浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



断腸亭の夏休み2018 モルディブ その4

dancyotei2018-08-22


断腸亭の夏休み、モルディブ

ファンダイブの一日目。

荒れて船酔いに苦しみながら、なんとか一本目。

ポイントはノーマルなリーフ。

中は予想通りうねりも潮の流れもほぼなく、穏やか。

やさしいポイントであろう。

水の中へ入れば船酔いもすぐに治まるのが不思議である。

これなんだかおわかりになろうか。

あまりはっきり撮れていないが、頭の上に小判型の

ものが見えるかもしれぬ。

平たい身体。

コバンザメである。

くっつく相手がおらず、探しているのか。

しばらくついてきた。

我々にくっつかれてもあまりよいことはないが。

シャコガイ

太平洋、インド洋、南の島ではどこにでもいるが

これで40〜50cmある。

オオシャコガイという種では2mにもなるという。

まあ、さすがにそこまで大きなものはまだ見たことはないが。

サンゴである。



先にも書いたが、ここではサンゴはよい状態といって

よいのではなかろうか。むろん、専門家ではないので、

どの種のどれが、といったことはまったくわからないが、

少なくとも見た目に、死んで黒くなっているものは少なく、

昨年のバー環礁で死んでしまっているように見えた

テーブル状のサンゴもしっかり密度濃く生きている。

自然の復元力なのか、この辺りではそもそも影響はなかったのか、

わからぬが。

ちょっと小さいが、クマノミとイソギンチャク。



なぜであろうか、あれだけどこにでもいるこの組み合わせが

ほとんど見られない。ここではレアもの。

クマノミだけ、イソギンチャクには見えない柔らかいサンゴのような

もののそばに無理やり?いるのを見たが、イソギンチャク自体が

このあたりは少ないのかもしれぬ。なにか潮の影響?水質なのか、

原因があるのかもしれぬ。

イソギンチャクがいなければクマノミは生きられない?。

彼ら共生しているわけだが、おもしろい。

30cmはあろうか、随分と大きく、こいつらついてくる。

ツバメウオの類だと思うが、和名はないのか英語でPlataxというよう。

大きなものについてく習性があるのであろう。

コバンザメ的な意図であろうか。

ここから2本目。

ポイントは似たようなところ。

今日の大収穫。

後にも出てくるが、これ、なんだかおわかりになろうか。

見ようによってはちょっと気味が悪い。

ガーデンイール。チンアナゴである。

東京スカイツリーの水族館にいて、癒し系というので、

最近人気である。

南の島でもレアものといってよいだろう。

そうそうどこにでもいるものではない。

随分前に西表と昨年モルディブで見たことがあっただけ。

こうして砂地で身体を立ててゆらゆら揺れながら

プランクトンを食べている。

そうとうに臆病な魚で、ちょっと近付くとすぐに砂に入ってしまう。

名前通りに穴子の仲間らしい。

チンアナゴのチンは珍ではなく、狆、らしい。

顔が犬の狆に似ているからというが、顔がわかるほど

近寄るとことはほぼ不可能であろう。

イセエビ。

長く太いヒゲ。

夜行性で昼間は岩陰からは出てこないのでこうして長いヒゲ

だけしか撮ることができない。

日本のイセエビは生きているときから赤いが、

インド洋のイセエビは生きていれば赤ではなくちょっと緑色系統の色。

種としては同じイセエビ属でも日本のものとは別種のよう。

食べれば味は日本のイセエビとまあ変わらない。

去年のフォーシーズンズではよく出たっけ。

日本人としては皆、イセエビでよいだろう。

英語では、ザリガニ(オマール海老)もイセエビも

一緒くたにロブスターである。

またまた、登場。

ウミガメ。

やっぱりタイマイだと思われる。

甲羅の後部縁が、ちょっとギザギザしているのは

タイマイの一つの特徴のようである。

ウミガメはアカウミガメ、アオウミガメとそのまんま

の名前だが、タイマイだけ妙な名前で、不思議に思って

調べてみた。

タイマイは漢字で書くと「毒冒」の毒と冒のそれぞれに

王偏が付く字を書くよう。意味は毒消しということらしい。

混同なのか、意識的になのか、タイマイはスッポンとともに

解毒、解熱などの漢方薬として使われてきたらしい。

また、スッポンは土鼈甲(ドベッコウ)ともいうよう。

やはり似たものとして扱われていたようである。

タイマイは鼈甲以外にも薬として使われていたのである。

ともあれ。

2本終了し、海上の大波の中ドーニにたどり着く。

帰り道がまたたいへん。

上にあがると、また船酔いが本格的に復活。

1時間、ヘロヘロになって、島まで帰り着く。

元来、私は乗り物酔いにはそう強い方ではない。

動いているバスの中などでは本は読めない。

船もある程度の波を越すと、ダメではある。

内儀(かみ)さんの方が元々は船酔いしやすく、

ダイビング中でも波酔いといって、海中で微妙に揺れている

海藻などを見ているだけでも酔っていたが、今回は平気。

まあ、船酔いは慣れもあろうが、基本的には運動神経の

問題なのであろう。

私の場合、子供の頃から卓越した運動神経でもないし、

今回は疲れということもあるかもしれない。













つづく