浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



アジ、イワシフライ

4789号

6月8日(日)夜

さて、まだ、鳥越祭の日。
浅草の[尾張屋]で上天丼を食べたついでに、
西友に寄って、鰺と鰯が安かったので買ってきた。

鯵。

お値下げ品。
頭を落として、腹を出したもの。3尾。
285円。長崎産。

鰯。

開いたもの、4枚。
236円。鳥取産。なかなかよい色。

鯵と鰯、どちらかでもよかったのだが、安かったので
つい両方買ってしまった。

西友は毎度書いているが、魚の品揃えがちゃんとしており、
かつ、安い。

さて、これをなにするか。

そう、もちろん、表題の、フライ。

アジフライ、イワシフライ。

この季節、夏に向かって、うまかろう。
カット野菜のキャベツの千切りも買ってきた。

まず、鰺から。
開かねばならない。

どうも私は、もちろんなん度もやっているが、
開くのは、苦手である。

開くというのは、例えば、干物であれば、
ただ開けばよいのだが、フライや天ぷらだと、
中骨も外さなくてはいけない。
つまり、開いてかつ、中骨を外す。

この頭を落とした状態だと、頭側を右に置き、
最初に頭側、かつ、中骨の上に出刃包丁の刃を入れる。
この時に、腹骨があるので腹骨と中骨の間に
入れるわけである。
文字でこれが伝わる、のであろうか。

上側の身の腹骨を切りながら中骨の上の身を外していく。
この時、中骨にはできるだけ身は残したくない。

とまあ、いろんなことを考えながら、なのである。

ともあれ、鰺三尾を、三枚にできた。

鰯も鯵も水洗いをして、一応、塩をし、少し置いて、
また水洗い。
においをかぐ限り、そう問題はなさそうだが、
青魚は一応塩洗いをしておきたい。
最近、塩洗いはほぼ必ずするようになった。
火を通すフライでも意外に、においがあると気になる
ものである。

ペーパータオルですべて水分を取る。
時間があるので、冷蔵庫へ入れておく。

最初に粉をふるが、これも乾燥していては
だめであろうが、べちょべちょもムラになりやすく、
粉がきれいに付かない。あらかた拭き取っておくのは
必要である。

冷蔵庫から出して、粉をふる。
五枚全部。

粉は天ぷら粉。やはりカラッと揚がるだろう。
きれいに粉が付いたのではなかろうか。
やはり、この段階でむらなくしっかり付いている
ことが最後まできれいな衣になるかどうか
かかっているようである。

衣の準備。
溶き玉子に水、氷。プラスチック容器に用意し、
よく混ぜ合わせる。
ここにやはり、天ぷら粉。
ちょっともったりするくらいの堅さに。

このあたりで、揚げ鍋に油を用意し、180℃で
予熱をしておく。

もう一つ、広いプラスチック容器にパン粉を
広げて置く。

開きは、尻尾を持って作業ができるので
手が汚れなくてよい。
とんかつなどは、串で刺して衣付けをしなくては
ならない。

衣付け完了。

油温をもう一度、180℃へ上げる。

二枚ずつ。

最初は15秒~30秒、触らない。

ひっくり返しながら、高温のまま、狐色まで。

揚がったら、油が切れるように一度立てておく。

都合7枚、全部揚げる。

イワシフライ、アジフライには、中濃ソース、
ケチャップ、マヨネーズを1/3ずつ合わせた
ものと決めている。

最初は、この三つの小袋を同時に出す、アジフライ、
イワシフライを出す店があり、どうせならと、
三つを全部混ぜてみたのだが、これがうまかった。
どれが欠けてもいけない。以来ずっとこれ。

キャベツとともに盛り付け。

ビールを開けて、食べる。

なかなか、うまく揚がった。
鰯、鯵自体の味もよろしい。

衣も気を付けた甲斐があったか、私史上、かなりの
レベルになったと思われる。まあ、地味だが。

先日行ったイタリアシシリアあたりに近いものは
あるが、まあ、ほぼこれ日本の料理であろう。
またアジフライは、最近、若い人にも好まれているよう。
こういうどちらかといえば、ベーシックな料理が、
ちゃんと引き継がれているのは喜ばしいことであろう。

 

 

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