通り、チーズから。

チーズはスペイン語はqueso、ケーソ。

チーズ三つと、右、黄色っぽい半透明なものは
おそらく蜂蜜、上がピーカンナッツ、右のピンク
のものは、ちょっと酸味の強いラズベリー?、わからぬが
ベリー系の堅めのゼリー。

チーズは、右がブルーチーズ系なのだが、中、左は
忘れてしまったが、クセの強いものであった。
スペインではこの後も、羊だったり山羊だったり、
クセの強いチーズがよく出てきた。やはりスペインにも
伝統チーズはちゃんとある。
蜂蜜やナッツ、ベリーを合わせるのもオーソドックス。

次は、これ。

右側、なんだかお分かりになろうか。
ひょっとすると、形から、わかるかもしれぬ。
そう、乾燥したパイナップル。
白いのは、ココナッツと、ココナッツクリームで、
これがラム風味。
スペイン語でパイナップルは、pina、ピニャ。
ラムとココナッツミルクとパイナップルジュースで
ピニャ・コラーダというカクテルになる。
まさに、あれ。

そして、これ。

左上、チョコレートスフレ、パッションフルーツシャーベットと
ソース的なもので、茶色いのもパッションフルーツで、
緑の泡がバジル。

最後。
/p>

プチフール、

なんというのであろうか、これ。
一番最初の、チャームもこんな縦に積んで並べる装置?
に載せてきた。
スペイン、この後のレストランでも出てきた。
イタリアでは見なかったはず。スペインで流行っているのか
伝統的なもの?わからぬが。

一番下は一つ食べてしまった。
が、やっぱり、それぞれ、なんだか忘れてしまった。
これも、残念!。

以上ここまで。

席で会計。

やはり、最後まで、サーヴィスはにこやかで丁寧。
ここまで徹底されると、頭が下がる。心地よい。
腹も一杯。

Gracias

うまかったし、特にくせがなく、日本人にも受け入れられる
料理だったのではなかろうか。またキャッチーな
目玉になるようなものも散りばめられている。
大満足。

 

つづく

 

 

 

※お願い
メッセージ、コメントはFacebook へ節度を持ってお願いいたします。
匿名でのメール、ダイレクトメッセージはお断りいたします。
また、プロフィール非公開の場合、バックグラウンドなど簡単な自己紹助を
お願いいたしております。なき場合のコメントはできません。