浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



中国手打拉麺馬賊浅草本店/上野とんかつとん八亭

9月になって涼しくなったが、まだ8月。
今日は二つ。

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3924号

8月23日(月)第一食

中国手打拉麺馬賊草本

先日、冷やし中華を食べた[馬賊]浅草本店。

あの時、気が付いたのだが[馬賊]にはつけ麺もあった。
つけ麺というのは、近年広まったものであろう。
こういう古い店にあるのはちょっとびっくり。
だが、麺のうまいこの店のこと、次はこれ、と
考えていた。

この店の場所。ちょっと詳しくみてみよう。
雷門二丁目。
雷門の門前で雷門から向かって右側。南西の方向。
雷門通りの南、浅草通りの北で、並木通りの西。

ここ、旧町はなんであったか気になった。
雷門という町名は、実はそう古くはない。
まあ、といっても関東大震災後の区画整理時期の
昭和初期。

それ以前、北側は江戸、明治期は東仲町、西仲町
南側は三間町
馬賊]の角は三間町の北の端にあたるよう。
落語マニアの方であれば、思い出されるかもしれぬ。
そう。大河ドラマ「韋駄天」で重要なテーマになっていた
志ん生版の「富久」で久蔵の住む長屋があった町。
久蔵はここから今の新橋、芝久保町まで往復、走る。

下の地図のように三間町というのは実際は広い。
(江戸の地図)

現代も。

閑話休題

馬賊の、つけ麺。

つけ麺も実はいくつかあるのだが、一番安い、
ノーマルなつけ麺700円也。

驚くのは、まず麺が湯に浸っていること。
うどんの釜あげのよう。そこからの発想か。

つゆ。
これが、うまい。
大きな、バエルような具は入っていない。
細かく切ったチャーシュー、ねぎ、など。
脂・油もあり、しょうゆ味だがちょっと酸味も。

麺はもちろん他にない、しこしこ、ぷりぷり。

うまかった。ご馳走様です。


台東区雷門2-7-6
03-3841-6002


8月27日(金)第一食

上野・とんかつ・とん八亭

このところ、とんかつが食べたくて、仕方がなかった。

夜、外食ができないとなると、ちょっと足が遠のく
のである。

とんかつやでは、やっぱりビールを呑みながら
食べたい。
前にも書いたが、ノンアルのビールを呑むのは
返って浅ましく感じるのである。粋ではなかろう。

と、すると。
昼、行けるところ。

書いている通り、私の住む元浅草の周りには、
三軒のミュシュラン掲載のとんかつやが、ある。

浅草寿町[すぎ田]。上野[ぽん多本家]、ここは
正確にはとんかつやではなく、洋食やが看板だが。
そして、もう一軒[とん八亭]。
ここなら大手を振って、というのも、ヘンだが
呑まなくとも。
そう[とん八亭]はコロナ以前から昼営業のみ。

13時半頃、到着。

今日も、暑い。
来週、9月になれば涼しくなるという予報もあるが
待ち遠しい。

雪駄に短パン、自転車で風を切っても止まると
マスクで汗だく。
店内の冷房がうれしい。
出された水を一気に飲んでしまう。

注文は迷わず、ロース定食、1900円也。
少し前からここは、ロース、ヒレ、一口かつの
三種類のみになっている。

ややあって、きた。

味噌汁、お新香。

切り口。

きれいなピンク色。

まず、塩で。

この厚み。
しっとり、うまみのある肉。
そして、ここは、脂身も先の二軒に比べると少し多め。
これは、私でも体調によって、少し多いか、
と思われることもあるが、それも含めてこのくらいは
あってもよいか。

とんかつのロースは厚い方がうまい。
ただ厚ければ中まで火を通すのが困難になる。
これをクリアしているのが、それぞれの職人の
腕というもの。
店、職人によって火を通すための技があるわけだが、
実際には、そうそう簡単なことではない。
それも、すべてのお客に同じ品質のものを
出し続けなければならない。

今まで行って、ここに書いてきた店でも、
時に火が通っていなかったり
油切れがわるかったり、ブレのようなものは
まま、ある。
あまりひどいと、もうそこへは行かないという
ことにはなるのだが。
ともあれ、時に忘れてしまうが、
実に端倪すべからざる技なのである。

ご馳走様でした。
おいしかったです。


03-3831-4209
台東区上野4-3-4

 

 

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