浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



ラフテー

4801号

6月28日(土)夜

さて。

ラフテー、で、ある。

ご存知、沖縄風豚の角煮。

なぜか、暑くなると食べたくなる。

暑いところの食べ物だからであろうか。

ソーキ同様に沖縄そばに載せたりもするので、
このところ黒門町の[みやら製麺]だったり、現地でも
食べている。

漢字だと、ラフテーは羅火腿と書くよう。
中国語だとなんと読むのかわからぬが、中国由来の
言葉のよう。

沖縄の言葉は基本は日本語で、ソーキの方は梳(すき)
らしい。櫛(くし)で髪を梳(す)く、の梳く。
櫛のこと。
豚の骨付あばら肉で、櫛のようだから。
と、いうことで、ソーキは日本語。
中国語由来の言葉はそう多くはないのであろう。

中国料理だと、豚角煮は東坡肉。
これがそのまま入ったということではないのだろうが。

琉球は、中国大陸の歴代の王朝と朝貢(ちょうこう)関係と
いって皇帝に貢物(みつぎもの)をして配下の国として
認めてもらい第三国から攻められないよう保護してもらう。
また、朝貢貿易などともいうが、交易を認めてもらう、
という関係を伝統的に続けてきた。

日本の遣隋使、遣唐使もこの例になる。平安期に朝廷が
遣唐使をやめてから、この関係ではなくなっている。
例えば、朝鮮半島李氏朝鮮は日本併合直前まで清と
この関係を続けていた。

一方、日本と琉球は、江戸初期に薩摩入りといわれるが、
幕府了解の上、薩摩藩が侵攻し、事実上の配下に置いた。
これ以降は、表面的には明、清との朝貢関係を続けているが
実質的には薩摩の支配を受けるという二重の関係を持っていた。
ただ琉球王国の役人には古くから多くの中国系の人々も
あった。
まあ、双方とこういった複雑な関係を持ってきたので
どちらとの関係が強いかといったことを考えるのは
あまり意味はないのだろう。
ただ、もちろん、明治以降、今年で146年、日本国の
沖縄県になっているのはご存知の通り。

ともあれ、羅火腿・ラフテーであった。

ラフテーは、時間は掛かるが、そう難しくはない。

まず、豚バラ塊を買ってきた。

大量にできてしまってもしょうがないので、
比較的、小さなもの。

切って圧力鍋へ。

本来は泡盛でゆでるのだが、焼酎(旧乙類、30%)。

焼酎だけでなく水も入れるのだが、その割合で
出来上がりが変わってくる。
以前、焼酎100%でゆでたこともある。
つまり、アルコールでゆでるということになるのだが、
アルコールはどうも脂を分解するようなのである。
それでかなりすっきりした食べやすい豚角煮になる。
(化学的なメカニズムはわからないが、アルコールは
脂質もタンパク質も共に分解するよう。)

現地のものを食べると、100%でゆでたものはさすがに違う。
で、今日は、水と半々程度。

これ、圧力鍋なのだが、このままふたをして加熱、加圧
すると、アルコールが飛ばない。

先に、ふたを開けて、煮立てる。
15分ほど。

いいかな。
ふたをして、中火で加圧。そのまま5分。

消火し、放置。

30分後ふたを開ける。

脂も、肉もかなり柔らかくなっている。

圧力鍋を使わないと、ゆで汁は煮詰まって
途中で水を足すことになるが、ほぼ減らない。

小鍋に肉を出し、ヒタヒタより少ない量のゆで汁
を移す。

ここにしょうゆ、砂糖、日本酒も。

アルミホイルで落としぶたをして、軽く煮る。

しばし火をとめて味をふくませる。

仕上げに鰹削り節。

煮立てて、ここも置いて、出来上がり。

皿へ。

ビールを開けて、食べる。

焼酎1/2でゆでたが、かなり柔らかく、脂も抜けた。

東坡肉や和食の角煮よりも沖縄のラフティー
脂がかなり抜けているが。
どうであろうか、これはそれよりももう少し抜けている、か。

あまり抜けすぎるのも豚バラ角煮らしくないが、
このくらいはよいか。
微妙な範囲だが。
焼酎の量は段々に増えていき、100%まで行き、今回
50%に戻った。
レシピを今調べると、やはり一般的には泡盛はそこまでは
入れないよう。
10%、20%あたりがよいのかもしれぬ。
ただ、、、待てよ、割合が高いと速く柔らかくなる?。
そんな気もしてきた。
圧力鍋を使わなければ、数時間、6時間というレシピもある。

今回の50%で圧力鍋は、わるくない、かもしれぬ。
仕上がりもうまいし。

ともかくも、今日のところはよしとしよう。

 

 

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