浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



赤酢の酢飯で小肌のにぎり、おぼろ入り その1

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3974号

11月20日(土)~

今日も日が出て、よい天気。
気温もちょうどよい。

例によって、吉池。
15時頃。
今日は、久しぶりに、赤酢の酢飯でにぎりの鮨
にしようと考えた。

土曜なので、随分の人。

お!。
珍しい。

開いた小肌があった。
いつもあるのだが、大方は昼までに売り切れているようで
午後、のこのこ行ってもお目にかかれない。
土曜なので、少し多めに仕込んだのか。

一枚80円。

四枚購入。

帰宅。

これ。
いつも、熊本産なのだが、静岡産は珍しい。
私は初めて見たかもしれぬ。
静岡のどこであろうか。
調べると、どこということはなく、駿河湾御前崎
沿岸どこでも小肌は獲れるよう。
あまり組織的に漁獲、出荷されていないのかもしれぬ。

小肌酢〆は、二日仕事。
食べるのは、明日ということになる。

まずは、洗う。

新聞を敷いて両面とも塩。

身側にはたっぷり。
身側を上にして並べる。
これはセオリーであった。

これで、二時間。

だいぶ水が出た。

これを水洗いではなく、酢洗い。

この酢は赤酢ではなく、透明な普通の穀物酢。
酢〆はこれにしている。
ほんとは赤酢でもよいのだろうが、ちょっと
もったいないので、赤酢は酢飯だけ。
赤酢で〆ると、どんなことになるのか。
今度やってみようかしら。

水と半割の穀物酢に漬ける。

半割にするのは塩抜きも兼ねている。
酢〆というのは実際のところ、その科学的
カニズムは私はちゃんと理解していない。

塩をして、水分を抜く。これを酢に漬けて、
酢漬けにする。これが酢〆なわけだが、きつく
塩をすればするほど、酢に漬けても、塩分は残る。
それで塩抜きをする、というのだが、また真水に漬ける?。
とすると、もとに戻ってしまうように思うのだが、、。
その後、干す?。そして酢に漬ける?。

すると、とある有名板前氏のレシピにこの半割に
漬けるというものがあった。
これで、塩も抜きながら、酢を入れる。
どうも、そういうことなのである。
浸透圧なのであろうが、よい感じに酢〆ができる。

そもそも、酢〆、ってなんであろうか。
酢漬けとは、違う、のはなんとなくわかる。
欧州などににしんの酢漬けがある。
魚を酢に漬けると、酢漬けになるのだろうが、
1日程度では漬からなかろう。
また水分も多そう。
欧州の酢漬けと日本の酢〆は違うものだろう。

それで、なのか、先に塩をして、酢に漬ける?。
たぶん、そういうことなのだが、、、、。

誰か、このメカニズム、科学的に説明して
くれないだろうか。

ともあれ。ここも同じ二時間。

こんな感じになる。

あげて、ペーパータオルでふく拭き取る。

このまま、干す。

先日[弁天山美家古寿司]でも言っていたが、鯖でも
小肌でも、江戸前仕事は、漬けた後、一晩干す。
漬けてすぐは、まだ、うまくない。
適度に水分が抜けるのと、熟(な)れる、ということが
ありそうである。
ただ、水分が抜けすぎてもいけないので、
注意が必要。

夜中、ある程度乾いたので、ラップをして、冷蔵庫へ。

さて、寝ながら考えた。
いつも通り、ただの小肌のにぎり鮨では、おもしろくない。

それで、表題の、おぼろを思い付いた。
やっぱり先日の[美家古寿司]で食べた。

江戸前仕事では、おぼろというものを使う。
まあ、でんぶ、のようなもの。
若い人は知らないかもしれぬ。でんぶは子供の頃に
かなり一般的であったと思う。
鮨やのおぼろは巻物に入れたりもするが、小肌や
海老のにぎりにはさんだりもする。
女性向なのかもしれない。

ものとして、なにかというと、白身魚や、芝海老の
身をほぐし、甘くしたもの。
白身や海老のほぐし身は、江戸前仕事の玉子焼き
などにも入れる。

おぼろ、やってみようか。
翌日、またまた、吉池にきた。

 

つづく

 

 

 

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