浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



カレーざるうどん

4800号

6月27日(金)夜

引き続き、金曜日。

カレーの冷たいつけそば、うどんが、
食べたくなった。

東京では、そばだが、ざるそばをカレーのつゆで
食べる、カレーせいろがほぼ定番になってきている。
うまいもんである。

と、くれば、ざるうどん、で、ある。

先日来、吉池で売っている、埼玉狭山市の大進食品の
生うどんを気に入っている。

ずっと豚肉にねぎを入れたしょうゆ味のつゆで食べてきた。
油揚げも入れてみたり。これはさらにうまかった。

武蔵野うどんのざるうどんでは、豚肉のつゆは
定番のようで、やはりこれがうまい。

だが、当然、カレーもあり、で、あろう、と、考えた。
もちろん、食べたことはないが。

カレーそばはよく作っている。 

“よく”でもないか。まあ、たまに。

今は東京のそばやのカレーそば、カレーせいろは、
かなりうまくなってきたが、以前はもう一つであった。

ご存知かどうかわからぬが、カレーうどんといえば、
名古屋がうまい。私は30年前になるが、30代前半転勤で
名古屋に住んでいたが、そのうまさに全く驚いた。

とにかく、濃い、のである。

カレーうどん、そばのつゆのうまさは、濃さ、に、尽きる。

東京だと、巣鴨の[古奈屋]あたりが嚆矢であったろうか。
やっとここ10年、15年、東京の街のカレーうどんそばも、
追い付いてきた。

どこかで名古屋カレーうどんのレシピを見つけて
再現を試みてきた。
ポイントは、脂。
ラード、を入れる。できれば、ヘットも。
もちろん、ラードは豚の脂で、ヘットは牛の脂、牛脂。
ラード、ヘッドを入れるだけで、うまいカレーうどん
そばのつゆがができるのである。

拙亭には両方、常備している。

ヘッドではなく、ヘットと書くのが正しいよう。
正確には、fettで、これ、ドイツ語。

ヘット、牛脂は、ネットで買えないこともないが、
基本業務用のようで、小売りはされていない。
入手する方法は、牛肉を買うともらえる白い脂身、
で、ある。必ずもらって使わない時には冷凍して
ストックしている。4~5個あるが、これで十分。
牛脂は、特に黒毛和牛のものに価値がある。
黒毛和牛のうまみ、香りは、主にこの脂身に由来する
ようなのである。輸入牛に黒毛和牛の脂身を入れる
だけでそれらしくなる、と。

ともあれ。

[一新亭]から御徒町の吉池にまわる。

大進食品の生うどん、それから、豚肉。
今までしょうゆ味のつゆであったが、細切れを
使っていた。
だが、よくよく考えたら、バラの方がよかった。
脂が出る。
今回のカレーではなおさら、で、ある。
生うどんと、バラを買って、帰宅。

夜、作り始める。

まずは、冷凍庫から牛脂を一つ出し、解凍しておく。

溶けた牛脂をフライパンへ。

温度が上がったら弱火にし、じっくり、脂を出す。

脂が出てきたら、小麦粉、きっちり量って60g。

60gというのは、つけるつゆではなく、かけのつゆ
二杯分程度の分量だが、一先ずこれでやってみる。

60g、フライパンに投入。

牛脂だけでは脂が少ないので、ラードも追加。

弱火でじっくり炒める。

ダマがなくなりサラサラになってきたら、玉ねぎ。
ちょっと大き目のスライス。

しんなりしてきたら、切った豚バラも投入。

カレー粉も投入。

さて。
ここから、お湯でゆるめながら、桃屋のつゆ。

味と、とろみ加減をみながら、調整。

やはり、桃屋のつゆだけでは塩味が足らない。
しょうゆを追加。
水も足し、ゆるめる。

思ったよりもしょうゆを入れたか。

ある程度、全体の味を決めて、大鍋に湯をわかす。

湯が沸いたら、生うどんを投入。
再沸騰後、弱火にし、12分タイマー。

薬味用のねぎを切っておく。

タイマーが切れたら、冷水で洗う。

水を切って、ざるへ。

出来上がり。

ビールを開けて、食べる。

ふむふむ。これは、大成功。

やはり武蔵野うどんのざるは、カレーでもうまい。
まさにベストマッチ。
そして、肉はやはりバラでよかった。
これ、我ながらかなり完成されているのでは
なかろうか。

 

 

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