浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



浅草・うなぎ・小柳

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2月14日(日)第一食

さて、日曜日。
久しぶりに、昨日から、浅草並木の[藪蕎麦]で、
天ぬきで一杯、と思っていた。

13時すぎ、自転車で着くと、店前に列。

あー、、、。
流石に日曜日は、こういう状態であったか。
浅はかであった。

ウイークデーにこなければ。

今日は、天気もよく、ちょいと、いや、かなり
温かい。してきたマフラーも仕舞うほど。

ともあれ、どうするか。

[藪蕎麦]でなければ、そばやでもない。

そうだ、うなぎ!。

久しぶりに[小柳]。

浅草はうなぎやが多いが、ここは気軽に入れる。

[小柳]は大正15年(1926年)。
老舗ではあるが、江戸創業も数軒ある
浅草のうなぎやの中では、まあ、中堅といったところか。
先代になるのか女将さんが名物でNHKの朝ドラ
「こころ」のモデルにもなっている店。

場所が意外にわかりずらいかもしれぬ。
仲見世の一本西、オレンジ通りの一本東。
つまりその間。
雷門通りの老舗レコード店「ヨーロー堂」
(今時レコードは売っていないと思うが演歌、
落語などを看板にしたところ)の角を入り、
左に佃煮の[海老屋]、右に[餃子の王様]、
そのすぐ先の左角。
店脇に自転車をとめて入る。

ちょっとずれた時刻だが、ほぼ満席。
にぎわっている。
あいていた、カウンターに掛ける。

呑むつもりできた。
お酒お燗と、肝焼き、、は今やっていないので肝煮。

ここで、毎度の、熱燗問題。
ぐずぐずいわずに、ただ「お燗」と言ってみた。

肝煮とともにきた。

熱い!。
徳利が熱くて、つまめないほど。
やはり。
ここも、なにもいわなければ、熱くされてしまうのか。

やっぱり、声を大にして言いたい。
#熱燗はやめてくれ!

なん度も書いているが、やっぱり書こう。
熱燗が燗酒のデフォルトである風潮に断固、異を唱える。
熱燗は決して、日本酒の最良の呑み方ではない。
どうしても熱燗が呑みたいという人は止めないが、
お燗といえば、真ん中の、上燗、適燗、適温、45~50℃が
ノーマルではないか。ただお燗といえば、上燗を
持ってきてほしいのである。以前はそうだったはず。

これ結局、お客の問題であろう。
皆様、なにも考えずに、熱燗!と言っていないであろうか。
本当に、熱々の酒が呑みたいのか?。
上燗、適温を試していただきたい。
十分だと思うのだが。

替えてくれ、と、言いそうになったが、
さすがに堪える。

肝煮は冷たく煮凝り状になっている。
ちょっと薄めの味で、うまい。

こうなったら、ちょっと腰を据えて、もう一本呑もう。
そして、焼鳥!。
お酒も、今度は、さっきは熱かった、ちょっとぬるく、
だからといってぬる燗ではなくノーマルで、と伝える。
お重、竹2700円也、も頼んでしまう。

焼鳥。

うなぎやで、たまに頼むのだが、
うなぎやの焼鳥は、ほぼ例外なくうまい。
肉はたっぷり刺され、ふっくら焼き上がっている。

お酒も今度は上々。おそらく上燗。
最初のものは、やはり気を利かせて
熱燗にしているのであろう。

お重もきた。(二合呑んだので、お冷ももらった。)

毎度書いているが、このうな重のふたを開ける瞬間というのは
なににも代えがたい。
中から赤く光ったあの蒲焼が出てくるかと思うと、
まさに、心躍る、ではないか。

開けて、

山椒をふる。

うぉ!。

これ、かなり脂がのっている。
食感もしっかり。
かなり、うまい。

もしかして、これ、天然?。
ここはどうかはわからぬが、夏に比べてうなぎが出ない
冬場は、店によっては、余裕があれば
天然が出てくることがある。

たれの味。
浅草のうなぎやは、江戸前といってよいのか、
比較的甘味を抑えたさっぱりめが多いのだが、
こはちょっと甘味が強めの東京ノーマルと
いってよいか。もちろん、甘すぎないが。

飯は、堅めの炊き上がり。
これもよい。

夢中で掻っ込む。

久しぶりのうなぎ、うまかった、うまかった。

ご馳走様でした。

 

 

台東区浅草1-29-11
03-3843-2861

 

 

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