4776号
5月14日(水)第一食
浅草田原町・寿二丁目[麺みつヰ]
さて、ここ。[麺みつヰ]。
ラーメンももちろん極上なのだが、忘れてならない
のは、ソースかつ丼。
おそらく、福井系?。もう随分食べているが好物といってよい。
寿二丁目、田原町交差点のそば。ご近所といってよい。
行こうと思って、店の前まで、くるのだが、
昼は2時半の閉店間際まで、外に列。
いつも諦めることになっていた。
これはもう、待たずに入れることはない、と、また、諦めた。
2時頃を目掛けて、到着。自転車で5分ほど。
整理券を取る。やはり、二組ほどの待ち。
今日もかなり暑い。特にもう日差しが強い。
店の反対側の所定の位置に並ぶ。
いつも通り、つばの広いアウトドア用の帽子を
被ってきた。
順番がきたのにいなかった一組がきたりし、
15分以上は待ったか。
入って、奥のカウンターに掛ける。
生姜そばと、ソースかつ丼!。
が、已んぬる哉、あろうことか、切れていた。
目の前で、ご主人が揚げているのが見えるので
直前で切れたよう。
こういうこともあるのか。
まあ昼営業の終わり頃なので、大方は間に合うので
あろうが。
ともあれ、ここへきた大きな目的の一つがなくなって
しまった。
仕方ない、代わりに、そぼろ付きのご飯に。
きた。
チャーシューが2種。
丸い低温調理(?)のものと、四角い炙ったもの。
バラ、で、あろうか。この炙りは、ご主人を見ていると、
よくあるバーナーではなく、網で焼いているよう。
ちょっと余談半分だが、どうも私、バーナー調理を
信用していない。
もともと日本料理では鰹の叩きだったり、特に生魚で
炙って表面だけ火を入れるという手法がある。
そして多くはすぐに冷水で冷やす。
熱湯で表面だけ火を入れるいわゆる霜降りに対して、
焼く場合は、焼霜(やきじも)、という。
焼霜の場合、焼いて焦げ目を入れるだけが本来の
目的ではなく、表面に火を入れることも目的の一つ。
肉と魚、洋と和でも違うのかとは思うが。
チャーシューを炙る意図は、焦げ目だけではなく、
温めて肉の脂を溶かすことにもあると思われる。
バーナーだと焦げ目だけ。
もちろん、焦げ目はメーラード反応に繋がりうまみが
増すという効果は想定できる。いわゆる香ばしいという
表現がこれに当たると思われる。
鮨やでもことによるとバーナーを使うとろがあるが、
冷水で洗ったりもしない。冷水で洗うのは、冷やす
だけではなく、炙ることによって付いた煤(すす)
などを取るためもあると聞く。メーラード反応の
香ばしさではなく、煤の苦さが残ると思われる。
バーナーは、火で炙る手間を省く以上に、いろいろな
ことを端折っていると思われるのである。
フレンチのシェフなどから始まった手法であると
思うのだが、和食、特に生魚に対して使う場合、
よくよく吟味が必要だと思うのである。
そこまで考えている料理人がどれだけいるのか。
閑話休題。
下に隠れているが、一口だが厚く切った蓮根。
この蓮根は、加賀蓮根。
金沢の伝統野菜。でんぷん質が多くもっちりした食感。
それから、メンマ。
麺アップ。
自家製麺。平打ちで、かつ縮れ。
先日の[大喜]よりも縮れ度合いは強いか。
もちろん、これは抜群のスープとのからみに
効果を発揮する。
生姜のスープ。
これ、最初は正直、慣れないせいか、あまりピンと
こなかったのだが、なん回か食べているうちに、
大きく変わってきた。
複雑だが、バランスの取れた、完成度の高さ味、
と感じるようになった。
そして、ご飯。
なに塗りかはわからぬが、つや消しの塗りの飯椀。
ソースかつ丼は厚手の陶器であった。
使い分けているのか。
そして、そぼろ。
これは鶏。
甘辛ではあるが、なにかほのかに酸味があるよう
な気がする。梅、で、あろうか。
細やかな設計といってよいのだろう。
大人の鶏そぼろ、か。
全部飯にかけて、掻っ込む。
生姜そばのスープも飲みながら。
掻っ込む。
うまい、うまい。
結局、スープも全部飲み干してしまった。
生姜そば、食べて行くうちに、どんどん奥深さが
わかってくるよう。
やはり[麺 みつヰ]、只者ではない。
うまかった、大満足。
ご馳走様でした。
台東区寿2-9-15
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