浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



日本橋高島屋特別食堂・うなぎ・五代目野田岩

8月11日(日)夜

さて。
日曜日。

いつものことだが、日曜にうなぎが食べたいと、
ちょいと困る。お休みのところが多いので。

そんな時によいのが、日本橋高島屋特別食堂

もちろん、麻布[野田岩]。

本店は麻布の麻布一丁目、まあ、飯倉。
東京タワーの西、桜田通り沿い。

創業は江戸時代、寛政年間(1789年~1801年)という。
将軍は家斉、松平定信寛政の改革の頃。
寛政10年(1798年)が江戸時代のちょうど真ん中。
にぎり鮨の文政期よりも50年程度早い。

東京で寛政年間創業といっているうなぎやは数軒あり
おそらくこの頃が最古。
今に続く、開いて、蒸してしょうゆで甘辛に焼く
うなぎ蒲焼が産まれたのがこの頃といわれる。
これも文献があるようなので正しいのであろう。
ウィキ

日本橋高島屋の特別食堂というのはいつからあるのかは
調べたことがないが、いわゆる昔からある、百貨店の
上層階にあるいろんな料理が食べられる食堂。
“特別”と付いているので、上級の食堂(?)。

私が知ったのは、池波先生。
エッセイによく登場していた。
銀座、日本橋で買い物をされる際に、よく寄られていた。

洋食は帝国ホテルなど有名どころが入り、
うなぎは[野田岩]が以前から入っていた。

少し前まで、運営というのかサービスは高島屋自身
がやっていたが、最近、これも帝国ホテルになり、
隙のないものになっている。

ここは、食堂なのでもちろん通し。
ただ予約はできない。
行って、待つ。

順番がくるとTELで呼び出してくれるので、
待っている間に、高島屋店内をまわっていても
よいので間は持つ。

17時頃、到着。
本館の8F。エレベーターであがって、右方向。
受け付け。20~30分程度と言われる。
ここに静かなロビーもあるので、特にあてもないし、
歩くのも面倒なので待つことにする。

実際に待ったのは、15分程度であったか。意外に早い。

帝国ホテルのサービスなので、にこやかだが
隙がない。

テーブルに案内される。
掛けて、ビール。
ビールは3社用意があるが、キリンは一番搾りなので、
サッポロ黒ラベルを。

注文は、ノーマルに、二人で白焼き一人前と、
お重は一番下の梅。

白焼きからくる。

わさびと塩、しょうゆ。
器は赤く塗られているが金属製。
下にお湯が入っており、温まっている。

野田岩は本店もこの器。
白焼きは、冷めるのが命取りということであろう。

アップ。

塩ではなく、やっぱり私はわさびじょうゆがよい。

さっぱり、ふっくら。よい脂。

お重もきた。

お新香は、大根、にんじん、きゅうり、葉っぱは
細かく切ったキャベツ。
どれもシャッキリ、よい加減。

丸いのは大根おろし

お重のふたなのだが、この絵は帆掛け舟だが、
どこのものであろうか。隅田川の白魚漁?。
なにか網を曳いているようだが。

お重とお椀を開ける。

お椀はもちろん、肝吸い。

お重に、山椒。

この山椒はちょっと緑で、フレッシュ。
よい香り。

野田岩の蒲焼の味の特徴は、やはり、ちょっと軽めと
いったらよいか。

ご近所の小島町[やしま]だったり、浅草あたりの
蒲焼は、いつも江戸前の辛口、などと書くのだが、
やはり近いのではなかろうか。
甘味はおさえ気味で、きりっとしょうゆが立つ。

そのバランスから気持ちしょうゆをおさえた感じ、か。

そして、昔から言われるのは野田岩の焼きの技。

私には店による違いまではわからないが、これを
極上というのか。

今年なん回か食べた、岐阜の[美濃金]名古屋以西の
蒸さないパリッと焼き上がったものとはもちろん違う
東日本の焼き上がり。

その上で、全体に均等にムラなくよい色に
焼き上がっているのが特徴といってよいように思う。

そして、これはたれの違いもあるのだろうが、
いわゆるテカリは少ない。

まあ、どっちにしても、うまい、うな重

夢中で掻っ込む。

食べ終わり、上品なサービスで、お茶。

ご馳走様でした。

会計は二人で18,271円也。

おいしかったです。

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日本橋高島屋特別食堂

野田岩

 

 

 

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