浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



麻婆豆腐

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11月29日(日)第二食

さて。

麻婆豆腐、で、ある。
好物といってよいだろう。
今日は内儀(かみ)さんが中華が食べたいというので。

材料は豆腐、絹2丁、豚ひき肉を
買ってきてもらう。
その他は、ある。

いつも作っている。

今日は、近所の[福来軒]

のものを頭に置いて作ってみようと考えた。

なかなか、うまい、のである。

麻婆豆腐というものは、難しい。

なにがというと、味付け、で、ある。

以前から書いているが、世の中の麻婆豆腐というものは
実にたくさんの味がある。

本格四川のもの。
これもかなりの幅がある。

そもそも、麻婆豆腐という中華料理は、
戦後、かの陳建民氏が我が国に広めたという。

この時点から、日本人の味覚に合う味にしている。
いや、そもそも、中国、あるいは四川の麻婆豆腐
というものも、様々なものがあるのであろう。
私自身は四川には行ったことがなく、
北京と香港にしか行ったことがないので
四川ローカルな味はわからないのだが。

ともあれ。
私たちが、例えば、私も思い返すと、丸美屋の素、
を使ったもの、子供の頃給食で出てきたもの、
町中華のもの、これもすごく幅がある。
四川料理を看板にした店のものもある程度の
幅がある。

そこで、先に出した[福来軒]のもの。
四川系といってよいのだろう。
皆さまもご経験があろうが、辛い四川のものも
甘味がある程度わかるほどある。
中には甘すぎる、と感じるものもある。

これが[福来軒]のものはよい塩梅、なのである。
辛いが適度の甘味がある、というのはポイントではないか
と。

いつもは私は、砂糖は入れない。
ちょっと入れてみたらどうか、と。

作る。

まず、豆腐をさいの目に切って、鍋へ。

煮立ったらすぐに弱火にし、弱火で加熱しておく。

これは豆腐に熱を入れ水分を抜き崩れにくくする。
ただ、こうしても多少は崩れる。
四川料理店ではあえて崩して出すところもあるくらいで
どれだけ意味があるのか、とも思う。
まあ、なんとなく、惰性でやっている感じであろうか。

にんにく、生姜を用意。
にんにくは一片を包丁の腹で潰す。
生姜は数枚スライス。
仕上げのねぎもみじん切りにしておく。

中華鍋を高温に熱し、油。
豆板醤、にんにく、生姜を入れ、

炒める。

よく馴染ませる。

ひき肉投入。

よく炒めて、脂を出して、甜麺醤
甜麺醤は甘味の要素。私は入れない場合すらあったが、
ちょっといつもより多めに入れてみる。

水、500ccほど。ちょっと多い?。
八丁味噌

ここにその他の調味料。
しょうゆ、紹興酒、日本酒、粉末赤唐辛子、沙茶醤、
味覇(ウェイパー)、そして砂糖小さじ2程度。
ラー油。

煮立てて味見。

気持ち甘くなった程度。
こんなものであろうか。

豆腐を湯からざるにあげる。

鍋へ。

点火。
煮たてながら、豆腐を崩さぬように
お玉の背でまわす。

ねぎのみじん切りを投入。

水溶き片栗粉を作って、お玉でまわしながら入れる。
ここまで、火はつけたまま。

火を止め、花椒を適量あたり鉢で潰す。

皿に盛り付け、上に花椒を散らして
出来上がり。

ビールを開けて、食べる。

そこそこうまいものはできた。

だが、今日の意図、甘さは味見もしているので
それとわかるほどついているのだが、本当の意図は
やはり、コク、なのであろう。
単に甘くすればよい、というものでもなかったか。
甜麺醤の量であろうか。
やはり難しい、麻婆豆腐の味付け、で、ある。