浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



鶏と大根の鍋

11月11日(月)夜

さて、また、鍋。

さらに続くが、池波レシピ。

昨日、蛤の湯豆腐を食べたが、もう一つ。
よくよく考えて、今、食べたい池波レシピ鍋。

それが、鶏と大根の鍋

これは、エッセイではなく、仕掛人藤枝梅安シリーズ。
「梅安針供養」

実際に先生が食べていたのか、エッセイなどに出てきて
いたのか、は、私は確認できていない。
ただ、先生のこと、必ず食べいるはず。

池波先生は実証主義者だったのではなかろうか。
作品内の時代考証、この時代にこの食べ物があったか
など、きちんと調べられていたと聞く。また、作品の
リアリティーを出すために食べ物を出している、とも
語られている。もちろん、食いしん坊でもある。

これも、簡単。
鶏の出汁で大根を煮て、しょうゆだけ掛けて
食べる、というもの。
原作は「ぶつ切りにした大根と油揚げの細切り。それに
鶏の皮と脂身を薄めの出汁をたっぷり張った鍋で煮ながら
食べる。」とある。

ここから、私は鶏手羽先を水から柔らかく煮て、これで
大根を煮る、と改作している。

手羽先からは脂も出汁も出るので手間が掛からぬ。

スーパーで買出し。

手羽先を1パックと大根。

まったく、大根も高い。
1/3の葉っぱ寄りの部分。これで100円弱。
まあ、この量で十分ではあるが。

それから、今日は、ちょいと思い付き、鶏胸肉の
挽肉も。団子にして入れてみようか。
そして、油揚げ。これも欠かせない。

以上。
やっぱりシンプル。

まずは、鶏手羽

洗って、圧力鍋へ。水は出汁にするので、
ヒタヒタの2倍~3倍。

原作は薄味の出汁と書かれている。
東京人の池波先生なので、ここの出汁はおそらく
しょうゆを少し、薄味を付けた、程度のイメージだと
思われる。別段、昆布やら、鰹から取った出汁では
ないと考えるのが正しいかろう。

味は後で自由に付けられるので、私は水にしている。

圧力鍋のふたをして点火。

圧が上がって、5分。
止めて、あとは放置調理。

私が圧力鍋を使う場合は、ほぼこれ一本。

手羽はこれでホロホロまでいかぬが、するっと
骨離れがよくなる。そして、もちろん出汁も出る。

ここで大根を一緒に入れて煮てしまっても
よさそうだが、やはり、大根の方が先に柔らかくなると
思われるし、大根はこの鍋の場合、おでん程度だと、
柔らかすぎると思われる。まあ、これは好みの問題だが。
ともあれ、厚めに切って1/4の銀杏切りにしておく。

圧力鍋、放置後、30分。

開けて、大根も投入。

ご存知のように、厚めに切った大根は煮えるのに
時間が掛かるので、気長に。

鶏胸の挽肉は丸める。
特に味は付けないでみる。

団子も入れ、短冊に切った油揚げも投入。

弱火で2~30分、、であったか。

大根に串を刺して、煮え具合を確認。

煮えたら、OK。

やっぱり火鉢に火を入れる。

火鉢に移動。

今日は、ビール。

鍋が熱いし、火鉢も熱い。
昨日なども、食べているうちに、暑くなったのである。

原作通り、掛けるのは、しょうゆだけ。

基本、この鍋は大根を味わうという料理、なのである。

実はこれ、今回もやってみたが、大根を味わう
という意味では、もっとシンプルに塩のみでもよい、
のである。これも、うまい。

手羽先は、出汁だがもちろん食べる。
これも、柔らかく煮えており、うまい。

そして、鶏団子。
これは、まあ、これでよいのだが、胸ではなく、
ももの方が、よかった。
皮、あるいは皮からの脂などが入っていたり、
多少の食感の変化があったほうが、うまかろう。
だが、普通、鶏挽肉はあえて胸、もも、と
分けていない方が多いと思うが。

こうなってくると、白滝だったり、ねぎだったり、
他の具材も入れたくなってくるのだが、それはやはり、
断じてしてはいけないかろう。それはもう、大根の
入った、鶏の水炊きである。

考えるとすると、大根の方かもしれぬ。
ちょっとよいもの?。もちろん1/3切りのもの
などではなく。

ともあれ、素朴。よい鍋、で、ある。

 

 

 

※お願い
メッセージ、コメントはFacebook へ節度を持ってお願いいたします。
匿名でのメール、ダイレクトメッセージはお断りいたします。
また、プロフィール非公開の場合、バックグラウンドなど簡単な自己紹介を
お願いいたしております。なき場合のコメントはできません。