浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



断腸亭イタリアへ行く その13 パレルモ2

さて、パレルモ1日目。

なぜこんなところにきたのか。
もちろん、パレルモシチリアでも歴史のある街で見るべきものは
多くあるのだが。

最初に書いたが、フランシス・フォード・コッポラ監督の
ゴッドファーザー」シリーズの完結作「ゴッドファーザー PART?
III」の最後の最後のとっても印象的なシーンに使われていたから。

シチリアからアメリカに渡ったイタリア人移民がマフィアになり
その二代を描いた長大ストーリー。主演は1作がマーロン・
ブランドで、2、3作がアルパチーノ。
観ていない方もいると思うので、古い作品だが一応ストーリーの
ネタバレはやめておこう。とにかく、最後のシーンの老齢になった
アルパチーノ渾身の演技が素晴らしい。泣ける。
ゴッドファーザー三部作はなぜか世界でも日本人に人気と聞く。
私はもう数え切れないくらい、なん度も観ている。
観ていない方はこの機会に是非。

その最後の舞台はこの泊まっている部屋からもすぐ近くのマッシモ
劇場(Teatro Massimo)

というオペラの劇場の正面の石段。

北へ2ブロックほどで、すぐ。朝飯を食ってのんびり出る。
よい天気で気温も上がりそう。

で、これ。

このアングル、なかなかよいではないか。ヤシの木なんぞも
植わっている。1897年に完成したといい、当時ヨーロッパで
三番目、イタリアで最大のオペラ劇場という。今も現役の
オペラ劇場。中も映画に出てくるが、やはり素晴らしい。
(今回は入らなかったが。)

正面。

あれ?。なんか、違う。意外に実際に見ると、、、というのは
世界に多いが、、、うーん。
いや、建物、建築としてはもちろん素晴らしいとは思うのだが、
映画の印象よりも、なんか小っちゃい。

あー、昼間だから?。映画のシーンは夜。だからか?。
映画の撮り方がうまい?。まあ、それはあろうが。
ともかくも、夜にも来てみなければ。電飾が付いている
ようなので、ライトアップしているか。(わるい予感。)

で、これから、どこへ行くか。
mercato、メルカト、フィレンツェで憶えた、マーケット。
大家さんが行ってみたら、といっていたところ。
これ、google mapには載っていない。実際の地名ではなく、
通称のよう。なんとなく内儀さんが場所を覚えていた。
マッシモ劇場の南の通りを真っすぐに西へ。

地図を出しておこう。

あーなるほど。mercatoというのはこの通りか。
南北の通り。実際の名前は、via porta carini、カリーニ門通り、か。

南北と書いたが、パレルモも古い街だからか、ここは南北だが
道は碁盤の目ではなく、ぐちゃぐちゃ、曲がって、細くなったり
太くなったり。

カリーニ門通りは、細い通りだが、八百ややら、

魚や。魚、野菜を、揚げたり煮たりした料理したものを並べ、
テーブルに椅子も出して、食べられるようになっている。
今は、昼すぎ14時前、客も多く入り、にぎわっている。

少し北へ行ったところに、これ。

これが、通りの名前になっている、Porta Carini、カリーニ門。
cariniはイタリア語で、かわいい、らしい。
かわいい門。なんか愉快なネーミング。

ただ、これも古い。明確な年は不明のようだが、1310年の
史料には出てくるよう。(wikiイタリア)
シチリアは書いたように古代ギリシャ・ローマ時代から歴史に
登場するが、様々な民族、他国の支配を受けてきた。
この14世紀頃は、スペイン系のアラゴン王国支配下
あったよう。
ここに門があるということは、ここがこの時の市街の端と
いうことでよいのか。

ともあれ、後でまた、パレルモシチリアの歴史は通史
としてもう一度触れることになろう。

さて。このメルカトのカリーニ門通り、基本、大部分は
魚介系の食い物を並べている。やはり、海辺の街だから
であろう。

なんとなく、目に付いた屋台に入ってみる。

教会の前。関係なく露店を出すよう。余談だが、フィレンツェ
たくさんあったが、いたるところに町の教会がある。
特に古い市街だと百メートルおきにあるかもしれぬ。いちいち
入らなかったが、これも後で出すが名もない教会でも、中は
文化財といってよいほどの美しい彫刻、聖画などの装飾
なのである。やはりおそるべしイタリア。

屋台のお兄ちゃんにいくつか、指差して、もらう。
やっぱり、呼び込みの兄ちゃんは、ここでもお調子者。

ビール。

メッシーナ、Messina。これはシチリアの老舗ビール。
メッシーナシチリア島の右のとんがりあたりの街の名前。

たこと、じゃがいも。

いろんなところにあったので、こちらで定番の組み合わせのよう。
なぜ、この組み合わせなのかは不明だが。
オリーブオイルと塩か。まあ、ゆでだこ入りポテサラ。
緑はイタリアンパセリ。味は、そのまんまの味。

後で調べたイタリア語料理名insalata di polpo e patate
insalataがサラダ、polpoがたこ、eはand、patate(パタテ、
ポテトだ!)がじゃがいも。やはり、この組み合わせが
決まりもの。

次は、これ。

これは、いわしなのだが、粒々はパン粉のよう。いわしに
パン粉をまぶし、巻き、トマトで煮てあるのか。

後で調べると、Sarde a Beccafico、サルデ・ア・ベッカフィーコ、
日本では、いわしのベッカフィーコと言っているよう。
Sardeがいわし。やっぱり、シチリアの大名物。
ベッカフィーコとは鳥の名前のようだが、由来は諸説あって
定まらぬか。煮るのではなく、正しくはオーブンで焼く。
また、トマトが入らないのが普通のよう。

次。ナスのトマト煮?。

これは普通にカポナータ(capunata)でよさそう。カプナティー
(capunatina)とも。シチリアではとてもよく食べられている。
カポナータは普通さっぱり系だが、これはかなり味が濃かった。


つづく

 

つづく

 

 

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