浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



あんこう鍋

4205号

11月7日(月)夜

さて、小伝馬町からの帰り。
いつもの吉池に寄ってみることにした。

なにかあてがあったわけではない。

と、見つけたのが、あんこう

1パック、911円が半額になっている。
北海道産。

これは安かろう。

先日、神田須田町の[いせ源]へ行ったが

家であんこう鍋をしたことはおそらくない。
ちょっとやってみようか。

野菜がいる。地下にまわる。
なんであろう。[いせ源]のコピーを考えて、
うど?。
うどは春夏で、今はないか。
春菊、三つ葉、椎茸も。それから、白滝。
細いものがよいが、そうそうないので、ノーマルなもの。
それから、豆腐。焼き豆腐でもよいが、木綿にしてみよう。

帰宅。
これ。

ちょっとだが、肝も入っている。

肝は料理しておかねばならない。
いわゆるあん肝。
以前はよくやっていた

がこのところはご無沙汰。
今、中国産がよく売られていて安いのだが、
鮮度のせいか、えぐみのようなものが出て、
とても食べられない。なんの問題もないものも
あるのだが、料理してみないとわからない
のである。
国産ならおおむね大丈夫なのだが、格段に高い。

肝はまず、酒で洗う。

次に、しょうゆをまぶす。

これをアルミホイルで巻く。
味付けというほどのものではないが、こういうもの
なのである。

そして、蒸す。

小さいので蒸し器ではなく、小鍋。
小鉢を伏せて水に沈め、煮立てる。
ホイルで巻いた肝を小鉢の底にのせ、ふたをする。
蒸気が強く出る状態をキープし、
蒸し時間は20~30分。

蒸し上がった。

あん肝の出来上がり。
見た目、よさそうである。

あんこうの身。

骨付きの身もあるが、皮もある。
あんこうは、捨てるところがなさそうである。

湯通しをする、のであろう。

ざるにのせ、

薬缶に熱湯をわかし、ふりかける。

上下をひっくり返し、もう一度熱湯をかける。
冷水できれいに洗う。

豆腐はレンジをかけようか。
温めて、水を抜く意図である。

が、失敗。
自動で加熱をしたのだが、途中で止めるつもりが
自動の最後まで、行ってしまった。
多少、スが入ってしまったよう。

ともあれ、皿へ。

春菊、三つ葉、あん肝、身、椎茸は包丁目を入れた。
白滝と豆腐。

土鍋につゆ。
つゆは、しょうゆ、酒、砂糖、桃屋のつゆ少々、水。
甘辛だが、鍋のつゆなので、気持ち薄め。
煮立てておく。

カセットコンロをお膳に用意し、ビールも
スタンバイ。

つゆを張った鍋に身すべて、白滝、豆腐、椎茸。

葉物は後。
身や白滝に味が染みてきたら、葉物、あん肝も。

よいかな。
ビールを開けて、食べる。

小皿に取る。

豆腐はまあ、煮てしまえば味は問題ない。
あん肝も上々。うまく火が通った。

あんこうというのは、不思議な魚かもしれぬ。
身の部分、他に似たような味の魚があったろうか。
白身であるが、口に入れるとちょっとサクッと
した噛み応え。
香りもほのかだが、独特のものがある。

皮、骨のまわり、鰭。
ぷにゅぷにゅのコラーゲン質。
うまいもんである。

これがこの値段。
めっけもの、であった。

 

 

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