12月17日(月)第一食
さて、久しぶりに、路麺、立ち喰いそば、で、ある。
拙亭至近の路麺、小島町[アヅマ]
が閉店してしまってから、なかなか、ちょいと食べる、と
いうことが、できなくなってしまった。
路麺、路麺と書いているが、ちっとも広がらないので、
もうやめようか。
まあ、よい。
路麺。
「立ち喰いそば」では、チェーンが入ってしまう。
個人営業の立ち喰いそば店を、私は“路麺”と呼んでいるのである。
チェーンと個人営業とは、似て非なるもの。
まるで違う。
それで、区別をしたいのであった。
なにが違うのか。
個人営業だと、個性がある。
注文の度に揚げる天ぷら、ゆで立てはもちろん自家製麺
などなど。
“路麺”にある程度共通するのは、天ぷらの種類の多さ。
中でも、特筆されるのは、喬太郎師も名作枕で語っているが、
コロッケとソーセージ天。
昭和の香り漂わせる“路麺”にはかなりの確率で
揃えているメニューである。
そばにのせるものとして、コロッケ、というのは、
喬太郎師も、いったい誰が考えたのか?、といっているが
コロッケをそばにのせますか?というもの。
また、ソーセージ天というのは、魚肉ソーセージの天ぷら。
魚肉ソーセージを天ぷらにする、というのも
今となってはかなり妙なものである。
今回、どうしても食べたくなり、どこか知らないところが
ないものか、と探してみて見つけたのが、日暮里の
[一由(いちよし)]というところ。
あー、ここ!。
メディアでも取り上げられたことがあったのでは?!。
行ったことがなかったのは、迂闊であった。
行かねば!、である。
“路麺”であれば、山手線の一つ先、田端の[かしやま]まで
行っているではないか。
拙亭からはやはり、自転車で30分かからない。
鶯谷までは台東区、日暮里から荒川区。
やはり少し街の雰囲気が変わる。
日暮里からというよりは、根岸(鶯谷)あたりから
といった方がよいか。
さかのぼれば、江戸期。
根岸から、江戸郊外。
根岸は田んぼ風景、大店の寮、別荘が点在し、
文人墨客の隠れ住む、風雅な里。
日暮里も、ニッポリと読むが、本当の意味は、ひぐれ(の)さと。
風流な名前であったのである。
現代でいえば、日暮里から本当の下町感が始まる、というのか。
だが、まあ、日暮里も舎人ライナーの開通、駅前の再開発、で
大きく変わってはいる。
[一由そば]は、その駅前の再開発ビルの裏路地。
なんと24時間営業。
個人営業の“路麺”で24時間営業は聞いたことがない。
着いたのは、昼前。
ほぼ満員。
下調べによると、看板はゲソ天と紅ショウガ天のよう。
また、天ぷらは半分、ハーフというのもある、のが特徴。
カウンターのみで、なかなか狭い。
自販機ではなく、直接お兄さんに注文。
ん?。
そのお兄さんのいる注文スペースに、牡蠣天100円也も発見。
ゲソ天と紅ショウガ天ハーフに、牡蠣も一つ。
これで、510円也。
格安であろう。
これ。
ゲソ天はかき揚げ。
かなりカリっと揚げられている。
フニャ、ボテも私は嫌いではないのだが、ここの天ぷらは
このタイプのよう。
カリっ、なのでゲソの食感がバツグン。
牡蠣天も、上々。
そばはゆでおき。
これも“路麺”としては普通であり、なんら
マイナスポイントではない。むしろ、うまい。
つゆは、ちょっと、薄め、かもしれない。
カウンターには、お約束のこれ。
“路麺”には(魚肉)ソーセージ天は、欠かせないではないか。
紅ショウガ天。
これ、実は私初めて。
正直のところ、紅ショウガは、あまり得意ではない。
ソース焼きそばや、博多ラーメンに入っているとよける。
(なぜだか、ヨシギュウでは、たくさんは入れないが、
やはり欠かせない、のだが。)
なぜだか、荒川区、北区あたりに多いのではなかろうか。
紅ショウガ天。
三ノ輪、王子、赤羽、、、?。
ほう、こういうものか。
酢漬けなので、酸っぱいまま天ぷらになっているのね!。
当たり前か。
従って、つゆが酸っぱくなる、、、。
次は、入れないかも。
ともあれ。
ここ、日暮里駅前裏路地にあった、活気のある昭和の“路麺”。
まだまだ、元気で続きそう。うれしくなった。
荒川区西日暮里2-26-8
03-3806-6669