浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



回鍋肉焼きそば

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6月27日(土)第二食

少し前から、やってみようと思っていた。
回鍋肉焼きそば、で、ある。

ご存知であろうか。
A社の発泡酒のCMに出てくるあれ。

嵐の櫻井君が作っている。
夜、遅い時刻に流れていることが多いような
気がするのだが、うまそう、で、ある。

回鍋肉というのは、四川料理といってよいのであろう。
豚肉、中華ではバラを使う。
野菜は、キャベツ。

回鍋肉をちゃんと作ろうとすると、そこそこ面倒くさい。

豚バラはできれば、皮付きの塊。
皮付きの塊などそうそう売っていない。
ここから始めなければいけない。

そして最初に塊のまま柔らかく茹でる。

キャベツの切り方も考えなければいけない。
太い繊維の部分をどうするのか、という問題が出てくる。
そして、火を通すのは、湯通し、あるいは油通し。
どちらがよいのか、で、ある。

ここまでやればもうすぐである。
にんにく、しょうが、豆板醤を炒め、火を通した豚バラ、キャベツ。
甜麺醤などをからめしょうゆ、塩胡椒などで最終調整。
こんな感じで出来上がりになるか。

簡単ではない。
が、やっぱりうまい。

これを、焼きそばにする。
絶対うまい。

なぜ、考え付かなかったのか。
CMを視て、目から鱗のようなものであった。

ソース焼きそばにはキャベツと豚肉。

これを回鍋肉味にするだけで、回鍋肉焼きそばは
出来上がるではないか。

焼きそば麺にも、もちろん、この甘辛は合うであろう、
ということが容易に想像できる。

他にも考えた人はいるのかもしれぬが、
このCMを作った人は、なかなかのものであろう。

キャベツは冷蔵庫に残っていた。

豚肉は、焼きそばなので、
バラではない方がよさそうである。

ロースの切り落とし、というのか、小間切れでよいであろう。
ハナマサで調達。

にんにく、しょうがはある。
豆板醤、甜麺醤もある。

焼きそばは、マルちゃんの3食。
むろん、麺だけを使う。

作る。
にんにく、しょうがをみじん切り。

キャベツはざく切り。
太い繊維の部分は、一緒に炒めて火が通るように
包丁で潰しておく。
回鍋肉の場合、私はこうしている。
中華のシェフでもしない人もいるが、失敗しない。

豚小間は一口に。

先に焼きそば麺は、レンジで温めて、ほぐれやすくしておく。

炒めるのは、中華鍋ではなく、フライパン。
麺の扱いがしやすかろう。

熱して、油。
にんにく、しょうが、豆板醤を入れ、炒める。

ここに豚肉。
火を通し、脂も出す。

キャベツを入れ、さらに炒める。

ある程度火が通ったら、焼きそば麺を投入。

一度火を止め、ほぐす。
ここからは、ほぼ消火状態。
焼きそば麺を炒める必要はない。
キャベツに火が通りすぎてしまうので注意。
食感は大事である。

甜麺醤を投入。
どのくらいの量であろうか。

味見をしながら。

麺が入るので、通常の回鍋肉よりは多くしないと
味がしなくなるようである。

さらに塩胡椒、しょうゆ。
これくらい入れて、やっと味が決まってくる。

甜麺醤を入れすぎると、甘みが強くなってしまって、
うまくなかろう。

麺、具材にも味をよくからめて、出来上がり。

目玉焼きをのせようかとも思った。
これではないが、おなじCMのシリーズで、カルビカレー
であったか、温玉をのせていた。
これはバエル。

目玉焼きでもよさそう。
しかし、前から書いているが、目玉焼き自体、
あまり好きではないので、バエは気にしないことにする。

皿に移して、これで出来上がりにしよう。

まったくバエないが、アップ。

見た目は、ソース焼きそばと見紛(みまご)うばかり。
回鍋肉味の焼きそばである。
まったく味が伝わらないと思うが、これ、かなりうまい。
隠れている豆板醤の辛味がよい。

まさに、ビールによく合う。上出来、で、ある。